今度は海じゃなくって、トリニティのさらにお外へ行くことに。
……他の学校のことだって、気になってきちゃうよね。
「リエルさん、お着替え終わりましたか〜?」
「うん、もう終わってるよ〜」
みんなで補習授業がすごく上手くいってから3日経った。
補習授業部のテスト延長で生まれた空白は、ぜーんぜんまだある。
だから、この時間をとことんまで使おうってことで。
ヒフミさんが昨日、提案してくれたの。
「リエルちゃん、アズサちゃん。
お二人も、トリニティでの生活はとても慣れたものだと思います!
だから、そろそろ次のステップに進んでいきましょう!」
「つぎ?」
「何をするんだ?」
「はいっ!
今度、DU地区……キヴォトスの中心部に珍しいモモフレグッズが揃うイベントが開催するんです。お二人もご一緒にいきませんんか!!」
「DU地区……トリニティとは別の場所へか」
「……それ、楽しそう。うん、ボクも行きたいな」
トリニティ総合学園の、さらに向こう。
ボクたちのまだ知らない世界へ行かないかと言う提案……
その景色を知りたいと思ってたボクは迷わずお誘いに乗った。
想像よりも遠くて、歩きじゃいくの大変みたいだから……
その場所へ向かうのにとっても便利な乗り物を使っていくんだって。
電車っていったっけ? それもこれから初めて使うものだし、楽しみ。
海に行く前とおんなじくらい、気持ちがワクワクしているね。
「結構時間かかると思うんで、お手洗いはちゃんと済ませてくださいね〜」
「はーい」
海とは違って、あんまり特別な水着とかそういうのは必要なくって、
いつもきているような制服の方が色々と動きやすいらしいけど、私服でもいいって。
ボクはすっかり着慣れたもの制服を着ていくけど……
こういうおでかけって普段とは違う姿でおしゃれを楽しむものだとハナコさんが言ってた。
いや、だからといって目立つような服装にしましょうはちょっとね?
ボク、そんなジロジロ見られるのなんて慣れてないし。
そもそもそんなふうにされるのは避けたいし……
ごめんね、せっかくの提案をなんだか棒に振るみたいにしちゃって。
だけど化しましょうかっておすすめされたスカートが、その。短かったから。
「学外……一応“当番”で行ったことはあるけど見て回るのは初めて」
「ん、“当番”?」
「……あれ? リエルさんってまだ“当番”行ったことはないんですか?」
「ないよ、なにそれ?」
「“先生”のお手伝いだよ」
「へー」
“当番”かぁ。
そんなのもあるんだね。
輪番制の業務補佐、とか各校との共同だとか色々アズサさんが難しく表現してたけど、
ヒフミさんやコハルちゃんの言う“先生”のお手伝いの方がやたらとしっくりくる。
アズサさんは“先生”のいるシャーレに“当番”としてお邪魔した時に手に入れた紙にはそう書いてあったって話してるけど……それ多分難しい言い回しとかが書いてたんじゃないかなぁ。
「でも今日はお買い物と遊びに行くんでしょ?」
「それはそうだけど、場所によっては危ない場所もあるから装備はしっかり」
「あはは……大丈夫です、ブラックマーケットには行きませんから……」
「ぶらっくまーけっと……??」
「あ、リエルさんにはあんまり関係ない場所だと思いますよ!」
……響きからしてなんか怪しそうな場所だけど……
そう言う場所もDU地区にある……いや、ヒフミさんの言い振りからしてちがう?
