ゲヘナに舞い降りた堕天使   作:シファー

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第20話 廃墟から初めまして

「あのロボット達なんだったんだろ?」

 

「さてねえ、”何か”を守っていたのかもしれないねえ、私達も基本ぶっ壊すか逃げるだけだったし」

 

そして奥に進むと不意に音声が流れる。

 

『接近を確認。』

 

『対象の身元を確認します。才羽モモイ、資格がありません。』

 

「部屋から!?え、え!?何で私のこと知ってるの?」

 

『対象の身元を確認します。才羽ミドリ、資格がありません。』

 

「私のことも……一体どういう……?」

 

『対象の身元を確認します。狐坂ワカモ、資格がありません。』

 

「当たり前ですのになんか腹が立ちますわね…」

 

『対象の身元を確認します。梔子ユメ、資格がありません。』

 

「まあそうだよね…」

 

そう言いつつもちょっとガッカリしてるのが判るのだが。

 

『対象の身元を確認します……「☓☓先生」。

 

『……。資格を確認しました、入室権限を付与します。』

 

『対象の身元を確認します………「聖園ルカ」、特殊メッセージが再生されます…「ありがとう、ルカちゃん」』

 

「あれ、会長の声?」

 

「っぽかったね…」

 

(アロナの声?)

 

別に貴女に礼を言われる筋合いは無い。どのみちここに同行するのは既定路線だったし。まあなんだかんだ特別扱いしてもらえることに嬉しさが無いわけではないのだが。このあたりはノータッチだったから会長の仕込みなんざ知らないし。

 

『才羽モモイ、才羽ミドリ、狐坂ワカモの3名を先生の【生徒】と認定、梔子ユメと聖園ルカを【助手】と認定、同行者である【生徒】と【助手】にも資格を与えます。承認しました。下部の扉を開放します。』

 

ガチャンッ

 

と音がして床が抜ける。

 

「「「きゃあああっ!?」」」

 

「あれ、クッションある。全然痛くない…」

 

ぼすんと全員がクッションの上に落ちる。ワカモと私だけは普通に反応してクッションの上に両足で普通に着地したが。クッションは私の仕込みだ。

ワカモは先生に咄嗟に手を伸ばそうとしていたが、誰も庇おうとする素振りを見せなかった私のことを白い眼で見てる。

 

だが、他の面子は誰も私を見ていない何故なら───

 

「お、女の子?」

 

「わーすっぽんぽんだねえ…」

 

「あれ?何か文字が書かれている…AL-IS……アリス?」

 

「それ、Iじゃなくて多分1…AL-1Sだと思うけど…アリスならエーエルアイシーイーでしょ。まあエーエルワンエスなんて型番っぽいの全然可愛くないし『アリス』でいいんじゃないかしら?」

 

ピピッ、ピピピッ

 

「な、何この音!?」

 

「その子からよ?」

 

「「え!?」」

 

「状態の変化、および接触許可対象を感知。休眠状態を解除します。」

 

おはよう…アリス、これからの貴女の生に幸あらんことを。なんてトリニティ生っぽくちょっと祈ってみる。

 

その後は正史(ほんらい)と大差なく、目覚めた彼女にミドリの予備の服を着せて連れ帰った。

 

───

 

「じゃあこの子を新入部員として登録しよう!」

 

「何を言ってるのお姉ちゃっ…ルカさんもなんか言ってください!」

 

「んー私は良いと思うわよ、その子のためにもなるだろうし…ヴェリタスに私の方から頼んでおくから任せなさい、それに『素敵な出逢い』があるって言ったでしょう?アリスちゃんもそれでいい?」

 

「肯定…本機もその提案を受諾…」

 

「それにまずは…」

 

「この喋り方なんとかしないと駄目だよね…」

 

──────

それから私はちょくちょくクソゲー部に顔を出した。

勿論依頼は継続中なので基本他の面々にはミレニアム学区内の私のセーフハウスに居てもらっている。暫く人手要らんからな。

 

