ゲヘナに舞い降りた堕天使 作:シファー
初日は合宿で使う建物の掃除から始まった。
先生が参加しているのに私とユメパイが参加しないはずもなく。ユメパイはアビドス時代のジャージを、私はトリニティ時代のジャージを着て参加する。大体ハナコが仕切っていたが、余程アレな提案でなければ、私らが意見することは基本無い。生徒の自主性を重んじるのだ。
「トリニティのジャージ持っているんですねえ」
「ミカが処分するの嫌がってねえ、当時は戻る可能性も考えていたし…まあ3年生の今から戻ることはもう流石に無いと思うんだけど…どっかの色ボケ狐みたいに留年するんならともかく…」
「ああ、あのワカモちゃんって元々学年上なんだっけ?私はお姉ちゃんが居るなら揃って留年してもいいよっ☆」
「ふぇーここ広いねえーあんまり使っていない施設なのにこの立派さは流石トリニティってことなのかな…」
「アビドスも掘り返せれば似たようなレベルであるんでしょうけどねえ…」
「うんうん、そうだろーねっ☆今現在本校舎扱いになっている分校舎も結構おっきかったもんねっ一般的な学校なみにっ。あユメさん、ホシノちゃん達元気にしてる?」
「そりゃもうルカちゃんのお陰で活き活きとしているよっ皆っ」
「あのぅしれっと混じっていますけどなんでミカ様が居るんですかぁ!?」
ヒフミから突っ込みがとんでくる。
「もぉぅお姉ちゃんが近くに居るのに私が来ないわけないじゃーん?ヒフミちゃん意外に細かいよねえナギちゃんみたい」
「ナギサが口煩いのはアンタに対してだけだけどね、セイアにしても」
「セイアちゃん、お姉ちゃんが私と同じことしてもお姉ちゃんには何も言わなかったよね滅茶苦茶贔屓だっ」
「まあ力仕事なら私の次くらいに頼りになるし『邪魔しないできちんと手伝う』って言っているからいいんじゃない?邪魔になるようだったら私が問答無用で叩き出すからその時は遠慮なく私にチクりなさい」
「え!?チク…なんですか?」
「黙れファッション痴女。お前の書籍とネットで齧っただけの知識だけでそこいらの小娘共のようにこの私をイジれると思うなよ?あともしユメちゃんイジめたらホシノに報告するからな」
「あんもぉつれないお方…」
度が過ぎるようなら「身体で理解らせる」がこれも敢えて口には出さない。
「ミカ、私とアンタが一箇所に居ても非効率だから、先生たちの方につきなさい、私はハナコと掃除してるから」
───
「さて、ようやく2人きりになれたわね、アンタとアズサとはどこかで話さなくちゃいけなかったから」
手を止めずに作業を続けながら話しかける。
「アンタ私に妙な幻想持っていたことあるみたいだけど…今でもそう?私はあの子達と一緒に笑っている平凡な日常のアンタも凄い魅力的に見えたわよ?」
「アンタくらいの天才だと周りも『平凡』でいることを許してくれないからね、さぞ息苦しかったでしょう、でもアンタの『ソレ』はどこかで折り合いつけて上手く付き合っていかないとダメなものよ
じゃなきゃトリニティを出ようがどこへ行っても付き纏ってくる一生物の悩みになるわ」
「流石【
「実体験というよりは会長の近くに居たからだけどね、それに私の場合は『武力』が一番あったから…誰も私に強制なんて出来なかったわ」
「この分じゃ私の思惑も…?」
「トリニティ辞めたいがために、水着徘徊してたこと?それともわざと赤点取ってたことも?セイアが今でもホストに居たら絶対辞めさせてくれなかったでしょうしね」
「セイアが『天才』って認めるアンタがあんな冗談みたいな点数を素で取るようになったら本気で入院しなくちゃならなくなるでしょうに…水着の方は百歩譲って『趣味』とか言えたとしても…どのみち頭が心配だけど」
「趣味と実益を兼ねた素晴らしい案だったのですが…」
「黙らっしゃい
「アンタの『ソレ』も個性と認めてやるし、あの子達をからかうのもある程度は見逃すから程々に、ね」
「じゃあ、本題ね、ハナコ、私達友達になりましょう?偶に物足りなくなってアンタの能力を発揮したくなったら…私が退屈させないであげるからさ」
「『【友達の友達】は友達になり易い』でしたっけ…じゃあ私の答えは1つですね…」
ハナコはその名前の通りに花のような綺麗な笑顔を浮かべ…
「勿論ですっ」
と頷いた。