一般通過異世界転生者:あなた 作:ID:Am88n712
| 選択肢分岐 |
| マラン達に同行する |
夜の冒険、幽霊探しにあなたも同行する。
そう伝えると、マランはわっと沸き立った。
「やった! ねーちゃんとレカ姉がいるなら幽霊なんて何匹いてもよゆーだぜ!」
「ちょ、声大きいって……!」
「バ、バカマラン静かにしてっ、お母さん達に聞かれたら大変だよっ」
そして即座に妹2人に鎮圧された。背中からガバリとのしかかられて口を手で塞がれ、ベシベシと頭や背中を叩かれている。マランはもがきながらモガモガと何事か抗議の声を上げようとしているものの、流石に2人相手に完全に抑え込まれた状態では何も出来ない。
やがて諦めたのか、クタッと脱力し寝台にへばりつくように降参してようやくマランは解放された。ただしその際も最後に良い音を立てて肘鉄を食らう。ぐえっと漏れた断末魔はなんとも哀れを誘うものだった。
もちろん、去り際の一撃は気の弱そうな印象の方の妹からもだ。むしろそちらの方が肘を落とした後にグリッとひねりを入れる残虐ぶりであった。
ザンガラっ子の鉄則だ。やる時は容赦なく、が辺境の海に生きる者の掟である。
ともかく、あなたは弟妹3人に同行する事に決めた。
異世界に幽霊は実在するのか。それが単純に気になっているという事もあるし、マラン達の姉として引率の心持ちでもある。
随分とやる気になっている彼らの事だ。放っておけば3人だけで夜の街に繰り出すだろう。それならいっそ、あなたと、そしてヤレカの手で安全を確保しての夜行にした方が良さそうだ。
幼い頃のちょっとした無茶は良い思い出となるもの。だが事故か何かでケガでもしてしまえば逆に後悔の記憶にもなりかねない。させてはやりたいが、止めてもしまいたい。そんな気持ちに折り合いをつけた要因は、当然ヤレカの存在だ。
「うん、任せてー」
背中にピッタリ張り付いたヤレカが、あなたの眼前に片手をもってきて親指を立てる。今世ではあなたにしか意味の伝わらないジェスチャーと共に、へにゃっと笑ったのが声の色でなんとなくわかった。
なんとも頼りがいのある従者である。ヤレカがいれば例え凶悪なアンデッドが夜に紛れていようが、犯罪者が街に暗躍していようが、どうとでもあしらってあなたとマラン達を無事に家に連れ帰ってくれるだろう。
さて、となれば必要なのは準備だ。夜の街での探索にあたり必要な物を、あなたは整えていく。
とはいえ、用意できる物はそう多くはなかった。何しろあなたの仮想敵は幽霊である。そういった存在は物理的な攻撃が効かないのは定番中の定番で、かといってでは何が効くのかと言われるとまた難しい。
マラン達が事前に用意した物を順に見ていくと、まずはボロボロの漁獲網。
これは本物の幽霊相手ならばまず意味は無いだろう。網自体をすり抜けるだろうし、そもそも破れて穴も開いている。
が、あなたの目的は置いておいて、マラン達の目的は最年少の妹であるツァナに幽霊の正体はこれだと突き付ける事にある。そしてそれは、本当の幽霊でなくとも良いのだ。
例えば、不気味な声の正体は変な声の野良猫だった……などという顛末でも全く構わない。そのようなケースにおいては、この網は実に役立つだろう。
よって、あなたは折角だからと網の修繕に挑戦した。
| ランダム分岐/道具の修繕 |
| 家事技能か加工技能で判定
あなたの家事技能 レベル0 漁獲網の損傷度合 レベル0 成功率50%
1〜5で失敗 6〜10で成功
1d10=8 |
「わー! おねーちゃんすごい!」
あなたの手元の網は今や綺麗に穴が塞がり、捕らえた獲物を逃がす隙間はなくなっている。即席の誤魔化し修繕であるため何度か使えばまた穴が空くだろうが、今回の探索では十分だろう。
上手上手と妹に讃えられつつ、あなたは内心でホッと胸を撫で下ろした。
網の修繕など前世今世通して初挑戦だったのだ。大人達の仕事を遠目に眺めた経験しかなく、見様見真似、手探りでの試みであったが上手くいって何よりだ。姉の威厳は守られたようである。
次に、魔除けになるとされる花。
こちらは10本ほどが束になった物だが、手折られてから時間が経っているらしく力なく萎れていた。タンポポに良く似た黄色い頭が重みに耐えかね、くったりと垂れ下がっている。
| ランダム分岐/花の情報 |
| 教養技能か社交技能で判定
あなたの社交技能 レベル2 情報セキュリティ レベル0 成功率70%
1〜3で失敗 4〜10で成功
1d10=2 |
「……これ、役に立つと思う?」
妹のそんな問いに、あなたはうーんと首を傾げる。
……魔除けとするにはなんとも頼りない姿だ。
あなたはそう感じたが、魔除けであるのは確かなようだ。屋敷の中でも窓辺などに時々吊り下げられているのを見た事がある。
ならば一応持っていくのが良いだろう。ただの迷信であるかも知れないが、さしてかさばるものでもない。万一何かの役に立てば儲け物だ。
最後に、海獣の角。
「へへ、俺が見つけたんだ。こいつがあれば幽霊だってこわかねーぜ」
