設定忘却の転生者が仮面ライダーになったようです ~2次元世界へLet's Go~   作:フォボス

14 / 18
第8羽 漂うこの匂いは温かな浪漫

智乃はカウンターへ戻り、コーヒー豆をコーヒーミルにて砕く動作に入っている。

 

この音が地味に良いんだよな。なんか安心できるような感じ。

 

コーヒー豆を砕いた後はサイフォンでコーヒーができるまで容器を熱する。

数分が経ち、既に座っている心愛の元へ3つのコーヒーカップを丸型トレーで運んできた智乃がテーブルへコーヒーカップ3つを音を立てずゆっくりと置く。

 

「お待たせしました」

 

「わぁ…」

 

心愛はコーヒーカップを覗き込みながら目が輝いている。

 

「えへ。コーヒー3杯頼んだから3回触る権利を手に入れたよー」

 

軽く席を立って、智乃の頭に乗っているティッピーへと両手を伸ばそうとする心愛。

 

「冷める前に飲んでください」

 

智乃は表情を変えず、仏頂面で淡々と言う。

 

「おぅ… そ、そうだね!」

 

心愛は着席し、再度コーヒーカップを覗き込んだ。

 

「さて、この3つそれぞれが別のコーヒーです。匂い、味でコーヒー名当てられますか?」

 

俺がそう言うと心愛はコーヒーカップへ視線を向け、得意そうな表情になる。

 

「任せてよ!」

 

心愛はまず手前のコーヒーカップを優雅(心愛自身そう思っているかも)に手に取り、口元へ近づけ匂いをかぐ。

 

「うーん、この上品な香り~ これがブルーマウンテンかー」

 

「いいえ、コロンビアです」

 

智乃が真顔で即答する。匂いで分かったのかな。甘い香りで味の方はまろやかな酸味で丁度良いコクだったっけ。前に飲んだけど曖昧だな。

 

心愛はニコニコと笑顔になると「えへへ」と手に持っていたコーヒーカップをソーサーへ置き、次に右側に置かれているコーヒーカップを手に取り、今度はコーヒーを口に含む。

 

「この酸味、キリマンジャロだね!」

 

「それがブルーマウンテンです」

 

めげずに心愛は最後に奥側のコーヒーカップを手にとってコーヒーを口に含む。

 

「安心する味ー! これインスタントの」

 

「うちのオリジナルブレンドです」

 

うち(智乃)のブレンドコーヒーは鼻腔をくすぐるような香りで苦さは少なくほんのり甘味を感じられる飲みやすいコーヒーだ。

 

キリマンジャロは味は上品な香りで味は確かコクがあって酸味が強いけど苦味とバランスが取れて雑味が全然無いから飲みやすい。

 

ブルーマウンテンの方は高級コーヒーでラビットハウスではNo.1の豆を使用しているとの事。

他にもNo.2、No.3があり、品質等級ではこのNo.1が最も一番品質が良いらしい。芳醇な香りで味は微かな甘味もあり、こちらも飲みやすい。智乃のブレンドコーヒーに続いて俺が好きなコーヒーだ。

 

「えっ? うん! 全部美味しいー!」

 

心愛は納得したように笑顔でコーヒーを飲む。

 

……心愛ちゃんまじ能天気やで…

 

「よし俺も挑戦してみますか。智乃ちゃん、コーヒーを頼む」

 

俺の余裕綽々な顔を見た智乃は(やれやれ…)と思っているようなジト目で頷き、カウンターへ向かう。数分でコーヒーを3つ用意。丸型トレーで持って行き、ココアと同席、向かいのテーブルへコーヒーカップを置く。

 

「静汰さん、この方と同じコーヒーですが、本当に当てられるんですか?」

 

「予習復習は大嫌いだがこれくらい造作も無い!」

 

俺はバァァァァンと背景に出そうな感じでジョジョ立ちを決めた後、心愛の向かいの席に着席する。

心愛は「わぁ…」と目をキラキラさせて見つめている。照れるじゃないか。

 

ふははは! 俺の圧倒的な力(味覚)を恐れよ!

 

「……はぁ…」

 

それを見た智乃は諦め気味に溜め息をついた。

頭に乗っているティッピーは見守りながら苦笑している。

 

ちょっとそこで溜め息は止めてくださいよ… 自信無くなるじゃないですか。

 

俺は左側に置かれているコーヒーカップの取っ手を心愛の動作を真似て掴み、優雅にコーヒーを口に含む。

 

「ブルーマウンテンだな」

 

「オリジナルブレンドです」

 

あんれ~? おっかしぃいなぁ~?

 

「早速違うじゃないですか静汰さん。あの自信は何処に行ったんですか…」

 

先程の味の感想(説明)通りに言うと味が酷似してるんだよ…

でもそのまんま言うのも智乃には悪いし… ふむ…

 

「…難しいな、智乃の入れたコーヒーはどれも最高に美味いから全く気付けなかったよ、あはは」

 

「何言ってるんですか静汰さん…」

 

智乃は顔を隠すように左手で額を押さえる。横顔をちらっと見ると頬を軽く染めていた。あーーー!!可愛い。大破しそう。

というかチョロすぎじゃありませんかね? でもそこがポイント!

 

と俺が他者から見て分からない程度に悶えていると心愛はモジモジと身体を震えさせて唐突に両手を広げる。

 

「仲間だぁーー!!」

 

「おうわっ!?」「きゃっ!?」

 

俺と智乃はお互い驚く。だから唐突なのは吃驚するでしょう。

 

「…こほん。せ、静汰さんも残り全部飲んでくださいね」

 

「あぁ」

 

俺は奥側のコーヒーを一連の動作で飲む。

 

「……これがブルーマウンテンかな」

 

「それはコロンビアです」

 

コーヒーを当てられるのはまだ当分先のようだ―――――――――――――――――




仕事辛い。世間はクリスマスですね。まぁ、全く関係無いですが。久々の投稿です。すみません、仕事が(ry これも私事ですがトークイベント落ちました… 心ぴょんぴょんさせてくれないです…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。