ゲヘナに舞い降りた堕天使   作:シファー

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第8話 アビドス対策委員会

 

 辿り着いたそこではアビドス高校の生徒と思われる子達と、ヘルメットを被った武装集団が既にドンパチやっていた。

 

「じゃあ先生。このまま皆の後ろに回り込むから、そのまま指揮してあげて。」

 

『アヤネちゃん、【頼れる大人】を…指揮出来る人を連れてきたから協力して撃退して』

 

アヤネに繋げて通信する。

 

「〝S.C.H.A.L.E(シャーレ)の先生だよ、よろしくね〟」

 

『!ルカさんっ…S.C.H.A.L.E(シャーレ)の先生ぇ!?まさかっ…いいえ理解りましたっよろしくお願いしますっ!』

 

程なく撃退されて退散していくヘルメット団。ルカはいつの間にか普段の幼女(ロリ)に戻っていた。

 

「ルカ先輩っ!来ていたなら手伝ってくれても良かったんじゃないですかっ!?」

 

「私がどばーんと撃退しちゃってもまた別のヘルメット団が沸いてくるだけだし、お陰で『先生』の力見れたでしょ?」

 

「まあ積もる話は校舎内でしましょ。アヤネちゃんも居たほうがいいし」

 

───

 

「「「「S.C.H.A.L.E(シャーレ)の救援ぇん!?」」」」

 

「そうよ…連邦生徒会は貴女達のことを全く気にしていなかったわけじゃない。ただ今まではお膝元のD.Uや三大校付近の騒動だけで殺人的に忙しかっただけ。少なくとも会長は認識していたわけだしね…

確かにキヴォトスの大人は8割以上は碌でもないけど、先生は外の人だし、色眼鏡で見ないできちんとありのままに自分達の眼で判断してあげて。柴大将だって大人なんだし…ユメちゃんも既に信頼しているし…」

 

「ルカちゃんっユメ先輩はっ…」

 

「あらあら?ホシノの大好きなユメちゃん先輩も勿論すぐ来るわよ?大きなおっぱい大好きだもんねーホシノは。でも『ノノミちゃんのご立派なノノパイに浮気すれば寂しくないもんねー』とか言っていたし」

 

「よよよ私は都合の良い女ですかぁ?『一番好き』って言ってくれたのにぃホシノ先ぱぁい…」

 

「ちがっ…そんなこと言っていないしっ」

 

「残念…私達はノノミ以外あんまりおっぱいには自信無いし…」

 

「いやーシロコはかなり将来性あると思うよ?アヤネちゃんもなかなか…セリカちゃんはまあ…」

 

「憐れむように見るなぁ~!」

 

クロコがアレだし。ホシノは完全におじさん化していたら掴みどころがなくてイジりにくかったかもしれないが、1年生の頃を知っているルカがイジるとすぐに年相応の顔を出す。対策委員会の面々も謎のおじさんキャラより実は「こちら」の方が好きだ。

 

「じゃあ1番好きなのはユメちゃん?」

 

ルカが問うとホシノが力強くぶんぶん頷く。

 

「うん。私が1番好きなのはユメ先輩ッ!」

 

「だってさ。良かったねユメちゃん?」

 

「は?」

 

ユメパイも既に到着していた。扉を開ける音で気付かれないように敢えて開けっ放しにしておいたのだが…ホシノの位置が扉を背にしていたので気付かなかったのだ。ユメパイはだぅ~っと涙を流していた。

 

「ホシノぢゃぁん!皆のことも好きだけどわだじもいぢばんほじのぢゃんがぁ!」

 

ホシノは色々と諦めてされるがままになった。ルカのことを「図ったな」と睨んだが。先輩が在学中の時も素直に感謝の気持ちを伝えるようなことはしなかったし、先輩に暑苦しく抱きしめられながら「まあ悪くないかな」と思える程度には自分も成長した。

ルカがアビドスに訪れたのは1年生の時の中頃だったが、あの頃の彼女との出会いはまさしく「福音」だっただろう。先輩との2人きりでの日々に楽しさが無かったわけじゃないが、色々と限界寸前だったのも事実なのだ。

自分達に落ち度は無いのにもう居ない先輩達のやらかしで借金返済に奔走する日々、どこまでも危なっかしく眼が離せない先輩、隙あらばしゃぶり尽くそうとする大人。

同年代の友人も皆無だったのですぐに仲良くなれた。ルカは今ほどぶっとんだ動きはしていなかったがあの頃からかなり強かった。普通に空飛んでいたし。自分が1対1(タイマン)で勝てなかった相手というのも初めてだったし。

アビドスの外のこともよく知れるようになったし。それこそ教師のように色々なことを教えてくれたのだ。本当に「頼りになる大人」というのはきっとルカのような人のことだ、と漠然と思うようになっていた。

そんな人だから大切な先輩を託すことも出来たのだし…そこまで詳細な報告をされているわけではないが、自身の経験談から理解る。理解ってしまう。卒業して急に成長するなんてことあるわけがないし、今の先輩の面倒を見ているのはルカなのだろう。

彼女もトリニティからゲヘナに籍を移してから色々と忙しい身らしいし、本当に頭が上がらない。ヒナを紹介してくれたのだって彼女なのだ。彼女の人を見る目は信用している。

なんでもかんでも疑っていた自分と違って、「信用出来る人間」もきちんと見極めているみたいだし。過去のことを考えれば「ユメ先輩が信用している」とか何の保証にもならないのだが、ルカが信用しているのなら別だ。

先輩もあの頃に比べれば流石に騙されにくくなった。ルカの教育の賜物だろう。彼女もどちらかというと「ルカが信じている人を信じている」という部分が大きいのだろう。

 

「───さて、本題に戻りましょうか」

 

「…よく言うよ。自分からおじさんをイジっていたクセにさ」

 

「ホシノはユメちゃん居る時はおじさん禁止で」

 

「うぇ!?」

 

「私達は今回S.C.H.A.L.E(シャーレ)の一員、先生の護衛兼補佐としてユメちゃんが第一秘書、私が第二秘書として来ています。」

 

「え?ユメ先輩が第一でルカちゃんが第二?流石に贔屓が過ぎるんじゃないの?」

 

「全部がぜんぶドジが無くなったわけじゃないけど仕事は結構きちんと出来ていますよ…ですよね?先生?」

 

「〝うん。ユメが居て助かっているよ、勿論ルカも〟」

 

「酷いよホシノちゃーん」と小声で言っているが当然の評価だろう。アビドスに居た頃には殆ど見られなかった明確な成長だ。やっぱりルカに託したのは正解だった。

戦闘以外の面まであのヒナまでが頼っているルカ以上ということはまず無いだろうからやっぱり贔屓は入っているだろうが。

そうしてそのままヘルメット団の追撃に入る。キヴォトス最強(ルカ)が居たことには相手も面食らっていたが、そもそも自分たちの関係は隠していない。ユメが居たことで結構張り切っていたホシノを中心にヘルメット団はゴミのように蹴散らされていった。

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