ゲヘナに舞い降りた堕天使 作:シファー
「ユウカ、イブキちゃんは上手くやっている?」
『うん、まあ…年齢も顧みればとんでもない天才ね、あれほどの子をただ可愛がるだけとか万魔殿は大丈夫なの?』
「大丈夫じゃないから、そっちに預けたのよ、それにユウカとは特に相性が良いでしょうね、得意分野丸々被っているし…実力主義のそっちに預けたのは正解だったわ、アンタらならあの子の能力腐らせないでしょうし」
『不在がちのリオ会長よりよっぽど欲しいわね、イブキちゃん…私以外にも色んな人間に質問したり資料を読みふけったりしてめきめきと学びまくってるわよ、問題も起こさないしミレニアム生の模範生を越えて理想像ね
仕事も覚えるの早くて手伝ってくれるし、コユキにイブキちゃんの爪の垢煎じて飲ませたいわ』
「でも本当に『交換したい』とまでは思わないんでしょ?あのコユキを見捨てないって時点ですっごい人格者なのに…理解者がノアちゃんだけなのが不憫だわ、クソゲー部にも伝わっているか微妙だし…」
『別にアンタらだけでもそう思ってくれるのなら私は友達少なくても構わないわよ…ゴニョゴニョ』
うわっ貴重なデレだ!古き良きツンデレだわ、これは…
「なぁに?もっかいはっきりおっきな声で!」
『もう言わないわよっふんっ』
儚い夢だった…
「そんじゃ人間関係も上手くいっているんだ?」
『まあアリスちゃんが普通に人気者だからねウチの学校は…そりゃ同系統のイブキちゃんもかなり人気出るし、頭も良いの知っているからこぞって自分の得意分野教えようとしているわよ、皆』
『ヴェリタスとかゲーム開発部は教育に悪そうだから程々にして欲しいんだけどね…ヒマリ部長も気に入ったみたいだし…』
「へえ、ユウカのお気に入りのクソゲー部とも仲良いんだ?ユウカにとっては天国のような光景じゃない?」
『そりゃもう、パラダイスよ…って何言わせんのよっ別にお気に入りじゃないしっ』
───
「えー第〇〇回万魔殿会議を行います…」
万魔殿はマコトが投獄されイブキが留学してから常時お通夜の空気となり控えめに言っても地獄だった。理路整然と自分達の至らなさとイブキへのメリットまで説明されるとイロハは渋々納得するしかなかった。
マコトがやり過ぎていたのは事実だし、一応マコトをある程度は止められていたことでここ最近ルカのイロハへの当たりも大分マシになっていた。肝心なでかいやらかしを止められなかったことで、再び信頼は地に落ちたが。
サツキは普通に良い子なのでルカには割と可愛がられている。チアキはほぼ趣味人の無害認定。
だが、イブキ以外は基本「マコトのバカを止める気のない無能」という評価でマコトがやらかす度に普通に巻き込まれている。そんなことが続けばマコトから、議員達の心が離れていくのも無理はない。
ルカは理不尽に攻撃をしているわけでなく、基本的には仕返しをしているだけなのだし。「イブキを常に手元に置きたい」というのも結局自分達の身勝手な
そもそもゲヘナ向けのBDではもうイブキの学習範囲をとっくに賄えなくなり、トリニティ時代にもゲヘナに転入後もミレニアムに短期留学していたことのあるルカが、ミレニアムから教材を取り寄せた上で直接イブキに教えていた状態なのだ。
マコトもテストの成績はそこそこ良いが流石にそこまでは出来ない。本来ならイブキの件ではお礼を言わねばならないのに、「イブキが懐いているのも気に喰わない」と言って恩を仇で返し続けた。
流石にそこまで知った上でルカを敵視するほど自分は厚顔無恥ではない。自分達に比べれば懐かれるのは当然だし、寧ろ未だ自分達を完全には見限っていない、イブキが優しすぎるのだ。
「ねえ、ここんとこ忙しすぎない?イロハちゃん、マコトちゃんが居なくなった影響?」
「そう思うのなら手伝ってくださいよ、サツキ先輩…今まで
力関係が完全に向こうに傾いたから、そのへんの業務がこちらに戻ってきているんですよ…というかルカさん味方に出来ていれば情報部って要らなくなるんじゃないですか?テロリストと組んでいた件もあの人には筒抜けだったみたいですし…」
「
「ルカ先輩記事にすると滅茶苦茶読まれますからねえ。度が過ぎたの以外は不良相手でも大体厳重注意だけで済ませていますし…不良達にも隠れファンは多いと思いますよ…暴力の信奉者達からしたら圧倒的なカリスマでしょうね。
一般生徒達は言わずもがな…ウチの下部構成員達も大分減っちゃったし」
ここまでほぼ情とイブキの存在だけでマコトについてきていたが、万魔殿は最早空中分解しつつあった。そもそもゲヘナ生である自分達は本能的に感じているのだ。アレは自分達の上に立ち、本来はこちらが傅くのが自然な存在だと。