マランがそう言い、扱い慣れた様子でヒュンヒュン振り回す。屋内でそれをやって物を壊ししこたま怒られた記憶は、どうやらもう残っていなさそうだ。
これに関しては特に言う事もない。子供が手にできる物のうちでは上等な部類の武器だろう。あなたも先日自分用の物を手に入れ、訓練にも使用し手に馴染んでいる。
そこそこ稀少な品であるためマランの分の1本しかないようだが、そもそもあなたは子供達に危険な相手との戦闘をさせるつもりもない。夜の街に何かが居たとして、あなたとヤレカが対応に当たるという前提で考えている。
ならばこれはマラン達の心を落ち着かせるお守り以上の役割はない。特に手を加えるべき事もないだろう。
以上がマラン達が用意した対幽霊アイテムだった。
他には屋敷に保管されていた保存食をくすねた物がいくつか。主に魚の燻製だ。この辺りで最も良く獲れる一般的な白身魚を、海辺に生える植物を使って燻したもので、ルワ・ザンガラでは実にポピュラーな品だ。あなたも何度も食べた経験がある。
特に調理も必要なく、むしって食べれば良いだけだ。ちょうどいいお弁当といったところだろう。
他に必要そうなものは、さて何があるだろうか。
そう考えるが、すぐに思いつく事は少ない。何しろあなたは幽霊に関してこれまで調べる事もなかったのだ。前世のフィクションを当てにしたところで、世界を跨いでいる今、意味があるかは怪しいところである。
マラン達に誘われてから一夜明け、決行の日は明日の夜だ。事前準備に使える時間は多くない。
出来る事といえば、まず出てくるのは情報収集だろう。幽霊について聞き込みを行い、効果のありそうなまじないや物品を用意する。
前世ならば正気を疑われる行動かも知れないが、何しろここは魔法も神の奇跡もある世界だ。何かしらの効果がある可能性は低くないし、今のあなたが幼い子供である以上、最悪でも微笑ましく見られるだけで済む。
同じく情報収集ならば、マラン達から聞いた噂の現場を昼の間に見て回る手もある。
あなたの寝台で語られた幽霊の噂は多岐に渡った。30分や1時間では語り終えられないほどの量で、その全てを一晩で見て回るのは到底無理がある。ならば先に期待の薄そうな噂を消しておくのは良い手ではなかろうか。
幽霊といえば夜ではあるが、昼にわからない事がないとも限らない。例えば呼び声が聞こえるなどの案件は家々の壁の隙間を風が吹き抜ける音であった、など。ヤレカならばそういった点も見つけてくれそうだ。
後は、調査には直接関係ないが、あなた達の真夜中の外出を気取られないための小細工など。
……実際のところ、あなたにとって本当に怖いのは幽霊よりも家族だ。事が露見すればイシャバとメナの激怒はまず間違いなく、あなた達は5人揃って厳しいお仕置きに晒されるだろう。それが恐ろしいというのもあるし、心配させてしまう心苦しさもある。ならばバレないのが一番だ。
対策手段としては、大人達がぐっすり眠るよう宴会を起こさせるなどが良さそうだ。昼のうちに海辺にでも繰り出し、ガラチをはじめとする酒のつまみ向きの食材を集めれば酒が入る可能性は高い。
他には……と考えて、あなたは海獣の角が目に入った。
戦闘訓練を行っておく手もある。
付け焼き刃の戦い方に効果があるとは、あなたももちろん思っていない。先に言った通り、そもそも戦わせる気もない。だが、集団戦闘の心得をマランや妹達と共に学んでおく事自体は役立つだろう。
例えば、幽霊が出たと怯えて子供達が全員バラバラに逃げ出し、夜の街ではぐれてしまう……などという事態は防止できそうだ。
考えられるのはこのくらいだろう。
これら以外なら、夜に備えてたっぷり昼寝しておくぐらいか。
幽霊対策の手段などは何も増えないが、夜の街を元気いっぱいに走り回れるようにはなる。あるいは、むしろそれこそが最上の策だったりもするのだろうか。
| 幽霊対策の情報収集 |
| 街の人々に幽霊について聞いて回る |
| 昼の間に噂を探る |
| 事前に期待値の薄い噂を排除する |
| 宴会用の食材を集める |
| 大人達を眠らせるため海辺で食材収集 |
| マラン達と戦闘訓練 |
| 常に集団で行動するよう心構えを叩き込む |
| たっぷりお昼寝する |
| 夜に眠気に襲われないよう事前にスヤスヤする |
コマンド?
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幽霊対策の情報収集
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昼の間に噂を探る
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宴会用の食材を集める
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マラン達と戦闘訓練
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たっぷりお昼寝する