アブノーマルとアブノーマリティ。そこになんの違いもないだろう? 作:鐘楼卿(ベル卿)ベルフェスティフ
「くそッ!まだ追ってきやがる!」
走りながらの視界の端ではオフィサーが死んでいるのが見える。
『あー、アンドレ。そいつは【T-01-54:捨てられた殺人者】。通称”一般人”だ』
『罪善さんの”懺悔”も着けているんだからその程度早めに処理してくれ』
部屋のスピーカーから声が響いてくる。
「チッ、こんなブラックな会社だとは思ってもなかったよ!」
アンドレは覚悟を決め、懺悔を振るって捨てられた殺人者に立ち向かう。
幸い、オフィサーの銃弾でダメージが蓄積していたのか一撃で倒れる。
「はぁ…気が重い」
アンドレは管理人の焦らない様子からこれが日常であることを察しため息を吐く。
そして、そんな月日も幾星霜。長い、とても長い年月が経った。
「センパーイ!」
「ああ、どうした?ミヤギ?」
アンドレの元に、1人の職員が駆け寄ってくる。
「管理人さんが用があるって、設計チームに来るようにって!」
「ああ、分かった」
アンドレは軽く頷き、それを見たミヤギは笑みを浮かべて去っていく。
「クククッ、また管理人の無茶振りじゃないかぁ?ま、頑張れよー」
メインルーム休憩スペースから軽薄そうな声色が聞こえてくる。
「ああ。ありがとう」
憂鬱な日の始まりに、一ついつもと違うイベントが起きた。それだけだと思い、アンドレは設計チームに向かうのであった。
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「さてアンドレ、突然だが君には長期出張に出てもらうことになった」
唐突な宣言。アンドレは当然だが驚く。
「…長期出張って、どれくらいの、ですか?」
「あー…ざっと10年ってとこかな?」
10年。それは、今までL社で働いてきた年月を、時間遡行分を足しても足りない年月。
時間遡行を含め勤務7年目にして10年間の長期出張。
L社でしか勤務経験の無いアンドレにはそれがどのようなことか正確にはわからないが、異例であろうということは心の底から理解できる。
「ッスーー…10年、か…行き先は?」
「お、割と乗り気?ま、いいや。出張先は悪魔学校バビルス!君は我が社の中で唯一他社での勤務経験がないからね!我が社の提携先の中で命の危険がないところに職場体験に行ってもらうよ!」
「断ってもどうせ推し進めるでしょう…いつ出ればいいですか?」
管理人は人差し指を立てて悪辣な笑顔で言う。
「今からに決まってるよね?」
その瞬間、地面に大きな穴が開く。
「ーーーーーーーッッ!!」
アンドレは声にならない声を出しながら真っ逆さまに落ちていくのであった。
管理人が主人公だと思った?残念違います!アンドレこそ真の主人公なのです!