ゲヘナに舞い降りた堕天使   作:シファー

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天天の棗真夜あたりを意識していた設定だけどこれハンタのビスケだわな、って後から思った。


第2話 トリカスより頭ゲヘナの方がマシっていう

 そもそも私が何故風紀委員会に所属しているのかというと…まあヒナちゃんのこともキャラとして元々好きだったのもあるが、それだけじゃない。寧ろミカの方が好きだった。

2年の頭頃トリニティから転入してきた私に「お嬢様がいい気味だぜぇ」みたいな感じで露骨に喧嘩を売ってきたバカが居たので高く買ってボコった。

「喧嘩」と呼べるほど長引くこともなかったが、即座に鎮圧にきた他の風紀委員達に対して同じクラスだったヒナちゃんが庇ってくれたのだった。

「トリニティ出身」というだけでその手のバカは群がってきた。大した奴は1人も居なかったけどキリが無かったので合法的にバカをボコれるように、絡まれるのを無くすために風紀委員会にそのまま入ったのだった。

1年生の頃の私の実態を知っていたヒナちゃんは私が実力者だと知っていたためそれはもう無茶苦茶歓迎された。ヒナちゃんは確かに文武に長けたスーパーガールだが、アコみたいな()も居るのに書類仕事だのなんだのの

デスクワークに時間を割かせるのは勿体ない。そのあたりのワンマン状態を解消するためにアコやチナツに積極的に割り振ったり文官候補生をスカウトしたりもした。

勿論私も手が空いている時は手伝っている。「残業0」を目標にかなり実行出来ている。お陰でヒナちゃんの過労は0になり、常にパフォーマンスも最高状態だ。

今は殆ど「ヒナちゃんが2人居る」みたいな扱いなので不良共も比較的大人しくなった。あくまでも「前よりマシ」というだけで0にはならないのがゲヘナクオリティなのだが。

ゲヘナ生は不自然なほどイブキちゃんを可愛がっているが、「外の人間」と悪魔王(サタン)としての側面も併せ持つ私は魅了されない。マコトのアホが嫌がらせする度に怒鳴り込んでいる。

他の連中だったら「イブキちゃんは絶対巻き込まないように」と気遣うところだが、私はあんまり気にしない。流石に積極的に狙うことはしないが。あの子自身に罪は無いし。

そのあたりのことでイロハに文句を言われたこともあったが、普通にボコった。そもそもこいつらがあのバカを抑えれば済むことなのだ。

 

「お前みたいなNo.2居る意味無いんですよ…マコトのバカを潰したらすげ替えたトップてめぇがやるか?それとも無能のてめぇら幹部3人纏めて潰してからイブキちゃんにトップやらせるか?それが嫌ならマコトのバカきちんと抑えやがれ」

 

胸倉を掴んで殺気に神秘と恐怖も乗せて脅されたイロハはガクガク震えながらコクコク頷くしか出来なかった。そもそもただ甘やかすことしかしないあいつらの方針はイブキちゃんにも毒だ。行き過ぎた栄養が時に毒になるのと同じように…

10歳にもなればもう大分人格も出来上がっている頃だから既に善良なあの子がここから極端に歪むことは無いと思うが…飛び級しているように地頭はかなり良いはずのあの子の言動の幼さは周囲の甘やかしにも原因があるだろう。

トップとして半分くらいしか機能していない万魔殿からイブキちゃんだけ引き抜いて他の連中全員潰しても構わないのだ。まあそんなことしたら生徒会としての役割がこちらに移ってしまうだろうから実際にすることはないが。

そもそも自分達の下部組織である風紀委員会に嫌がらせとか意味が判らん。ゲームではギャグで済まされていたことだが、当事者になったからには座して待つつもりは無い。

イロハはなんだかんだマコトのストッパーに最近はなってくれているらしく非生産的な嫌がらせは減った。じゃなきゃ脅した意味が無くなる。必要最低限の仕事しかしない、バカの抑えも出来ない形だけのヤレヤレ系なぞ要らんのだ。

マコトは万魔殿への勧誘を私が蹴ったことを根に持っているっぽいが。まあ個人的な嗜好としてはあの手のバカも嫌いではないが、同僚たちや自分自身に苦労が降り掛かってくるのなら話は別だ。

