ノッブとカッツに愛されて夜しか寝れないトッキ   作:星乃 望夢

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第四話 戦国インベンター織田信時

 

 戦国時代で現代戦やる為に兵器開発とか兵の訓練やってると感覚バグるんだけど、そもそもこの世界は型月なのを忘れそうになる。

 

 陰陽術が本当にあって、法力とかあるし魔術もあるし。

 

 魔力があるならルーン文字を刻めば魔術を使える。

 

 とはいえ、魔術は秘匿されてこそ意味がある。

 

 戦国時代真っ只中で西洋魔術を学べるはずもない。

 

 宣教師に聖堂教会の人間混じってないかなぁって思ってたりはするけど、バカ正直に訊けるわけがないから実際にはどうだかわからない。

 

 ただ、中には妙に身体を鍛えているのがカソックの上からでも判る宣教師も居るから、多分きっとメイビー。

 

 黒鍵、欲しいなぁ。

 

 やぁ、ここが型月世界だって言うアイテム欲しいし、黒鍵って暗器としての携行性抜群だし。

 

 そしてなによりカッコいい。

 

 柄の形に成形した聖書に魔力を通して刀身を形成する。

 

 聖書なんて戦国時代でどうやって手に入れる?

 

 や、実はそれなりに手に入る。

 

 だって宣教師がちょこーっと興味ありげに接すれば勝手に置いてってくれるんだもん。

 

 紙だって洋紙も和紙も、今の時代はそんな安いものじゃなかろうに。

 

 俺は現代人だからキリスト教でも仏教でもなんでも好きにしてくれなスタイルだ。

 

 が、キリスト教を足掛かりにこの日ノ本を支配し、植民地とする計画は既にバレてるからやるだけ無駄ぞ。

 

 初見さんの宣教師がこんな極東の猿に言ったって解らんだろって英語で食っちゃべっていたからなぁ。

 

 残念、それを俺が聞いたのが運の尽き。

 

 ホント、赤点回避する為にリスニングは頑張ってて良かったぁ。

 

 英語は書けない、読めない。

 

 でもリスニングと簡単でゆっくり、単語を並べ立ててボディランゲージを混ぜれば意図を伝える会話程度は出来た。

 

 趣味で登山とかやってると外国人の登山客に話し掛けられて、あとどれくらい登るのとか、どっちの道が楽だとか訊かれるんだ。

 

 カタコト日本語、ガッツリ日本語で話してくれると助かるけど、まぁ、ガッツリ英語な時もあるから、トーントークスピードダウンなんて言って、聴き取り易く話して貰って、レフトコースイージーロングコース、ライトコースベリーハード&ショートコース、OK? そんな具合。

 

 そんななんちゃって英語でも通じてくれるから、異文化交流してるとなんかちょっと自分が賢い気分になれたりする。

 

 それはさて置き。

 

 キリシタンを禁じるのは鎖国やってからでも良いだろう。

 

 日本は仏教徒が多い。

 

 それに土着信仰も根強いから、そんな国にキリスト教広めるのは骨が折れるぞぉ。

 

 ま、宣教師を通じて西洋の文化、道具、武器を取り入れる為の言わばロビーとして使っているだけで、この群雄割拠の戦国時代の武将は、キリスト教の神に祈ってる暇があるなら敵をブチ殺す案を考えるので忙しいのである。

 

 飢えた民衆にはそれなりに惹かれて信者になる者も居るだろう。

 

 そうした草の根活動で信者を集めるのは好きにしてくれ。

 

 勧誘というか、あちらはこちらを未開の野蛮人と見下して、宣教と布教により神の救いを与える使徒としての使命に邁進し、弱者を救う私達はなんと慈悲深いんだって悦に浸る阿呆共らだから相手するの正直言って面倒くさい。

 

 ただね、信者集めて一揆とか起こすんじゃねーよ。

 

 ウチは減税政策と富国強兵の為に民衆の食生活は、自慢じゃないが多分世界トップクラス名乗れると思う。

 

 朝は白飯に目玉焼き味噌汁のスタンダードだとして、昼はラーメン、チャーハン、豚がまだ手に入らないから牛肉で代用した餃子に醤油ベースの中華スープ、夜飯はバーベキュー出来るくらいに豊かぞ?

 

 こんな戦国時代、というかまだ中世の時代にそんな贅沢出来る農民居るか?

 

 そこらの城の城主より旨くて贅沢な物食べてるんだぞ?

 

 中世ヨーロッパ諸国の為政者より良い物食ってるぞ?