だけどなんでそんな場所の名前がいきなり……行きませんから……
……行ったことあるのかな? もう言葉の響きからして危なそうだけど。
行くとしても、そもそも何を目的にしてたのかなぁ。
ヒフミさんが行きそうな理由……行きそうな理由……
モモフレンズ……だけど危険そうな場所にわざわざ……いやでも、ヒフミさんは……
う〜〜〜ん……
まぁボクが行くことはないし気にしない方がいいか……
用事も行く理由もできることはなさそうだし、基本トリニティの学区内から出たいなーとかもあまり考えないから……
いや、お出かけは楽しみにしてたからそれとこれとはべつかな。
「準備ができたみたいだ」
「よし、それでは行きましょう! 限定イベントへっっ!!」
「DU地区にでしょ?」
「はい、いってらっしゃ〜い」
「ん、気をつけて……」
ああ、それと。
今日はボク、ヒフミさん、アズサさんの3人でお出かけしに行きます。
ハナコさんとコハルちゃんは二人でのんびりお留守番。
二人とも今回のイベント自体にあんまり興味はないみたいだからね。
ヒフミさんはちょっと残念がってたけど強制とかはできないし、したくないみたいだから割り切ろうね。その分ボクたち3人で楽しめばいいから……
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『トリニティ総合学園発、DU地区行き……ただいま発車いたします〜……』
「……想像よりも大きいね、電車って」
「私も初めて見た時はこんな大きなものが動くのか?って思ったっけな」
おでかけで、目的の位置にまで向かうための電車に、座って乗ってる。
初めて見た時は四角くて大きいなぁ〜って呑気に思ったけど、これに乗ったら20分くらいで目的の地区についちゃうんだって。
歩いて行ったら何時間もかかっちゃうのが、たったの20分くらい……
便利だなぁ。
そりゃみんな使うわけだよね〜、って思う。
と言うのも、この電車が止まっている駅にいっぱい色んな人たちがいて、みんなそれぞれの電車に乗ってるのを目の当たりにしたからね。
これがなかったらお仕事にならないって人までいて、本当にすごい。
ただ、この電車にもトラブルはたくさんあるみたいで……
お弁当をたくさん買い占めたり、それを奪おうと銃撃戦が起こったり……
あと最近じゃ電車が走る道、線路上になんか変な人たちが集まって穴を掘っていたんだって。
トリニティからDUの電車ではそんなことほとんど起こらないみたいだけど……
ゲヘナ学園の電車じゃ毎日のように事件が起こってるって噂してた。
……毎日事件が起こるって普段どんな生活をしてるんだろう?
アリウスみたいに食べるに困ってたり……とか考えたけど。
向こうは生徒たちの食べる食事提供ができる部活があるって話だしなぁ。
……そう言う場所もあるのにお弁当の奪い合いが起こるってなんでなんだろう。
「……こうして座ってると、なんだか静かだなぁ」
「まぁ、電車の中って騒ぐような場所ではありませんからね」
「静かな方が整備しやすくていい」
「アズサちゃん、だからと言ってここで整備はあまりしない方が……」
……だけど、今のところこの電車は平和そうだ。
運が悪い時はトリニティからの電車でも普通に問題起きるって話だったけど。
ボクはそんなトラブルない方がいいって思うから、起きませんようにって心でお祈りしてる。
それが通じたのかなぁ?
……ふふっ、なんだか昔から問題が起こったらまずいって時は祈ってばっかりな気がする。
そんなことしてもダメな時はダメってわかっててもやっちゃうなぁ。
でも、割となんとかなっているような気もしちゃうような。
「ん〜」
「む……リエル、まだ眠いのか?」
「うーん、外からあったかい光が差し込んでて……それであっためられて。
なんかウトウトしてきちゃうかも……」
「私が見てるから、ちょっとだけ寝ておくといいよ」
「それじゃ遠慮なく〜……」
着くまで短いと言ってもその間じーっとしてて暇な感じ。
外からの陽気と独特な揺れもあって、なんだか眠くなっちゃう。
……こんな場所で眠ってたらなんだか荷物取られちゃいそうで怖いけど、
アズサさんが見てくれるって言うなら一安心。
……それじゃあ、到着まで少しの間、おやすみ〜……
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「おぉ〜……」
「人がいっぱいいるね」
「キヴォトスの中心街とも呼べるような場所ですからねー」
みんなおはよう。
目的地のDU地区に到着しました。
最初に見た時に湧いて出てきた感想としては、アズサさんのものと同じで。
人がすごくいる、というものだったよ。
だってあちこちから色んな声が飛び交っているし、生徒以外の人もたくさんいる。
それに街の雰囲気だってトリニティで見てきたものと全く違うみたい。
石とかレンガで作られてた街並みがよくあったトリニティとはうってかわって、めちゃくちゃ高くて四角い、でっかい塔みたいな建物があちこちに佇んでる。
