ゲヘナに舞い降りた堕天使   作:シファー

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第24話 相談室:ウラ

プルルルルル

 

ルカのスマホが鳴る。

 

「ん、ナグサからか珍しい」

 

「はいはーい何よナーちゃん珍しいわね…」

 

「この前の配信…解決さくぅ…結局教えてくんなかったしぃ…」

 

「あ、そーいやそーだったねワリィワリィ、まあ突っ込んだ話はあんまり配信(あっち)じゃ出来ないからね、言葉選びにも気遣うし」

 

「んもーしっかりしてよォルカちゃん!アヤメに『ルカちゃんの手煩わすなksが…』とか言われるしぃ!」

 

「そっか、あの子もようやく自分を出せるようになってきたのかい良かった良かった」

 

「全然良くないよォ!ブロークンマイハートは!?私の心はどうなってもいいとでも!?」

 

「はぁ百鬼夜行の連中は何故こうも面倒臭いのか、色ボケ狐といい…あんさー君も私に泣きつくんじゃなくてキョウちゃんやレンちゃんらに泣きついたら?」

 

「う!だって私のこんな姿後輩に見せたくないし、況してやアヤメのことじゃ…」

 

「どーかな…キョウちゃんやレンちゃん達も君のポンコツっぷりに気付きつつあるよ?ゆかりんは良くも悪くも君らに憧れているから全然そんな素振り無いだろうけど…」

 

「それにさ、ナーちゃんもしかして『アヤメのことは私が一番理解しているんだ!』みたいな気色の悪い恋人面みたいなこと思っていない?その自惚れ無くさないと君が真実を直視するのは無理かもね」

 

「『憧れは理解から最も遠い感情』か…(まさ)に君らのことだね、私から現時点で言えることは『目に見える物全てが真実とは限らない』ってことだね。アヤちゃんの変化は決して悪いモノじゃないよ。

君の本性だって無理に隠さなくても百花繚乱の子達は皆おおらかで優しいからなんだかんだ溜息()きながらでも受入れてくれるよ。

それと連邦生徒会長を間近で視てきた私だから敢えて言うけど本当に『完璧な人間』なんてこの世に居ないよ…もし居たら気持ち悪いし、発展性が何も無い退屈なお人形さんじゃんそんなん。」

 

「え…でもあの『超人』は…」

 

「まあ、あの子の場合能力を数値化したら満遍なく超高水準で、『身勝手な幻想』を押し付けられるのも仕方のない部分はあったけどね…」

 

「等身大の本人は結構隙が多くて弱点だらけで『完璧』からは程遠かったよ…」

 

思えば私が彼女に気に入られていたのも能力の高さだけじゃなく、そういった色眼鏡(フィルター)を掛けなかったからかもしれない。

 

「それはルカちゃんが彼女と同じ水準に居る『完璧な超人』だったからじゃ…」

 

「私が『完璧』ぃ?んなわけないじゃん、そりゃ私は最強で天才で可愛くて本当はスタイルも良いけど『完璧』って思ったことは一度もないよ。かなり好き勝手に振る舞っているし、結構暴力に訴えたりとかあんま褒められた人間じゃない自覚あるし、さ」

 

「…私がアヤメに『身勝手な幻想』を押し付けている、と…?」

 

「そーだね、先に言っておくとこれは『君1人が悪い』とかそんな単純な話じゃない、周りも悪いけどぶっちゃけあの子も悪い。あの子に頼るばかりで自身も頼られて『支え合う』関係にまで出来なかった君の責任の比重は結構大きいけど、ね。

あの子の不幸はなまじ能力が有りすぎて、周囲の期待に応え切れちゃったことだね、普通ならどこかで折れたり、妥協してしまうのに、あの子はやり切れてしまった。

 彼女は私に看破されて喜んでいたけどさ、あんな『分厚い仮面の下に気付け』ってのが無茶振りだよ。私は大雑把にだけど人の内面を知る(すべ)があるからね、普通に一緒に過ごして真っ当に見破れる気は全然しないかな。

それが必ずしも悪いってわけじゃないけどね、人は誰しも相手によって取り繕って仮面を使い分けて、応対する。そういった立ち回りをしないと社会では生きていけないからね、それでも1番近い距離に居た君には気付いて欲しかったんだろうけどね、

大して縁もゆかりも無い私だけが見破ってあの子の信頼を全面的に持っていっちゃった。NDK(ねえどんなきもち)?『自称親友』さん?これもNTRってやつなのかねえ…あ、イラッとした?その気持ちあの子にぶつけてみたら?

一度くらいは喧嘩してみた方がいいと思うよ君達。片方が追従するだけで一切喧嘩したことのない『友達』なんて不健全の極みだからさ、ていうか『舎弟』って呼んだほうが自然だよねプークスクス」

 

「私がしたことは本当に大したことじゃないよ。あの子の『本当の気持ち』を聞いてあげて、『少しずつ取り繕うの止めたら、まずは身近なところから』って言ってあげただけ。

いきなり全てをかなぐり捨てたら周りも今の君みたいに現実を直視出来なくて『乱心したー!』とか騒いで戸惑うだけになるだろうからね。良かったね、少なくとも未だ『身近な相手』とは思われているみたいだよ?

次君に悪態()いてきたら横っ面引っ(ぱた)いて、中指立てて『うっせえバーカ!』って言ってやったら?

それで思いっきり喧嘩してボコってやんなさい。まあ君もボコられるだろうけど、少なくともどちらかが一方的、みたいなことにはなんないはずだから。君は何故か自分に全然自信持っていないけど、普通にアヤちゃんにも負けていないからね?」

 

「分かった、ありがとう!やってみる!」

 

「あ…切れちゃった…結局『答え』全部教えちゃったかな…まあ多分正史(ほんらい)よりは悪い結果にはならないし、大丈夫…よね?」

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