片田舎の兎も剣聖になるのは間違っているだろうか?   作:Nm

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お疲れ様です、この話で1章は終了です。


手紙①

  レベリオ騎士団剣術指南役 ベリル・ガーデナント殿

 

拝啓 新緑の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。 柔らかな風に揺れる木々が美しい季節となりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。

 

さて、今回はオラリオに到着して、ヘスティアファミリアを立ち上げた近況を報告したく筆を執らせていただきました。

 

 初めてオラリオの地を踏んだ時、期待に胸を膨らませいましたが、10件連続でファミリア面接に落ち、気分が落ち込んでいたところ、僕の主神である、ヘスティア様に拾っていただき、無事ファミリアを結成することができました、ヘスティア様には大変感謝しております。恩恵を与えられた際、最初は恩恵の力に振り回され感覚を取り戻すのに手間取りました。

 

 そして、初ダンジョンに入場した際、僕以外の新米冒険者がミノタウロスに襲われていたところを討伐・救助することができました。

 

これも、一心に僕にダンジョン指導をしてくださった僕のギルド担当者、エイナ・チュールさんのおかげです。その件でロキファミリアと縁を作ることができ、ロキファミリアの剣術指南役に採用され、ロキファミリア、および、新興ファミリアであるペレファミリアと同盟を結成し、僕が指南することになりました。

 

最初はロキファミリアの方々も新参者の僕が、突然、指南役をすることに大変疑問を抱いておりました、当然のことだと思います。しかし、ロキファミリア団長のフィン・ディムナ氏の計らいで、重傑(エルガルム)の二つ名で名高い、ガレス・ランドロック殿と模擬戦を行い勝利することで、信頼を勝ち取ることができました、それからは、様々な方々が積極的に僕に指南を求めてきました。

 

それから、1週間ほど経過した際、フレイヤファミリアの猛者(おうじゃ)から怪物祭のエキシビジョンマッチで対戦することとなり、辛くも勝利をつかむことができました。

私自身も未熟さを痛感しさらなる精進に励んでおります。

 

その後、ガネーシャファミリアがテイムしたモンスターとは別のモンスターが現れましたが、主神であるヘスティア様から特殊な剣を与えられ、そのおかげで、市民に死者を出さずに軽傷者のみに抑えることができました。

 

そして、一瞬で大型モンスターを氷漬けにした魔法士のレフィーヤさんをすごいと思いました。

 

ですが、レフィーヤさんが落ち込んでいたため、僕も昔は不安に思っていて、ベリル先生に教わった、負けないことと強くなることを楽しむことを伝えることで、レフィーヤさんは元気になりました。

その後、フレイヤファミリアの指南役にもなることになりました。

 

まだ、ヘスティアファミリアは僕一人しかいない新興ファミリアですが、団員を集め、頑張って、僕が教わった、負けないことの技術を教え広めていこうと思います。

 

季節の変わり目でございますので、どうぞご自愛くださいませ。

改めて、深く感謝申し上げます。

                                                                                   敬具

 

                                                 ヘスティアファミリア団長 ベル・クラネル

 

 

 

 

「あの、ベルがオラリオ最大派閥の指南役になるなんて、うれしいなぁ~。」

手紙の差出人である40代半ばの男、ベリル・ガーデナントは滂沱の涙を流していた。

 

「ベルの奴はどうだって?」

ベリルが後見人を務めている青髪の少女ミュイ・フレイアはベリルに尋ねる。

 

「いろいろ、トラブルがあったけど、ヘスティア様っていう神様に見いだされ、オラリオの最大派閥、ロキ・フレイヤファミリアの指南役になったそうだ、しかも、現オラリオ最強の猛者にも勝利したらしい。」

かいつまんでミュイに説明した。

 

「マジかよ、あいつもおっさんと同様にぶっ飛んでんな。」

うれしさと同時に呆れもある様子だった。

 

「ほぉ、あの猪小僧、ベルに負けたのか、あの小僧(オッタル)には喝を入れないといけないな。」

顔に傷が入った、2メルドの巨漢、ザルドが嬉しそうにしていた。

 

「当然だ、皆伝を受けたベルがあのような猪に負けるはずがない、お前の弟子たち(ベリルの弟子たち)に比べれば、オラリオの技術など赤子のようなものだ。」

緩くウェーブした長い銀髪を持ち、目をつむった黒いドレスを纏った女神が如き美女、アルフィアは当然の結果と受け入れた。

 

「それは言い過ぎじゃないかな、アルフィア?」

ベリルがまた過剰な謙遜をしようとしたとき。

 

「何を言う、7年前、()()()使()()()()()()()()()()()()()()()()()()()向かってもお前に一太刀も入れることはできなかった。」

負けた当時を思い出し不機嫌になるアルフィア。

 

(ゲッ!)

 

(まずい!)

ミュイとザルドは危機を察知して退避しようとする。

 

(これって、まさか?)

ベリルは嫌な予感がしてきた。

 

「あぁ、思い出しただけで、腹が立ってきた、ベリル・・・、今から私と模擬戦をしろ。」

アルフィアは目を見開いて、ベリルに無茶な命令をしだした。

 

「おいおい、無茶言うなよ、こんなところで、アルフィアが暴れたら、家が吹っ飛ぶじゃないか。」

ベリルは何とか止めようとする。

 

「何を情けないことを言っている、レベル9の剣聖の名が泣くぞ。」

それでも、試合をしようとするアルフィア。

 

「待て待て、せめて、明日にしてくれ、それに、また勝手なことをするとルーシーに怒られるぞ。」

ここで、鬼札(ジョーカー)である上司(ルーシー)を取り出した。

 

「ふん、仕方ない、今日は気分がいいから折れてやる、それに、やることを思いついた。」

再び目を閉じて戦闘態勢を解くアルフィア。

 

((しっ、静まった~。))

ザルドとミュイは安心した。

 

「やることって?」

ベリルが尋ねる。

 

あの軽薄神(ヘルメス)を呼んでくれ、ベルにプレゼントだ。」

 

「今からかい、何を送るんだい?」

ベリルが何気なく尋ねる。

 

魔導書(グリモア)だ。」




感想お待ちしております。

2章もお楽しみいただければと思います。
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