温泉開発部とか相当な資金が無ければ成り立たないような規模で活動しているのにあの大人数でいつも騒動を起こしているのがわけわからない、ということでマコトを脅して部費を削らせたのだが…

どうも奴らは、開発済みの温泉旅館から資金を回収していたらしい。普通に校則違反なので、既に出来上がった温泉宿を襲撃するような空気の読めないマネはしないが、学園外で奴らを見つけたら大体襲撃している。

美食研は温泉部に比べれば少数な分規模は可愛いものだ。メシマズだけで爆破とか意味判らんから部費は削らせたけど…そもそもバイトもせずに部費で好きに食べ歩きをしているのが贅沢すぎなのだ。

実家が大抵太いトリニティ生ならともかく。ハルナは育ちは良さそうだが、実家は厳しめらしくお小遣いが多いわけではないらしい。

 まあ普通に食べ歩きしている時だけなら人畜無害な連中なので温泉部連中よりは普段の対応は甘めにしているが。

というか普通に仲良くしている時もある。トリニティの陰湿お嬢様()共よりハルナの裏表の少ない人格のほうが大分好ましいのだ。

フウカを誘拐するのはいい加減止めて欲しいのだが。非番の時はフウカの護衛も兼ねて同行したり給食部を手伝っている時もある。

私はトリニティ方面に出向く時はよくマコトに連れ回されている。一応「護衛」という名目で。どうも「トリニティよりゲヘナを選んだ元幹部候補生(ティーパーティーこうほ)を自分が従えている」という形にしたいらしい。

以下は以前のトリニティとの会談の場面である。

 

「……なるほど、お前が「トリニティの戦略兵器」と呼ばれる剣先ツルギか。」

 

いきなり人の名前を間違える失礼なマコトに裏拳で腹パンする。

 

「ごふぉっ!?何をするぅルカぁ…」

 

「今日会うと言っておいたその人は委員長のツルギではなく副委員長の羽川ハスミ…『ツルギはこういう場向きではないので彼女が来る』と言っておいたでしょう…トリカス共より鳥頭なんですか、貴女は…人の名前間違うとか普通に滅茶苦茶失礼ですからね…?」

 

その後もハスミの胸元を凝視しながら失礼なことを言いまくったのでど突きまくった。

 

「ハスミ…すいません、マコトのバカが失礼なことを…貴女の『胸が大きい』と言っていただけで決して『体型が太っている』と言っていたわけではないですよ?

寧ろ同じ女性としては羨むほどの抜群のプロポーションにマコトが無駄に対抗心を燃やしていた、というのが実態ですからね?」

 

なんでゲヘナ生になった私がハスミを慰めてんだろ…

 

「…でもミカ様が『今のお姉ちゃんは本当は私よりスタイルが良い』って…」

 

「私は昔から程よく鍛えているし、ゲヘナは治安がアレでカロリーもよく消費するから体型に出ることなんざまず無いのよ。ハスミも体重管理は程々にしておきなさい?まだまだ若いんだし…」

 

「あの…ルカさん、戻って来る気は無いんですか…?ミカ様は勿論のことナギサ様もツルギも…寂しそうにしていましたよ…?勿論私も…」

 

「トリニティにも普通の良い子がいっぱいいるってのは理解っているけど、ごめん、水面下でのあの陰湿な感じはやっぱ肌に合わないから…ゲヘナのチンピラ共シバいている方が私の性分に合っているからさ…それにもうこの羽根だし…」

 

ハナコ程では無いだろうが出来の良い頭と、ミカを小さくしたような愛くるしい容姿、ツルギと同等以上の戦闘力、次期パテル派首長が内定していたのに勧誘がうざかった。ハナコとは仲良く出来たかもしれないのにな…その前に転校してしまったのだ。

 

「ナギサに『近い内に会いに行く』と伝えておいてください…『どうしても誰も信じられないなら今すぐにでも会いに行く』とも…」

 

今でも普段から連絡を取り合っているトリニティ生はミカだけだ。セイアの場所を突き止めて立ち塞がったミネをシバいてミカにセイアが生きているところを一目見させたので、正史(ほんらい)ほどミカは追い詰められていないだろうが…

ナギサはなあ…ちょっと不安だ…

 

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