ゲヘナに舞い降りた堕天使   作:シファー

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第11話 7人の強盗

便利屋は日雇い傭兵を率いてアビドスに乗り込んできたのだが…

 

「はあ結局来ちゃったのか雑兵雇ってまで…ばっかだねー私が居る時点でそんなカス共連れてきても意味無いのに…」

 

「ゲェ!?ピンクの髪に黒い鳥の羽根と蝙蝠の羽根のチビッ…まさかっ…」

 

「はいはい、そのまさかだよん、【キヴォトス最強】のルカちゃんでっす」

 

「「「「「はああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」」」」」」

 

「やってられるかー!?」

 

「勝てるわけねえだろー!」

 

「もう報酬なんざ要らん!」

 

「あっどこへ行くのアンタ達っせめて前金分は働きなさいっ」

 

散り散りに逃げ出すバイト傭兵達。

 

「はあカヨコすら”こう”なることを予想出来ていなかったとか…私がアンタ達を強くしすぎちゃった弊害かしらね…?アレが普通の反応なのよ残念ながら。アンタらみたいに破れかぶれでも私の前で戦意保てているだけで充分(心が)強い方なのよね、悲しいことに。

端金(はしたがね)で雇ったバイト傭兵なんてあんなモンでしょうよ。ゲヘナ生のアンタらはあんま知らないでしょうけど私は1年の時散々色んな学区でチンピラ相手に暴れまくったから直接知っている奴も多いのよね、あの頃は政治的な理由でゲヘナにはあんま行かなかったし…」

 

「アビドスの皆も卑劣な侵略者共相手に()る気満々だし、私まで本気で暴れちゃ無粋でしょうよ。人数的にはこれで殆ど公平でしょう。もし皆を倒せたらその時は相手してあげるわ」

 

とか言うなり退いたかと思われたルカだったが…

 

ムツキが

 

「喰らえー!ば「ばーんっ☆」あ…にょわぁあああああああっ!?」

 

投げようとしていた爆弾を詰めたバッグをバスッと狙撃されてその場で起爆されたり…

片手で云々でアルがカッコつけて身を乗り出した瞬間にルカのライフルでふっ飛ばされた後にノノミのミニガンの斉射で追い打ちを食らったりと散々だった。

 

更には空から手榴弾を降らせたりやりたい放題だった。ヘリやドローンと違って絶対に撃ち落とすのが無理な高度からだったし。

 

まあSP枠程度なら構わないよネってことで…ST枠の如く前線で暴れたら文字通り瞬殺なのでこれでも有情なのだ。なんで社長がライフル持って前線に突入してくるんだろうねえ…

アルが攻撃しようとすると徹底的にルカが出鼻を挫きまくっていたので殆ど何も出来ずに封殺されていた。ちなみにユメパイは参戦していない。

一応今でもそこそこ戦えるのだが、基本S.C.H.A.L.E(シャーレ)側で出撃するのはルカのみだ。便利屋はルカの弟子のようなものだが、アビドスも似たようなものである。アルは充分強者の部類に入るがホシノのような特級まではいかない。

互いのモチベが違いすぎてホシノも臨戦す(本気にな)る必要も無かったのだが。ちなみにこの世界のホシノは割とよく本気を出す。おじさんしている時は大体後輩の成長を図って見守っている時なのだ。コテンパンにされた便利屋は逃げ帰っていく。

 

「おっ覚えてなさいよーっ!」

 

「べーっだっ!2日で忘れてやんわよーっ!」

 

「あ、S.C.H.A.L.E(シャーレ)は優秀な人材をいつでも募集中よ、路頭に迷ったらおいでー」

 

「ちゃっかりしているねーまあそこそこ強かったけどさ」

 

「捨て台詞は三下だったけどねー()」

 

そうして後日ヘルメット団の武器の出どころを探るためにブラックマーケットに行くことになり───

 

「皆の普段の制服もいいけど私服も似合っているねえ、アソコ行くのに制服は良くないからねー前に一緒に買った甲斐有ったねー」

 

「ここがブラックマーケット…」

 

「ここ私の庭のようなモンだからねえ、あ、ヒナちゃんとミカ以外はこれ知んないからオフレコで、ね」

 

「あ、鯛焼き屋さんだ、皆ー奢るよー」

 