あの形状をビルって言うんだって。
トリニティではあんまりやらない形状らしいから、通りで初めて見るわけだなぁ。
ただ、この地区にあるビルは学校で使うような建物とはまた違うみたいで。
ほとんどは大人たちがお仕事の場で使うようなものなんだって。
なんなら“先生”が拠点にしているシャーレってところも一見は高いビルみたいな建物らしいし。
……うーん、あんな四角い建物がいっぱいだとどれが何かわかんなくなりそうだよね。
「それで、目的のモモフレンズ限定イベントはどこでやるの?」
「はいっ! 事前にちゃんとチェックしてきたのでついてきてくださいねっ!」
「私とリエルはこの辺りのことはわからないから離れないようにしよう」
「そうだね」
実際、ヒフミさんの案内がなかったら絶対迷子になると思うし。
今日はピッタリくっついていこうね。
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「ありがとうございましたー!!!」
「ふうっ、なんとか間に合いました……!!」
「並ぶだけでも10分はかかったよ?」
「そういうものらしいよ」
「そうなんだ〜」
ヒフミさんの案内でビルのジャングルみたいな場所をスイスイと抜けて、
イベント会場と思わしき場所にすぐにたどり着いちゃった。
そしてその流れのまま、会場前にいる人たちの後ろについて待つことしばらく。
会場内……お店みたいな場所に入ってあれこれひょいひょいと持ってってレジまですぐに向かってた。すっごく手慣れた様子だった、きっとこんなイベントを何度も経験してきた猛者の動きなんだろうな、と思う。
袋いっぱいに買ったヒフミさんとは裏腹に、ボクもアズサさんも買ったものは1、2個くらい。
アズサさんは両手いっぱいに抱える大きさのスカルマンさんのぬいぐるみを買ってた。
やっぱりお気に入りみたいで、抱き抱えた時目がキラキラしてたよ。
ボクはこれから使うことも考えてスカルマンさんとニコライさんのシャープペン。
ボクも補習授業部みたいにお勉強してたら何かとペンって使うから、それで。
中身自体はトリニティのお店でも買えるからお手軽に使えるなーって。
「さて、これからどうしますか?」
「うーん、せっかくだからもう少しこの街を見てまわりたいなぁ」
「土地勘は欲しい、その方が動きやすい」
「わかりました。確かにすぐに戻るのも味気ありませんからね!」
ヒフミさんはもう満足な様子でほくほくしてるけど、ボクはまだまだ街にいたい。
せっかくきたのにとんぼ返りはヒフミさんの言う通り、味気ない。
せめてもっと何か見て行ってから……
グ~……
「あっ」
「あら……」
「リエル、お腹空いたの?」
「そうみたい」
その前にご飯だね。
この辺りにどんなお店があるのか知らないから、それを探すのだって……
……んー、でも今は何を食べたいって思っているかなぁ。
トリニティで食べるようなものはいつでも食べれるし……ここにきたならこの辺りで美味しいものにしたいなぁ、パスタもスープも毎日のように食べてるし……
あー、でもなんでも食べれそうだなぁ……
そもそも毎日同じのでもボクは構わないとも思うから……
「悩んでる?」
「とはいえ、DUの美味しいご飯屋さんってなんでしょうか……」
「あれ、ヒフミもよく知らないの?」
「その辺こだわらず、ああここにしようかな〜って適当に入っちゃいますし……」
ふんふん……ヒフミさんにも美味しい場所はわかんない……
のなら、直感的なものでここだーって思った場所におもいきって行っちゃおうかな。
……くんくん……
「むむっ」
「え、突然どうしたの?」
「あっちから美味しそうな気配がするようなっ」
「え、そんなのわかるんですか? あ、ちょっと先に行っちゃ迷子に〜!」
少し鼻を使って美味しそうな香りがしてないか探ってみた。
すると、なんだかいい感じのおいしそうな香りがどこかから……
その方に少し急ぎ足で向かってみると……なんだかちょこんと、こじんまりとした感じの……
台車みたいな小さいお店があった。
「……柴関らーめん? 美味しそうな響き」
そこののれんに書いてあった名前と、座ってる子たちの食べてる音。
そして香ってくる濃厚で美味しそうな匂いに、体がここで食べたいってすごく叫んでた。
【DU地区】
キヴォトスの中心地点。
連邦生徒会の本部とシャーレ本ビルが設置されている文字通りの重要地区。
各学校の生徒らもよく足を運んでいるものの、その分トラブルが絶えない地区でもある。
赤い子って好き?
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うん、大好き!
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ふつうかな
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リエルが好きです