ゲヘナに舞い降りた堕天使 作:シファー
2日目の朝、ヒフミが用意した模擬試験でも相変わらずハナコは手を抜いていた。ちなみに夜は先生が1人部屋で、私とユメパイの部屋にミカが転がり込んできた。まあメインの勉強を邪魔しなきゃ構わないので好きにさせている。
気分屋のミカなら「私にもっとかまえー」とか言いそうなところだが、今の状況でそんなこと言ったら私がキレることも分かっているので、日中は大体姿を消している。
そもそも天才肌のミカは教えるのに向いていないし、ハナコは実質の生徒から除外して教える側に回せるから手は足りているのだ。ヒフミも本来はここまでやる必要もないし、本当に教えが必要なのはコハルとアズサだけ。
一部の専門科目だけは先生とユメパイが戦力にならなくなるが、私とハナコが居れば問題ない。ヒフミが持ち出したモモフレグッズをアズサが気に入る一幕もあってほっこりとした。
ペロロ以外は案外可愛く見えなくもないんだけど肝心のペロロがなあ…うわ、ヒフミがちょっと睨んできている。どーなってんのペロロ関連に対してのお前の勘。
───
3日目の朝、水を張り直したプールの前で先生とミカは話していた。会話の内容は
「お姉ちゃん凄いでしょう?同級生に勉強を教えるのもしょっちゅうだったしね、そっち方面は正実への戦闘教導あたりが校内じゃ一番有名なんだけどさ、とにかく面倒見が良かったから。あの見た目で*1あの能力だから人気も凄くて…アイドルみたいだったの。
上級生の当時のティーパーティーの先輩よりよっぽど人気有ってさ。正実にも協力していたから、それで当時から強いのも有名だったから、もう「我が道を行く」って感じで先輩達も何も言えなかったから、疎まれちゃってね…
連邦生徒会長とも仲良かったし、役員にはならなかったのに当時は『会長の懐刀』なんて言われちゃって学外でも影響力強くなりすぎて、それで、トリニティ辞めちゃったんだろうね…
『ティーパーティーの派閥間のバランスとしては1人が強すぎるのも良くない』なんてことも言われていたし…政治ってホント面倒臭いや
陰湿なイジメとかはもう鉄拳制裁!って感じでね、本当にカッコ良かったなあ…私はお姉ちゃんのような感知能力無いから目立たない所でそんなことやってる連中なんざどうにも出来なかったんだけどね…
ナギちゃんもセイアちゃんもそれでショック受けちゃってねえ、一番ショックだったのは勿論私だけど…お姉ちゃんを縛るなんてこと誰にも出来ないのに…私にさえ無理だったんだから…
お姉ちゃん凄く強いでしょう?あの速さとか漫画みたいな数々の戦闘技能もおかしいけど一番判り易く凄いのはあの飛行能力!昔は『出来っこない』って私も鼻で笑ってたんだけどね、
最初の内は高所からの滑空くらいしか出来なかったのに…諦めずに練習していたら本当に自由に飛べるようになっちゃうし…私も
当時の同級生たちは結構『ゲヘナからルカ様を取り返せ』みたいに息巻いていた子達も多くてねえ、私にその運動の旗頭をさせようとしていたこともあったの。まあもう皆3年生だし、大分収まったんだけどね。
羽根1つくらいじゃ今更評価がひっくり返ることあるわけないのにね、それが積み重ねた善行の結果なら尚更…お姉ちゃん自身がそんなこと望まないから私はそんな連中切って捨てていたけどね。
ファンクラブなんてのも過激派のガス抜きと監視をし易いようにするために作ったんだよ、場所隠してなきゃここに押しかけてくる生徒も居ただろうし」
「〝ミカはルカのことが大好きなんだね〟」
「あはは当然だよっあんなカッコよくて可愛いお姉ちゃんなら大好きになるに決まってるじゃん」
「〝その割にはそんなに寂しそうには見えないよね〟」
「お姉ちゃん月2回以上は会いに来てくれるしね、
「〝ルカのこといっぱい話してくれるのはどうして?〟」
「んーお姉ちゃんあんまり自分のこと話さないから…だから私から身内自慢の
「その代わりお姉ちゃんの
「〝本人の許可無しにはあんまり話せないかなあ〟」
「ぶーケチー」
「〝でもミカのことはよく話しているよ『とても優しくて可愛らしい子だ』って〟」
「うー配信でも特に隠してないからなんとなく理解るかも…」
「聖園ルカがシスコン」というのは割と有名な話だ。本人が特に
「ルカが情に厚く身内に優しい」というのはもう知れ渡っているので、ルカが心配せずともアリウス程度のやらかしでイジめられることはまずない。ミカが姉の威光を振りかざすような愚か者だったら別だったかもしれないが、
本人も「そういうのはダサい」と思う分別くらいはあるので、ミカ本人の元々の性格も相まってかなり人気がある。少し気持ち良くなりたい程度の衝動で虎の尾を進んで踏みに行くバカは居ない。
しかも戦闘力含めた能力の高さも知れ渡っているから、畏怖も畏敬も集めている。「姉には及ばないが凄い奴」というのが大方の評価だ。