楽しんでいただければ何よりです。
(結局、神様にはぐらかされちゃったけど、隠すってことは広まるとやばいスキルってことなのかなぁ。)
ベルは今日もダンジョンへと向かう、いかに、ミノタウロスを討伐したお金があるが、道場開設にはまだまだ遠いので、稼がなくてはいけないのだ、その道中、昨晩ヘスティアにスキルはあるかと聞いてみたところ、スキルはないと言われた、しどろもどろで隠せていないがそれでも、僕を思ってのことだろう、本当に頭が上がらない。
(それにしても・・・、多分かなり遠くて高いところからだと思うけど、オラリオでそんな高い建物はバベルくらいだ、そして、バベルに住んでいる神はフレイヤファミリアの主神、フレイヤがなんで僕を見ているんだろう?)
「あn・・・」
「なんでしょうか、お嬢さん、僕は今からダンジョンに向かわねばなりません。」
「えっ、どうして気づいたんですか、冒険者さん?」
鈍色の髪の可愛らしい若草色のワンピースを着たウェイトレスは驚いていた。
「これでも、剣士ですからね、背後の気配だけでなく小さな音、僕の周囲に気配を察知しているんですよ、例えば・・・。」
ゆっくりとそのウェイトレスに近づきベルはいたずらっぽくささやく。
「・・・あなたの護衛でしょうか、とてもお強く、技術も大したものですね、でも、上には上がいるものですよと後でお伝えいただけますか?」
(!なんで、アレンさんのことに気がついたの!!)
(あのヤロウ、なんで、この距離で気配消している俺に気が付いてやがんだ!!)
黒髪の猫人アレン・フローメルは驚愕しながらも最速でシルの元へと駆けつける。
「シル様、お下がり下さい。」
アレンはシルの前に突然現れ、隙なく槍を構える。
「驚かせて、すみません、そちらに害意はないので、できれば槍を下げていただけませんか?アレン・フローメルさん。」
ベルはアレンの殺気を浴びながらも体を強張らせがなく、自然体の状態にある、ベルにさらに警戒を高める。
「てめぇ、ナニモンだ、なぜ、俺のことを知っている。」
(普通、殺気をぶつけられたら、殺気立つものだが、あいつにはまったくそれがない、殺気までコントロールできるやつなんて、とんでもない奴だ。)
「そりゃあ、あの距離を一気に距離を詰められる冒険者なんてオラリオ最速と呼ばれる槍使いである、アレンさんしかいないでしょう。」
「っち!」
(気に入らねぇ、そのなんでも見透かした眼がよけい気に入らねぇ。)
「アレンさん、下がってくれますか?」
「いけません、シル様。」
「アレン・・・、下がって。」
「っ!はっ。」
アレン槍を下げてシルの後方に下がる。
「すみません、驚かせてしまって、僕はヘスティアファミリアの団長ベル・クラネルです。」
朗らかに何もなかったように言うベル。
「こちらこそ、申し訳ございませんでした、私はシル・フローヴァと申します、こちらの豊穣の女主人という店で働いています。」
「酒場ですか、じゃあ謝罪の意味を込めて、寄らせていただきます。」
「本当ですか!お待ちしていますね。」
「はい、では、これからダンジョンに向かいますので、アレンさんもすみませんでした、では。」
謝罪して、ベルは去っていった。
(面白い、まさか、アレンがあんなに警戒するなんて・・・。)
シルは心の中でさらに興味を高まらせていった。
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