設定忘却の転生者が仮面ライダーになったようです ~2次元世界へLet's Go~ 作:フォボス
「ふむ、これからどうしようか」
千夜との出会い後、暫くこの中世の佇まいをそのまま残す街々を闊歩していたがすみません、道に迷いました…
だって土地勘無いんだもの。2次元世界なんて初めての経験だからさ。未知過ぎる。こんな時に便利なのはあれしかない、とスマホをズボンの右ポケットから取り出す。
「スマホは… 電波4本立ってるけど電話繋がるのかな? 通話は今必要無いから場所は… 表示されないか」
GPS機能等使用できるよう設定し、アプリの某マップを起動。しかし画面には日本列島の縮小画像しか表示されてない。無理か… 困ったな。
ネットはどうなんだろう、とブラウザを立ち上げてみる。
どうやらエロサイトには繋がるようだ! やったぜ! それ以外にも繋がるみたいだな。どれも2次元絵である。おっとアダルトアニメ最高だぜ!
ってこんな事している場合じゃない。何とかしなくては。
「そうだ、変身してみるか。もしかしたら位置情報が表示されるかもしれない」
んー周りに気にせず変身できそうな場所は… あそこが良いかな…
俺は来た道を戻り、自然公園へ。変身に最適だと思った木々の奥側へ行った。念の為、周りを確認するが俺以外に人影は無く立派な樹木が沢山生えている。
よし、手早く変身しよう…
「ってファルガギアが無い!」
今気づいた事だがファルガに変身できるギア一式が見当たらなかった。
千夜さんと出会う前のベンチ付近にはギアボックスなんて物は無かったから置忘れでは無いだろう… 記憶力悪いから自信無いけど。
「危機が迫ったときだけ変身できるとか? でも"ごちうさ"だからな… 戦闘とは無縁だろう…」
そう思ったが諦めきれない俺はファルガギアを思い浮かべる。すると両手にいきなり重みが加わり「おぅ!?」と素っ頓狂な声を出してしまう。
右手にファルガフォン、左手にファルガドライバーがいつの間にか現出していた。
「えっと転送システム?」
疑問を口に出すも答えは出ず。まぁ、能力に関する説明書が無いから試行錯誤しか無いわな。
一応再度確かめる為、ファルガフォンが消えるよう念じてみると握られていたファルガフォンがパッと消える。
「んん…こんな感じか… でもこれだったらドライバーを腰部に巻く事も容易じゃね?」
そう思い、今度はファルガドライバーを腰部に付けているイメージを浮かべる。
左手に持っていたファルガドライバーは瞬きした一瞬の内に腰部に巻かれていた。
「これは便利だな… でも臨機応変にしよう」
燃える展開入る戦闘前では自分でドライバー付けたいよね?
その後、再びファルガフォンを念じて右手へ現出させてフォン自体を片手で開ける。
「9」「2」「9」とボタンを押し、最後にENTERキーを押す。
【Standing by!!】
重低の電子音声後、待機音が鳴り始めたファルガフォンを素早く折り畳んだ。
そして右手ごとファルガフォンを左肩部前まで動かし正面へフォン本体に付いているメモリー側を見せるように返す。
変身ポーズは昔から草加みたいにやりたかったんだ。理由? カッコいいからさ。
「変身ッ!」
斜めになったドライバーのフォンコネクターへファルガフォンを装填。
左へ倒した。
【Complete!!】
ドライバーの左右部よりエネルギー流動経路である金色の線が俺の身体全体へと延び、全体へ行き渡ると自身の身体が光り輝く。
光が止み、黒と金の装甲の仮面ライダーへ変身を完了。
「変身回数少ないからあんまり実感沸かないな」
そう苦笑しながら頬を指で軽く掻く。
「さてと、位置情報は…」
「あっ…」
「!?」
俺の発言に闖入した小さな声。聞こえた方へ振り向いてみればびっくりした表情の若い女性が樹木から顔だけを出した状態でを見ていた。
髪色はクリーム色。セミロングで首にストールを巻いている。って確か『青山 翠』だよな。
「わぁ…」
とゆっくり俺の元へとやってくる翠。
至近距離で見られるとやっぱり恥ずかしいな。あぁ、爽やかな香り…
この状態でも匂い分かるんだな。ちょい便利。
「カッコいいですね…」
翠は俺の容姿を見つめながら感慨深そうに呟いている。
「ありがとうございます」
「もしかしてヒーローですか~? 良ければ新作小説のモデルにしても?」
「えっ? あっ、別に良いですよ。小説家なんですね。ペンネームは何ですか?」
「青山ブルーマウンテンと言います」
翠は微かに照れくさそうに頷く。なにこれ年上可愛い。
青山ブルーマウンテン… はいはい思い出したわ。『うさぎになったバリスタ』って小説書いた人だったな。
「ところでその… スーツは脱げるんですか?」
そう来たか。つか変身解除しても大丈夫かな?
「解除させますけど良いですか?」
「大丈夫ですよ~」
翠は微笑む。だからヤバいって。
俺はファルガフォンをドライバーから取り出し、フォンを開けて電源ボタンを軽く押す。自身が一瞬淡く光った後、変身が解除される。
「ほわぁ~ どんな手品なんですか?」
「信じてもらえないかもしれませんが変身アイテムなんです、これ」
と俺はファルガフォンを翠さんへ渡す。だって触りそうな表情してるのだもの。まぁ、安心できる相手だから良いんだけど。
「凄いですね~ 私も変身できるんですか?」
「変身してみます…?」
「ん~ やっぱり止めておきます。触らせてくれてありがとうございます。返しますね」
俺にファルガフォンを返す翠。ほんのり温もりを感じた… えっ? 変態? 仕様です。
「あっ、私これから用事があるので失礼しますね。また今度お話しましょう」
「そうですか。また何処かで会いましょう」
「はい~」
と翠はおっとりとした表情で手を振ったのだった――――――――――――――――――――
青山ブルーマウンテンと初対面回。翠さん可愛いよね。バーテンダーver.可愛すぎて鼻血出るレベル。あんな感じの年上に俺弱そう… 次は誰と初対面させようかなー