「それであのクソゲー『テイルズ・サガ・クロニクル』をやらせたのね…ホントアレどうかと思うわよ、チュートリアルで指示に従うと死亡とか急に別ゲーが始まるあのクソゲーを…」

 

「ぶー!そんなにクソゲー連呼しなくてもいいじゃないのさぁ!」

 

「アンタが半分以上の原因なの理解ってる?アホモモイ…まあアリスちゃんには何故か良い影響だったみたいだから結果オーライか…ふーんそれで『面白い』って言ってくれたからユズも出てきたのね…」

 

「そうです…ルカさんもアリスちゃんを連れてきてくれてありがとうございます…」

 

ロッカーに隠れていたユズも出てきていた。勿論私は最初から気付いていたが。

 

「そうだ、そろそろアリスも自分の武器持ったほうがいいかもね…キヴォトスの生徒は皆自分だけの武器持っているし…まあそこに1人例外が居るんだけど…」

 

「何よー私は武器いっぱい持ってるわよ、普段は携帯していないだけで…」

 

「その二丁拳銃も固定じゃなくポンポン変えてるじゃないですか…」

 

「まあライフルも使えるし、ロケランとかも使うし、その気になれば剣とかも使えるからねえ」

 

「それで1番強いのは結局素手なんでしたっけ?」

 

「まあ結局一番神秘(チカラ)通し易いのは自分の肉体だからねえ、私とそこそこ交戦経験ある子達は皆至近距離なら蹴りくらいは普通にしてくるわよ」

 

「まあでも、銃の射程と威力は無視出来ないから普通は銃使うのが1番良いのは間違いないわよ、ミカも殴ればコンクリートくらい粉砕出来るのに普通に銃使ってるし…」

 

「ルカさんは足も滅茶苦茶速いからじゃないですか?…それじゃミレニアムならやっぱりあそこ…エンジニア部に行きましょうか…」

 

───

 

「なるほどね、そういうことなら分かったよ。ゲーム開発部4人目の部員アリスさんの武装…況してルカさんも居るなら…ジュルリ」

 

「はいはい、後で超重量武器のテストなら付き合ってあげるから、舌なめずり止めろウタハ」

 

「これ…」

 

「おお、それに目を付けるとはお目が高い、宇宙戦艦搭載を目標とした大気圏外での実弾兵器を目標としたレールガン…アビドス砂漠に降り注いだ巨大隕石の破片もふんだんに使用した超高額ロマン武装…!【光の剣・スーパーノヴァ】!」

 

コトリがノリノリで解説する。

光の剣ねえ…私的には某ジェダイのアレとかガンダムのとかが浮かぶんだが、ビームサーベルやライトセイバー使いてえ…その辺のパチモン、キヴォトスには無いんだよな…ちなみに隕鉄の4割くらいはリオが持っていったらしい。

あの隕鉄を使用しているからか、神秘の伝導率がやたら高く間違いなく原作(オリジナル)より強化されているんだよなあ…

 

「【光の剣】…未だルカさんしか使えたことがない武装…部費の8割も突っ込んだのに使ってくれないんだよね…」

 

「普段遣いとしてメンテ性は無視出来ないでしょう、でもミレニアム生のアリスちゃんになら悪くないんじゃない?」

 

ぶっちゃけ私も自分用に確保した隕鉄を提供して高額の依頼料を払ってもう1機自分用に確保してある。使い所は決めてあるが…

 

「アリス、これが良いです!」

 

「え、でもそれは…」

 

「基本重量は150kg瞬間的反動は200kgだっけ?アリスちゃんならそれくらいイケるわよ。私でも余裕だし」

 

「んんん…!持ち上がりました」

 

「ボタンはこれでしょうか…光よっ!」

 

「あ、バカッ」

 

