ワイルドハント芸術学園だって?ワイルドハント…芸術…もうこれ6章の役満やろ。はい遅れた理由含めて、今後の執筆について大事なお知らせがあります。後書きに書いておくので、読んでくれると助かります。評価赤バーありがとうございます!
※今回の話では幻想体の独自設定があります。
「ホシノ…」
ホシノは私とユメに見向きもせず、走り切っていってしまった。やはり、ホシノは色んな思いを抱え込んでしまう人間なんだろう。そんな人間はどれだけ強い精神力を持っていても、一つの衝撃でいとも簡単に崩れ去る。
ピロンッ!
「ん、何だ?」
貰ったスマホを見ると一通の連絡が来ていた。
「うげ…何でこいつ私のモモトーク知ってるんだ?」
それはこの前路地裏で会った黒服からだった。自分をミニ化したようなものをアイコンにしている。こいつ、ナルシストの気質あるんじゃないか?
(宿した綿花の写真)
これでモモトークの会話は途切れた。
「まぁいい。ユメ少し依頼が入った。出かけてくる。」
「わかりました。気をつけてください。」
それを聞くと少し心配するような顔をしてアマリアは学校を出て行った。
「頼ってばかりじゃいられない。私もついて行こう。」
さらに、装備を整えたユメはアマリアの後を追うのであった。
-ホシノside-
「はぁ…はぁ…」
時間も忘れて走り続けた。辺りは日が落ちかけており、夕方になっていた。ホシノは自分が走り去ってきた道を振り返る。どうやら、相当遠くまで来てしまったようだ。
「私…逃げてきちゃったのか…こんなんじゃまた守れない…」
アマリアとの実力差、初めての殺人(殺したのはアマリア)今でも、赤い靴を履いた少女を救えたのではと考えてしまう。それに、人を殺すことに何の躊躇もないアマリアを心の底では怖がってしまっている自分に嫌気が差していた。しかし、ホシノ自身が気づいていない。何よりも危ない点はかつてないほど精神的に揺らいでいること。
「…ん?何これ。」
突如ホシノの周りが白いモコモコした綿花に覆われた。今まで見てきた砂漠など夢であったかのように。空は綺麗な夕焼けから赤黒い狂乱の空へとなった。さらに、ホシノの目の先には、綿花の部分から鋭いツタが何本も伸びている。
「…!こっちに近づいてきている。」
フワフワと風に流されるようにこちらに近づいてくる綿花。ホシノはただならぬ気配を感じ警戒を怠らない。その判断は正解であった。突然、根っこが自分の方に伸び、串刺しにしようとしてきたのだ。
「おっと、あっぶな…」
ガサッ!
「うわ!足にツタが!」
ザシュ!!
ツタによって、足元を拘束されている隙に綿花の根っこがホシノの体を突き刺した。
「ウッ…!?ぐぅ…なにこれ…吸われてる?」
自分の体から血が吸われているのをホシノは実感していた。それを証拠に綿花の白い部分が少しずつ血の色に染まって行くのを見た。
「離れろ!」
バンッ!!
ホシノは自分に刺さっている根に向かって銃を撃つ。根は思ったより弱かったのか、あっさりと千切れ飛ぶ。そして、すかさず綿花に接近し、至近距離でショットガンをぶちかます。
バン!!バン!!
至近距離で食らったせいか少し綿花と根を捻らせながら怯む幻想体。同時にこの幻想体は理解した。今自分の目の前にいるのは単なる餌ではない。自分を脅かす立派な敵だということに。ホシノに向かった根はさっきまではたった一本だった。それが二本、三本と増え、五本まで増えた。
「クソ…これは少しまずいかも。」
ホシノはひたすら回避に徹していた。自分の体を易々と貫く根に対しての恐怖も多少あるが、その根が五本に増え、攻め入る隙が格段に少なくなってしまったからである。さらに、この根の突きが地面に当たると地面が抉れるため、長期戦になると足場が悪くなりさらに不利になる。
(もう少し…もう少しでタイミングを掴める。)
乱れ打ちに見えて、実は至極単調なパターンで動いていた。ホシノの正面、左右、上、足払い、このパターンにしか当てはまっていないことにホシノは気づいた。そして、攻め入る隙があるのは、正面から来たものをギリギリで躱し、一気に距離を詰める戦法だ。そして、その機会はすぐに訪れた。
ビュン!!
「ここだぁ!」
高速の正面突きを頬を掠めるギリギリで躱し、ホシノは一気にフルスロットで走り抜ける。
「勝機!」
誰がどう見ても完璧なタイミングであり、ホシノでさえもここまで上手くいくとは思っておらず、声もあげてしまった。ただ、一つ誤算があった。行動を読んでいたのは、綿花も同じだと言うことに。
ズブリッ!!