 

 俺が食いたいから流行らせたってのもあるけど。

 

 日本人は一から生み出すという能力は乏しくとも、既にあるものをより良く改良する事に長けている。

 

 そして安く簡易的に元より品質の良い物に仕上げる。

 

 今ある物を掛け合わせて別の物にする能力も長けている。

 

 言わば効率良く使う為の改良、能力を伸ばす為の改造が大好きなロマンみたいな人間性を根っこに持っている。

 

 俺が何も言わなくても、石火矢と鉄砲から既に大筒なんてのも職人衆は勝手に造ってるし。

 

 話が逸れた。

 

 聖書はある、言ってしまえば魔を払う書なら仏教の念仏を書いた書巻でも行けるか?

 

 なんてやってみたら行けたよ。

 

 へー、念仏も霊を浄化して魂を成仏させるからやれるかとやってみたら出来るんだ。

 

 こら盲点。

 

 これでいつでもレッツパーリィ!!し放題じゃん。

 

 眼帯付けて独眼竜ごっこやっちゃう?

 

 やぁ、真面目にコツコツ陰陽符術勉強してた甲斐があった。

 

 凄く乱暴にざっくばらんに言えば、カレーパイセンとか愉悦部が使うタイプの黒鍵って、聖書使って魔力を流して刀身を形成する符術だ。

 

 符術なら符術士の領分だ。

 

 なんで符術士なのかと言われると、そらルーン刻んで炎なんて出してみろ。

 

 忽ち妖術使いとか言われて殺されるぞ。

 

 これは陰陽師が実際に居て、実際に妖魔も跋扈する世の中だからこそだ。

 

 道具を使っているから安心出来る、理解出来る。

 

 虚空に文字を刻めば炎が出るなんて妖怪の類のやる事だ。

 

 なにしろ道具を使っていないのだから。

 

 だから符術という道具を使うからこそ、受け入れられているという側面がある。

 

 目に見える物以外はすべて神か妖かの仕業になる大昔あるあるだよね。

 

 実際神の使徒の御業だと魔術使ってパフォーマンスした宣教師がブチ殺されたって話も聞くから、この日ノ本は魔女狩りやってたヨーロッパよりも魔術に関してはガチで疑心暗鬼で妖怪認定するから気を付けな。

 

 宣教師との交流で上質な布を手に入れられると、俺は早速洋服を作った。

 

 和服も悪くないんだが、やっぱり着慣れてる服の方が過ごし易い。

 

 だから他が陣羽織とか着てるのに、俺だけ軍服なんて珍妙な格好になる。

 

 ま、その方が新しい物好きなノッブの傾奇者を醸し出せるから良いだろう。

 

 夜なべしてチクチク縫って作った軍服は、コスプレみたいに感じていた陣羽織よりも身が引き締まる。

 

 日本人なら中学生から学ラン、社会人でもスーツを着て仕事をするから、やはり黒は身を引き締めてくれる。

 

 軍帽も作って被れば、戦国将兵の中にひとりだけ日本軍人混ざっとらんか? っていう光景になる。

 

 陸軍将校だもん、良いでしょ別に。

 

 拙いながらも空軍と、あと海軍も作ってるから許してくれ。

 

 陸海空軍の元帥なんて夢があるなぁ。

 

 風に乗れれば何処までも飛べるハンググライダーやパラグライダーを作って空軍として空爆出来ないか試してるんだけど、俺もどっちも乗ったこと無いし、ハンググライダーやパラグライダーは作れても、風を受ける羽や生地の強度の問題から中々課題が多い。

 

 水軍に関しては最初から鉄甲船を作っている。

 

 戦国無双やってたから織田水軍なら鉄甲船だな! っていうのは憶えてたんだ。

 

 木造で造った船に鉄板張り付けた船であるが、鉄板の重さで沈まない様に大元の木造船から巨大となる。

 

 さらに大砲で武装するのだから大型船でなければ転覆する。

 

 戦国時代の水軍は基本木造船だから火矢を放たれたら燃えるという致命的な弱点がある。

 

 その弱点をある程度無視出来るのが鉄甲船だ。

 

 本当は蒸気機関とか積みたいけど、そもそも蒸気機関の原理までは俺もわからないから再現しようがない。

 

 口で説明出来る程の知識もないからなぁ。

 

 ぽんぽん船なら造った事あるけど、あれを大型船に使うのは伊達や酔狂でも出来ない。

 

 ほらね?

