片田舎の兎も剣聖になるのは間違っているだろうか?   作:Nm

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今日はこれで最後の投稿です。

楽しんでいただければ何よりです。


決着

 オッタルがベル目掛けて突進する勢いでそのまま唐竹に斬った。

 

「それは・・・、残像ですよ?」

斬られたはずのベルがまるで、景色に溶ける様に一瞬で消え去り、背後に殺気もなく接近しオッタルのうなじを斬る。

 

カンッ、カンッ!

 

まるで、鉄を斬ったような音が二回、コロッセオに響いた。

 

「ま、マジか!あっ、あの兎、残像が残るほどのスピードを出して、オッタル相手に殺気を殺して背後に回って二連撃を与えた!」

赤コーナーの席に座っている、フレイヤファミリア所属の長い銀髪の黒妖精(ダークエルフ)黒妖の魔剣(ダインスレイヴ)の二つ名を持つ、ヘグニ・ラグナール先ほどの攻防を見て驚愕した。

 

「単純に速度が速いだけじゃない、全身のしなやかな筋肉と駆動部の広い関節部による緩急をつけることで、オッタルには目の前から突然消えたように見えるだろう。」

隣にいる金色の長髪の白妖精(ホワイトエルフ)白妖の魔杖(ヒルドスレイヴ)の二つ名を持つヘディン・セルランドがさらに補足する。

 

「速さの次元が違う。」

 

「一撃で二撃あたえるってどういうこと!」

 

「俺達の目にも映らなかった。」

 

「あの、生意気兎め~!」

こちらもフレイヤファミリアの幹部、炎金の四戦士(ブリンガル)の二つ名を持つ、Lv.5の四つ子の小人族(パルゥム)の戦士、ガリバー兄弟もまた驚きと同時に苛立っていた。

 

(オッタルの奴何してやがる、あの方の顔に泥を塗る気か!)

フレイヤ・ファミリアの副団長であり、都市最速の冒険者と称される猫人(キャットピープル)女神の戦車(ヴァナ・フレイヤ)アレンもまた、苛立ちとともに自分では最初の一撃で終わっていたことを確信した。

 

 

 

「あの、小僧め~、見た目は兎なくせに、やることは狸ではないか、まだ、底を見せていなっかたとはの。」

 

「ガレス、冒険者として、手札を隠すのは当然だ、だが、まだ、ギアを上げられるのは心底驚いた。」

リヴェリアがたしなめる。

 

「それより、今の攻防だが、背後に周り一撃を見舞ったように見えて、実は二撃与えていたとは、これは、オッタルでも面食らっただろう。」

フィンが試合の主導権をベルが最初に握ったことを理解した。

 

 

 

青コーナーの席に座っていたロキファミリアの面々は声を失っていた。

「・・・すごい。」

アイズはもはやこの言葉しか言えなかった。

 

「この一撃はデケェ、ベル(・・)に主導権を渡すと最後まで持ってかれることも考えられるぞ。」

ベートは冷静に今の攻防を分析する。

 

「あの、猛者相手にインファイト仕掛けに行ったときはヒヤッとしたわよ。」

ティオネが接近した瞬間終わったかと思った。

 

「そもそも、どうやって残像なんてできんの?」

先程の残像の術理に不可解を表すティオナ。

 

「あまりに、レベルがすごすぎて何が何だかわからないっす。」

ラウルがあまりの高度な戦術で理解できていなかった。

 

「しっかりして、ラウル、一瞬でも目を離すと終わるわよ。」

黒髪長髪の猫人(キャットピープル)アナキティ・オータムは目を皿にして試合を観る。

 

「今でも、我々の眼にも映らぬ速さなのに、レベルが上がったらどうなるのかしら?」

緩いウェーブを巻いた緑の髪で長髪のエルフ、アリシア・フォレストライトはもはや恐怖していた。

 

うちら(神々)からしたら何をしてるか、さっぱりや。」

ロキは一体何が起きて、誰が優勢なのかもわかっていなかった。

 

 

 

「ぬっん!」

頭を振り再度ベルに双剣を構える。

 

「すごいですね、あなたの剣は無骨だけどあきらめずに磨き上げてきた努力の結晶だということがわかります、でも、僕だって負けるわけにはいかない。」

右手に剣を肩に担ぎ、右足を床に二回つま先でたたく。

 

「さらに、もう二つギアを上げれます、もう、あなたは届かない。」

そういってベルは速度を上げていった、そして、怒涛のラッシュが始まる。

 

ガガガガガガガガガアッ!

ガレスとの模擬戦以上の速度で猛者を追いつめる。

 

「っ!届かなければ、届いたところをたたくまで!!」

オッタルが防御を構えベルにカウンターを仕掛ける。

 

(とは、言ったものの、リズムも変えてきて、読みづらい、こうなれば・・・。)

防御を捨て、攻撃特化の上段に剣を構えた。

 

(僕の攻撃を誘い、隙ができたところに乾坤一擲の一撃を放つつもりですか、でも・・・。)

 

「その選択は、悪手です!」

 

ガガガガガァン!

 

ガン!

 

オッタルに接近し、カウンターを仕掛けた際、オッタルが1撃を放つ間に、無防備になった、頭部にベルは5発の攻撃を与え意識を絶ちに行き、最後に後頭部にダメ押しの一撃を与えた。

 

オッタル血みどろになり意識を失い、床に膝をつきそうになった瞬間。

 

「いつまで、無様をさらすつもりだ、オッタル、お前の敗北はお前だけのものじゃない、いいようにやられてあの方のご尊顔に泥を塗るつもりか、いい加減、目を覚ませ!!」

アレンが我慢できずにオッタルに檄を飛ばす。

 

(ア、 レン、俺は・・、まだ・・・。)

 

ベルはオッタルの雰囲気が変わったことを瞬時に察知し、距離を空けた。

 

(ここからだ。)

 

オッタルは倒れそうになった膝に力を入れ態勢を整える。

 

「う、うぉぉぉぉお!!銀月の慈悲、黄金の原野。この身は戦の猛猪を拝命せし。駆け抜けよ、女神の神意を乗せて・・・!」

 

ベルも詠唱を阻止しようと、さらに、加速し攻撃を仕掛ける。

 

しかし、オッタルの眼は死んでいなかった、その目ににらまれた瞬間、一瞬ベルはすくんでしまった。

 

「ヒルディス・ヴィーニィ!!」

 

さらに圧力を強めた、オッタルが先程とは比べ物にならない、速力で向かってくる。

 

(この時を待っていた!一回こっきりのチャンスだ!!)

 

呼吸を整え、剣を腰だめに構え、オッタルを迎え撃つ。

 

「ぬおぉぉぉぉぉぉ!!」

全身全霊の一撃が迫る瞬間・・。

 

(集中・・・。)

 

ベルの周囲がまるで色あせたように灰色になり、まるで、時の流れが止まったかのように思えた、そして、頭上から振り下ろされるオッタルの剣を紙一重で回避し、相手の威力を利用した、一撃をオッタルの右胴に渾身の一撃を与え、オッタルを吹き飛ばした。

 

ヒュオォォォ、ガシャン、ドォン!!

 

オッタルは高速で吹き飛び、コロッセオの壁を破壊して、さらに、奥の観客席まで吹き飛んだ、オッタルの一撃とベルの一撃を合わせた一撃を受け、オッタルの意識は闇に沈んだのだった。




決ッ着!!
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