これからも緩く頑張っていきます。
「あの、お二人にお尋ねしたいんですが、この魔石はもらっていいんですよね?」
先程の張りつめたような空気が嘘のように明るくべート達に尋ねるベル。
「あ、あぁ、モンスターのドロップアイテムは倒したやつのもんだ、それにしてもよく気が付いたもんだな。」
べートも警戒しながらもベルに近づく。
「ごめんなさい、あの、ミノタウロスは私たちが逃がしちゃったの。」
同じく近づいて謝罪するアイズ。
「僕よりも、負傷した冒険者の人に謝罪してください、他にミノタウロスはいますか?」
ベルは毅然とした態度で尋ねる。
「いや、こいつで最後だ、それで、その負傷者ってのはどこ行った?」
べートもベルを不思議に思いながらも尋ねる。
「深手を負っていたので、先にギルドに行かせました。」
ベルは淡々と答えた。
「じゃあ、行かないと。」
「待て、何する気だ?謝るとかいうならやめとけ、確かに今回はこっちの不手際だが、不用意なことはするな、まずはフィンに報告してからだろうが、お前、フィンのオーダー無視して勝手やって怒られたばっかだったよな。」
べートはすぐに駆けようとするアイズをたしなめる。
「うっ、ごめんなさい・・・。」
アイズは思い出して気落ちする。
「それに、少し落ち着く時間を向こうにも与えたほうがいいと思います、いきなり、
「待て、お前、新米だろ、なんで俺らのことを知った風に言ってんだ?お前、冒険者になっていくつだ?」
訝しむべート。
「えーと、オラリオに来てまだ一週間とちょっとですね、一週間はギルドで勉強して、上層の地図やモンスターのほかに、大きなファミリアの幹部の名前と特徴は覚えました。ダンジョンに入ったのは今日が初めてですよ、まさか、こんなイレギュラーが起きるとは思っていませんでしたけど。」
こともなげに答えるベル。
「じゃあ何か、お前、恩恵刻んで一週間足らずでミノタウロスを倒したのかよ!ありえねぇだろ!!」
驚愕すべートとアイズ。
「まだまだですよ、恩恵をもらう前なら剣に血がべっとり付くなんてことなかったんですが、まだ、体と意識の齟齬があるみたいで。」
「えっ、じゃあ君、まだ、体が慣れていないのにミノタウロスを一瞬で倒したの。」
少し顔を青くするアイズ。
「鍛錬は欠かさずしていたんですが、やっぱり実践は違いますね。」
(まじかよ、普通レベル1なら恩恵に振り回されるもんだが、こいつはそれを初日で感じて、それ込みでミノタウロスを倒したのかよ、こいつ、とんでもねぇぞ。)
「お前、名前と所属はどこだ?」
「あっと、挨拶が遅れましたね、僕はヘスティアファミリア団長、ベル・クラネルです、といっても僕しか眷属いないんですけどね。」
恥ずかしそうに答える。
「知っていると思うが、ロキファミリアのべート・ローガだ、こっちは、アイズ・ヴァレンシュタイン、団長のフィンに報告して、後日になるだろうが連絡があるだろう、行くぞ。」
「あっ、それじゃあね・・・。」
二人はあっという間にいなくなっていった。
「わかりました、ギルドには僕から報告しておきます。」
(彼らがロキファミリア、オラリオでの最強派閥の一角の幹部か、強そうだったな、僕も強くならなくちゃ。)
ベルは改めて、闘志を燃やして上へと駆け抜けていくのだった。
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