 

 一から作るのは大変なんだ。

 

 俺の石火矢鉄砲隊も、今ある物の混ぜ物だ。

 

 スタングレネードが欲しくて塩化マグネシウムから作っているけど、これが中々ねぇ。

 

 爆発させて着火したマグネシウムを燃やして、光は申し分なくても、容器が竹だと音がねぇ。

 

 鉄筒に詰めると今度は鉄筒を破裂させる程の圧力が足りなくて光が出ない。

 

 破裂出来る程の薄ーい鉄板を缶に見立てて加工するってのは、今の時代の技術だと果てしなく面倒で大量生産に向かない上、使えば破裂するから使い捨ては費用対効果が悪過ぎる。

 

 破片榴弾も対人地雷も、鉛玉は鉄砲の弾丸を使っているから生産ラインを流用してお得に作れるのである。

 

 わざわざ新しい生産ラインを作って使い捨ての武器を拵えるのは金が掛かるんだ。

 

 スタングレネードは諦めて竹筒で作れるフラッシュグレネードで我慢するか。

 

 ダイナマイトとか欲しいけど、ニトログリセリンの作り方は判らないから断念。

 

 いくらヲタク言ったってなんでもかんでも知っているわけじゃない。

 

 広く浅くは知っていても、深い所まで調べるのは自分の好きなジャンルだ。

 

 だからこそ、無理に用意するよりそこそこの物で作れる物に留めて数を揃える。

 

 無い物強請りで苦労して、備えを疎かにして敗けましたなんて目も当てられない。

 

 それは艦これをやって来たから言える。

 

 強い装備が欲しくて改修と更新でネジと装備に資源を使って揃えても、一つの強力な装備を作ったとしても、他の装備は従来のまま。

 

 試製六連装酸素魚雷を作れても、他が三連装魚雷しか無いなら意味が無い。

 

 北上大井牧場で五連装酸素魚雷の数を用意して主力艦娘に行き渡らせるくらいはやらなければ、イベント攻略は厳しい。

 

 俺の兵站構想は艦これが根っこにある。

 

 資源の備蓄、艦娘の育成、装備の開発と牧場による装備の底上げ、一部強力な装備はフィニッシャー向けの言わば保険。

 

 戦力を底上げするには特化装備ではなく、数を用意出来る強力な装備を揃え、艦娘の練度を上げる。

 

 そして艦隊を運用する為に充分な資源の備蓄を徹底する。

 

 燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイト、バケツ。

 

 それらすべてをカンストにまで持って行きたい。

 

 リアルラックがなければ大破撤退の繰り返しでイベント中はジャブジャブ資材が溶ける。

 

 バケツ切れやボーキ切れで攻略中止から遠征ぶん回して資材回復とかやった新人の頃が懐かしい。

 

 着任半月で挑む事になった14夏のミッドウェーが懐かしいな。

 

 驚異的な速さで溶けるバケツとボーキに目が眩んで手が震えたぜ。

 

 そして最後は戦力が足りなくてダブルダイソンに挑めなかった。

 

 それら戦訓と失敗、敗北を糧にして資源の備蓄と艦隊の層を厚くする事に躍起になった。

 

 ミッドウェーではまだ紫電改とか数機しか開発出来てなくて、主力は零戦21型、制空権取るために瑞雲まで引っ張り出して誤魔化した程だ。

 

 その経験があるからだな。

 

 石火矢という輸入兵器は今だけ使う。

 

 メンテナンスは出来てもわざわざ新造することは無い。

 

 今はまだ数が出来ない新型石火矢を揃える頃には御役御免となるだろう。

 

 だが石火矢を造るよりも今は鉄砲の数を揃えるのが先だ。

 

 これから戦場を変える武器を、戦国大名が皆備える武器を他よりも備える事でアドバンテージを稼ぐ。

 

 そして鉄砲三段撃ちにより鉄砲の弱点をカバーする。

 

 鉄砲を撃たれようとも、こちらには鉄板バリケードとタワーシールドでガチガチに固めて向こうの鉄砲を無効化する。

 

 流石に大砲や騎馬隊相手には蹴散らさせるだろうが、騎馬隊は馬防柵や、まぁ色々と対策はある。

 

 ヒラコーのノブノブ式騎馬隊講座を実践しても良い。

 

 こちとらスキピオとかハンニバル、織田信長や山口多聞の足許にも及ばない一般ピーポーのヲタクだけどなぁ。

 

 艦これ好きになったら今まで戦艦大和くらいしか知らなかった軍艦勉強して、ウォーサンダーで航空機の格闘戦の勉強して、hoi4とかで戦争戦略や部隊指揮の猛勉強、ドリフ読んでからはスキピオとハンニバルってなにやったんだ? って調べて猛勉強。

 

 ホントに拙いけど、陸戦海戦空戦、この戦国時代でも多少は通用する将にはなれているとは思う。

 

 でなけりゃ天下人織田信長の影武者なんて出来ません。

 

 世の中の人は実際に天下統一をした豊臣秀吉を天下人と言うが、それまであらかた敵対勢力ぶっ潰して回ったのは織田信長じゃろ?