「がぁっ……っ!?じ…地面の中…から…?」
六本目の根が地面の中から突き出し、ホシノの横腹に深々と刺さった。
「ク…早く振り解かないと。」
ズブリッ!!グチャリ!!
振り解こうとした瞬間に、根の二本がふくらはぎと二の腕に肉を抉るようにして、深々と突き刺さった。
「!?うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
あまりの痛みと体液を吸われる気持ち悪さに絶叫するホシノとお構いなしに血を吸い続ける綿花。
「痛いっ…痛いってばぁっ!離してっ…お願い、もう刺さないでっ…もうやめてぇぇぇ!」
涙ぐみながら絶叫しても綿花が聞くはずもない。ホシノは次第に抵抗する力を失い声も出なくなっていった。
(誰か…助けて…この地獄から…解放……して)
救いはなかった。自分の血が体から無くなるのをこの砂漠でもない綿花畑で自らの滴る体液が砂になるまでじっくり味わう…はずだった。そうここは都市ではなく、学園都市キヴォトス、情け容赦のない都市とは違う。
何より忘れてはいけない。ホシノにはその都市でさえ最高峰の戦力である中指長姉が自分を庇護しているということを。
ドォン!!
「クソ植物がぁ…私の可愛い可愛い妹に…」
聞き覚えのある声だ。一度は助けはいらないと拒絶してしまった声。一瞬、瞬きをした間にホシノの体に刺さっていた根は全てアマリアによって神速の速さで千切られ、認識した頃には、もうすでに幻想体の目の前まで跳躍していた。
「何をしたぁ!!!」
ダァン!!
この世のものとは思えない空気が破裂する強力無比な一撃が幻想体を捉える。空に浮いていた幻想体は地面に叩きつけられ、悶絶するように体を捻りながらのたうち回っている。
「ホシノ!!生きているか!?返事をしろ!!」
返事はない。大量出血と痛みによるショックによって、完全なる昏睡状態に陥り危険な状況になっている。
それに、先ほどまでにホシノの血を大量に吸った幻想体は自身の綿花を真っ赤に染め、また空中に飛来する。瞬く間に嫌な鉄の匂いが充満する。
「雑魚植物が…10秒満たないうちにあの世に送ってやるよ。」
-昏睡状態のホシノの精神世界-
「……?ここは…?」
突如暗い空間でホシノは目覚める。視界には何も映らず、ただただ真っ暗な闇。精神が不安定な者が至れば発狂は免れない、音一つない地。そこに一筋の気持ちのいい陽光が指す。
「おや?君は…都市の人間じゃないね?これは珍しい。」
そこには、ホシノの知らない人物が佇んでいた。長い黒髪をポニーテールにし、白衣の着ている下に麻色の服を着ている。真紅の瞳がホシノを真っ直ぐに見つめている。
「君…名前は?」
「小鳥遊…ホシノ。」
「ホシノ…ホシノちゃんか…私はカルメン。まぁ、死んだ存在とでも言っておこうかな。」
ホシノは言ってる意味がわからなかったが、これ以上考えても無駄だと言うことがわかった。それに、初対面なのに警戒心を抱かなかったことが疑問だった。彼女の言葉はまるで自分に安らぎを与えるような穏やかさを孕んでいた。それユえに、この声ヲ長ク聴いテいルと、アたマが…おカしクナリソウだ。ソウして彼女のカおがニヤリとフテきに笑ウ。
「ホシノちゃん…私は貴方を理解できるよ?」
今回の話の言い訳タイム
えーこの話について色々言いたいことがある人は多いと思います。「ホシノはあんな叫び声あげない!」とか「投稿遅すぎだろぶち◯すぞ」とかね。前者はホシノにはちょっとこう言うことしてもらいたかっただけですはい。後者については下のやつ読んでね。ついでにキャラ崩壊タグ追加しました。自分で書いてて思ったけど、カルメン絶対こんなんじゃないだろ。
執筆について
シンプルに受験勉強の合間に書き続けるのが難しくなってきたので、今年中に更新するのが難しくなりました。ワンチャン少ない休憩時間で執筆する可能性もなくはないですが、投稿できても1、2話が限界です。推薦入試が無事に終われば、12月下旬くらいから再開します。再開しなかった場合は…まぁはい。お察しください。(その場合は3月下旬に再開予定)ただ必ず戻ってくると約束します。どうかこれからもよろしくお願いします。