ゲヘナに舞い降りた堕天使 作:シファー
当然のことだが───世の中「悪を倒してめでたしめでたし」で済むような単純な話は余り無い。
それが個人や小規模な犯罪組織程度が相手ならともかく、相手は既にキヴォトスに深く食い込んでいる大企業だ。無理に完全に潰そうとしたら問題が大きくなる。
だが私と
多分後はジェネラルあたりが継ぐのだろう。カヤも脅しておいたし、すっぱり防衛室と手を切らせた。こっそり脱獄なんてさせられたら堪ったもんじゃないからな。これからカイザーは厳しい眼で見られるし方針転換せざるを得ないだろう。
子供の学生が中心に運営しているキヴォトスであんなこと吐いてたら、マトモなところは皆手を切るだろう。ミカから「ナギちゃん超喜んでいたよ『締め出す良い口実が出来た』ってさ」という報告もあったし。
ゲヘナの方には口を酸っぱく「暴力に訴えるな」と注意喚起しておいた。ゲヘナの倫理観だと「カイザー狩りだぁ!ヒャッハー!」とかになりかねない。判り易い弱者を叩くのはトリカスのお家芸だが、ゲヘナに無いわけじゃない。
ただ「カイザーだから」という理由で普通の社員相手とかに略奪されたら流石に罪悪感が湧く。トリニティ生は基本裕福なお嬢様ばかりなので「略奪だぁ」とはならないはず…
「やったわねルカ先輩!これで奴らも終わりね!くたばれカイザー!」
「うーんと悪いけど世の中そう単純じゃないんだよねえ私の知る
まあ方針転換せざるを得ないし、暫く悪いことは出来ないと思うよ、でかい楔打てたし…向こう10年はアビドスに手出し出来ないだろうからもうこっちの心配はほぼ無いと思う」
「アヤネちゃんクラファンどれくらい貯まった?」
「そろそろ1億越えそう…です…今の借金なら返済し切ってお釣りも出そうですね…」
「いやー何でもやってみるもんだね、でもまあクラファンはともかく…私のやり方は参考にしちゃ駄目だよ。マトモに相手したら面倒臭いから、今回限りのつもりで使った反則技だし、個人の能力に頼り過ぎで再現性ほぼ無いし」
「あんな手ばっか使っていたら関係のない所からも要らん警戒されるからね、それにしても奴らは迂闊で馬鹿だったと思うけど、もう違法な利子釣り上げとかも出来ないだろうから普通にきっちり完済してやんなさい」
「うぅ…私達の時は9億以上もあった借金が完済出来る日が来るなんて…ルカぢゃあんありがどおおおおぅ」
セリカは「え?そんなあったの?」って顔をしている。1年生が来た頃にはもう5億切ってたからな、4億以上は充分多いけど。
「今日まで諦めずにアビドスを守って繋いでくれた貴女やホシノと今の生徒達、それ以外の卒業生達のお陰ですよ…私は最後の方にちょこっと手伝っただけに過ぎないです」
「配信で『私が結構来ている』って言ったら不良減ったし…もっと早く言っておけば良かったわ、でも、先生…ほぼ私の独断だったのに、
「〝カイザーは私も許せなかったし、結局ゴーサインを出したのは私だからね〟」
「『私がこれ以上恐がられないように』といったところですか…『大人の責任』の取り方というやつですね…はあ、貴方のような人がもっと多ければ…」
「ホシノ、皆…ゲヘナの名前そのものは使えないけど、ルカだけじゃなく、私個人の名前なら使って構わないわよ?」
「うへ…ヒナちゃんまでって過剰じゃない?」
「アンタがもっと普段から本気出せば良かったんじゃないの?まあ後輩想いのホシノちゃんには匙加減難しいっか、ユメちゃん狙われた時には鬼の形相してたのにね」
「そりゃ先輩は皆ほど強くなかったし…」
「アビドスは確かに粒揃いよね、全員ウチに欲しいくらいだわ」
「そんじゃまあ、依頼は完遂かな?ヒナちゃん後でアレじっくり見せてね、じゃあ皆次は