 

 ミッチーの謀反なかったら確実に信長が天下取ってたはず。

 

 秀吉は信長の均した路を利用して駆け上がったっていう印象が、俺にはどうしても残る。

 

 明智光秀、本能寺の変までは生かすとして、謀反企てたら殺すか。

 

 いや、そうなると歴史が変わる。

 

 それは人類史にとって剪定事象となる。

 

 であれば、なにをした所で無駄なのか?

 

 歴史を変えてはならないのならば、好き勝手やってる俺は、剪定事象として処理されないのか?

 

 おう、抑止力かアラヤかガイアか、なんでも良いから答えてくれ。

 

 でなけりゃ日本史滅茶苦茶にしてやるんだが?だが?

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 近代戦術の発明家、歴史家は織田信時をそう称する。

 

 鳥凧に人を乗せ、爆弾を投下し、そして混乱の最中に降下という。

 

 あの時代でハンググライダーを作り上げ空爆を行い、パラグライダーを二人一組で運用し運んだ兵を降下させる空挺降下作戦をやっていた事実は、近代戦術を既に戦国時代で運用していた驚愕さは戦史家達の頭痛を呼んだ。

 

 近代で運用されている戦術は世界初だと豪語すると、織田信時の戦史をひっくり返せば大抵彼がやった事のある物になる。

 

 日本食文化の偉人、稀代の戦略家と言われているから今一ピンッと来ないだけで、その戦術は無法の一言に尽きた。

 

 空爆に合わせて打ち上げ花火の曲射による火力支援砲撃。

 

 遺されている打ち上げ花火の発射筒から飛距離は曲射で800mは飛んだと判明している。

 

 約1km先から撃ち込まれる打ち上げ花火は、当時の戦場では敵の姿が見えない所から一方的に撃ち込まれる砲火。

 

 そして上空からの爆弾投下は常軌を逸していただろう。

 

 混乱する敵陣の後方にパラグライダーで降下した兵と、伏せさせていた別働隊、砲兵本陣からのファランクス部隊による包囲殲滅は神懸かりであったと信長の史料に遺されている。

 

 その被害にあった周辺諸国の諸大名は風の無い日に織田への合戦を仕掛けたという言い伝えもある程だ。

 

 しかしそんな日でも合戦時には空から爆弾が降ってきたと言うのだから、余程の高度から風を掴んで飛び続けたのではないかと言われている。

 

 そして戦国最強となった織田水軍を立ち上げたのも織田信時だと伝えられている。

 

 現代で言えば陸海空軍の指揮権を持つ元帥と言ってしまって良い立場であり、織田家の軍権を実質的に握っていたにも関わらず、決して兄である織田信長に謀反を企てず、影武者に徹していたと言われている。

 

 日本一謀反された武将としておそらく不名誉だろう有名人の織田信長にあって、決して裏切ることの無い織田信時。

 

 正室の子と側室の子、彼らには影武者という役目だけでは言い表せない強い繋がりが、実の兄弟にすら裏切られた信長が信じられたのは腹違いの弟だったというなんとも言えない固い絆があったのではないかと、我々は想像するしかない。

 

 ちなみに現代のお姉さま方に人気なのは、時攻めノブ受けらしい。

 

 近代の研究でなんだかんだ身内に激甘の信長とわかってきた辺りから、しかし信時は失敗は赦しても謀反は決して赦さなかった人物から、何をどうトチ狂ったのか分からないが、信時はSで信長はMだったんじゃないかって話。

 

「ぶぁっはっはっはぁっ!!!! これ面白い! のう勝ぅ! これ面白いぞ!!」

 

「はいはい。なんですか姉上。って、なんですかこれ?」

 

「びーえるという、まぁ、男色の絵本じゃ。わしが時の奴に手籠めにされるのが最新の流行りだそうじゃぞ?」

 

「解釈違いですよバカなんですかそれ。見た目は、まぁ、そう見えても仕方ないですけど」

 

「そうじゃなぁ。試しに攻めさせたら、あやつものすっごく下手くそなんじゃもん。戰場ではあれ程苛烈であるというのに、床ではへなちょこでのぅ。そこらの女より媚びるの上手いのはなんかのバグじゃろ」

 

「こんな真っ昼間からあまり猥談はしたくないのですが」

 

「なんじゃ勝ぅ、この生真面目さんめ。ほれほれ、勝は時の何処がええのんじゃ?」

 

「べ、別に僕は…っ、その。や、優しい所が、その……」

 

「ガチ恋トーンで語るな。聞いてるこっちも恥ずくなるわい」

 

「い、良いでしょ別に! 信時の初めては僕なんですからっ」

 

「逆じゃろバーカ。てか一度抱いた女は己の物とか今更流行らんわボケナス」

 

「ひ、酷いですよ姉上ぇ、語らせておきながらそんなの」

 

「ま、是非もないよネ!」

 

 

 

 

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