ユメパイは隙あらば後輩に奢ろうとする。給料をアビドスにいくらか納めようとしてもホシノが必ず断るからだ。

 

「ほら先生もっ」

 

「〝ありがとうユメ〟」

 

「こらーっ待ちやがれーっ!」

 

「わわわーっ!?困りますーっ!」

 

「はあ…ヒフミよねえ…あんたら邪魔」

 

「「「ほべぶっ!?」」」

 

ばちこんばちこんとビンタだけでふっ飛ばされていくチンピラ達。せっかく先生とユメパイがちょっと良い雰囲気になりかけてたのに…

 

「ヒフミ…アンタ『ここに来る時はせめて私に連絡しなさい』って言ったでしょーがっ」

 

「あわわわわルカさんっ!?それがそのですねえ『この前ルカさんに会いました』ってナギサ様に報告したらちょっと雰囲気が恐くなっちゃってぇ…」

 

「まあタイミング的には私とアンタがそもそも接点あるはずないもんねえ大方新旧お気に入り同士が自分の知らないところで仲良くなっていて不快ってとこかしら、ね。全くあの子はミカにどーこう言うクセに一番面倒臭いのは自分じゃないのっ」

 

中等部とはあんま交流無かったしなあ。

 

「いえ、ナギサ様は今でもかなり…」

 

「まあどうせ近い内に堂々とアンタらに会いに行くことになるだろうから。アンタもかなり大変になるだろうけど新しい友達がいっぱい増えるから楽しみにしておきなさい…それでお目当てのモモフレグッズは入手出来たの?」

 

「ええはい、そちらはばっちし」

 

「ああ、皆にも紹介しておくね、こいつはトリニティ高等部2年生の『自称・平凡』阿慈谷(あじたに)ヒフミ…大のモモフレ狂人というかペロロキチよ、命が惜しくばこいつの前でモモフレをdisるのは止めておきなさい…ちなみに知り合ったのはこのブラックマーケットでなの…」

 

何か言いたそうなヒフミだが無視する。その後も次々とチンピラが襲いかかってこようとしたが2回目以降は私の顔を見るなり逃げて行った…

 

そうして───

 

「カイザーローンね…」

 

アビドスから現金を回収してからここに来たカイザーローンの取引現場を目撃する。

ホシノが含みのあるように言う。当然だ。奴らの裏側まで私が教えているのだから。今ここにいるのは私が「カイザーのことは知らないつもりで動いて」と頼んだからだ。先生のことを全面的に信頼するまでにも必要であろう時間だからだ。

そうして話の流れで銀行を襲うことになり…私服で来させたのもこのためだ。ヒフミ用の覆面を私が用意しといても良かったのだが、敢えて1人だけ浮いている紙袋の方が特別感があっていいだろう。

 

「ぎぎぎ銀行襲うなんて駄目だよーっ!皆ぁ~!」

 

「ユメちゃんがやりたくないんなら1人だけ不参加でも構わないわよ、私らだけでやるから、どうせ仮に現金も奪ったとしても返済に使おうとしたら足つく可能性高いから結局使えないし、例の記録だけなら構わないでしょーよ」

 

「うぅ…後輩だけに手を汚させるわけにはいかないよっ私もやるよっ!」

 

その後のことは言うまでもない。私は体格も普段と変えていたのだが、アル以外の便利屋にはバレバレだったようだ。

 

覆面水着団は7人のメンバーとなり…なんか7人ってキリが良くていいな…7人の◯◯ってよくあるし…先生が指揮して私まで居るのだからあっという間に手際よく目的を済ませてしまった。

現場にいなかったアヤネも入れたら8人だけど…私は主に素手で周りの物を壊して脅す役だった。これくらいならミカでも出来るんだけどね…ノノミだけ名乗るのもアレなので、私は「アフロディーテ」を名乗った。金星繋がりだ。

グーで壁や机をぶち壊したり、柱を手掴みで欠けさせて破片を握って粉々にして「こうなりたい?」(パラパラ…)とか言って。普段なら器物損壊になるし、こんなことして脅す必要もないので結構新鮮でノリノリだった。

カイザーの建物ならいくら壊しても構わないし。間違えてシロコが受け取ってしまった、現金バッグは集金記録だけ抜いて便利屋の方に投げといた。

 

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