ルカが銃口から飛び出した弾を即座に殴ると、ギャリギャリィ!と火花と甲高い音が鳴って超強引に軌道を曲げて速度を殺す。ぶち抜かれるはずの天井は守られた。弾は速度の大半を殺され、宙空を少し舞うとカーンと鳴って床に落ちる。

 

「うわ、すっご…」

 

「おー痛たた流石に手がいてえ…!アリスそれ火力やばいから不用意に撃たないように、ね。流石にここでそれ使って戦うのは狭いから外の演習場行きましょっか、ウタハもそのつもりだったんでしょう?」

 

ゲームじゃないんだから屋内でレールガンなんて撃ったらシャレにならんし。

 

「流石ルカさん、理解ってるね私達のこと」

 

───

 

「じゃあテスト相手は、エンジニア部にドローン多数と…私でいいかな?」

 

「ええーっ!ルカさんそっち!?」

 

「さっきの見てたら私相手なら気兼ねなくぶっ放せるでしょーが、私が最初から動くと勝負になんないから、こっちの残りが少くなるまで動かないから」

 

「ルカさんも、もっと使ってくれればデータ集まるのに…」

 

「ミカあたりでも使えるとは思うけどね…私らくらい神秘(チカラ)強いとそこらの銃で大半の生徒を簡単に昏倒させられるから過剰火力で使う意味無いのよ」

 

 

そうしてエンジニア部とゲーム開発部が戦うが、アリスは的確に相手の密集地帯を狙って撃ち込みエンジニア部は倒された。情緒はまだまだ子供なのに、戦闘に関する判断力は的確だ。さて…

 

「さ、レベル1の駆け出し勇者がレベルカンストの魔王様に通用するか試してご覧なさい?」

 

そう言うや否や、恐ろしい速さでアリスとの距離を詰める。

 

「速ッ!?照準がっ…痛ぁ!」

 

2mも無い距離からゲーム部全員を撃ち抜く。モモイ、ミドリは昏倒したがアリスは痛がるだけでまだ戦闘続行出来そうだ。流石に堅いな…今のネル以外のC&Cくらいなら1発でノびるくらいの威力あったんだが。

 

「へえ頑丈だね流石…じゃあこういうのはどう?」

 

気絶したモモイを掴み盾にして攻撃する。

 

「モモイを盾にっ…!?」

 

これやると結構「外道」だ「魔王」だ、口汚く罵られるのだが、地球ではよくある発想だろう。況してやキヴォトス人はクソ堅いのだ。肉壁利用は当然の戦法である。

 

「オルァ!喰らえッモモイ弾ッ」

 

モモイをアリスに向かってぶん投げる。ドッジボールしようぜ!モモイ!お前ボールな!

 

「なぁっ!?」

 

武器を手放してモモイを受け止めるアリス。

 

「もらったァ!」

 

重なった2人に対してお構いなしにアリスの首を掴み地面に叩き付ける。少し地面に罅が入ってめり込む。

 

「ぐぇ」

 

「あららアリスちゃんノびちゃった、ルカさんもーちょい手加減してあげても良かったんじゃないですか?」

 

「馬鹿言ってんじゃないわよ。私が本気なら()()()()()()()()()()()()くたばってるわよ」

 

「ルカさんッ!気付いてッ…!?」

 

「あんたらが機械工学の専門家(スペシャリスト)なら、私は戦闘と神秘の専門家(スペシャリスト)だからね、人体の造詣もそれなりに深いし、予備知識なんか無くてもすぐ普通の人間じゃないことくらい気付けたわよ。」

 

「予備知識…じゃあその子の出自も知って…!?」

 

「まあやたらその子を警戒しているお宅らの会長よりは…ね、ウタハ、アンタはその子の特異性見抜いたのかもしれないけど今は口を噤んでおきなさい」

 

ウタハはアリスの特異性にかなり深い部分まで気付いていたが「ルカが言うのなら」と誰にも言わないことにした。

碌に姿を見せないリオ会長よりよっぽど信頼しているし…

 

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