中指長姉はキヴォトスに転生する   作:HAL86

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9章全クリしました。いやぁ、グレゴむずかった。情報量の渋滞と親方と子方達が良すぎましたね。ただし、マティアス!テメェはキラを傷つけた!それだけはゆるさねぇ!地彗星が普通に拉致られて子供産まされたの普通にめっちゃ可哀想。


ホシノの帰還、長姉からのプレゼント、ヘルメット団再び

「ん…うぅ…ここは…保健室?」

 

ホシノは見慣れた白い天井を見ていた。よくわからない温かく、安らかな声を聞いたあたりから記憶に霧がかかっているようだ。

 

「ん…起きたかホシノ。」

 

「ZZZ…ZZZ…」

 

そこには、目を擦りながらこっちを見ているアマリアと涎を垂らしながら、頭をガクンガクンと揺らし爆睡しているユメがいた。

 

「まぁ、お前がしたことについては後で話すとして、まずは無事でよかった。」

 

「ZZZ…ZZZ…」

 

「「………」」

 

アマリアは両手を広げて、ユメの顔の前まで持ってくる。

 

パァン!!

 

空気が震えるような猫騙しをユメの前でやる。

 

「ひゃあ!!」

 

大声を上げながらユメが椅子ひっくり返るように落ちる。凡そ後輩に見せるようでない情けない体勢で床に転がる。

 

「びっくりしたぁ…!?ホシノちゃん起きたの!?」

 

「は、はい。ユメせん…ぱい…?」

 

ユメはホシノに抱きついていた。

 

「良かった…ホシノちゃん、しっかり生きてる。」

 

ユメは震える声で言う。そこには、確かな安堵と嬉しさがこもっていた。ホシノもユメに呼応するようにそっと手を回す。

 

「はい。あの時とは全く逆ですけどね。」

 

あくまで冷静に返答しているホシノだが、体の細かい部分が微かに震えている。

 

「まぁなんだ。今回はあの変な植物に襲われて災難だったな。私たちが駆けつけるのが遅れたばっかりに、お前には苦労をかけた。」

 

「…いえ。元はと言えば私が勝手に出て行っただけなので、責任は私にあります。すいませんでした。」

 

「とりあえず、あの植物は私の依頼相手に引き渡した。依頼者の管理不足で脱走したから、それ相応の落とし前はつけさせるつもりだ。」

 

ホシノを連れ帰る少し前、モモトークに黒服からの連絡があった。あいつはドローンでホシノが戦っているところからずっと見ていたらしい。本来なら仕返し帳簿に記載し、即刻処刑なのだが、利用価値のある今はまだしない。……今はまだな。

 

「とりあえず、お前がやらかしたのは私とユメを危険に晒したことくらいだ。」

 

「………」

 

ホシノは押し黙り、ベッドの布団を強く握りしめて俯く。未だ自分の無力感に苛まれているのだろう。

 

「2人とも、一方的で悪いが、とりあえずこの話は一旦終わりだ。明日、予定あるか?」

 

「私はないです。」

 

「私も。この状態ですし。」

 

ユメとホシノは続けて答える。

 

「オーケー。明日は楽しくなりそうだ。」

 

 

 

 

 

 

-翌日-

 

 

 

 

 

家族3人はブラックマーケットの古びた店に来ていた。

 

「随分と古い店ですね。」

 

「シーッ!ホシノちゃん、ちょっと失礼だよ!」

 

「まぁ、お前たちに少し持たせたいものがあってね。あるかはわからんけど。」

 

ガラガラと店のドアを開けながら言う。そのまま2人はアマリアの背を追う。

 

「おーい。今度は買いに来てやったぞー。」

 

「ん?あっ君か、いらっしゃい。」

 

そこにはいつぞやの君の悪い子供が座っていた。

 

「早速だけど、私が今から出すものがあるか確認して欲しい。」

 

「おけおけ。何をお求めですか?」

 

アマリアは自分の大辞典レベルで大きい仕返し帳簿と自分に巻きつけている鎖をレジに置く。

 

「ふむ。仕返し帳簿と義理の鎖か…前者は2つくらいあるけど、鎖はないかな。」

 

「そうか、なら帳簿2つくれないか?」

 

「はい毎度ぉ〜、ちょっと裏まで行ってとってくるね。」

 

とことこ歩きながら、少女は店の裏側に姿を消した。やっぱり都市のものならほぼほぼ手に入るんだなここ。

 

「えっと、その大きいのって帳簿なんですか?」

 

ユメがひょこっと顔を出して聞いてくる。

 

「ああ、私たちはこれを仕返し帳簿って呼んでる。中指やその組織に手を出した人間に仕返しをするためにこの帳簿に記録するんだ。特別な技術が使われていてな。ここに書いたものは全ての仕返し帳簿に同期される。」

 

「そんなに便利なら普通のメモ帳としても使えそうですね。」

 

「それは普通のメモ帳を使えホシノ。まぁ別に良いけど。」

 

雑談しながら待っていると、少女が戻ってきた。紫色の帳簿で身につけるための鎖が備わっている小さなものだ。

 

「はい、2つ合わせて45000円ね。言っとくけど、一切まけないからね。」

 

「はぁ!?高すぎですよ!ちょっとこれぼったくりじゃないですかこれ!」

 

ホシノが少女を指差して怒鳴る。まぁ無理もない。借金がすごいしな。

 

「逆だなホシノ。別世界のものを仕入れるこの店は恐らく唯一無二の店だ。それも私と同じ世界からな。だったら、別世界の特別なものがたった5万で買える。こんな優しい店はそうそうないぞ?」

 

「う…確かに。」

 

ホシノにも納得してもらったし、さっさと買って帰ろうか。

 

「あ、初購入した記念に私の独り言を聞かせてあげるよ。」

 

ホシノとユメが店を出て、私だけになった時、少女は言った。

 

「最近、都市の人間がここキヴォトスに多くきている。十分に用心した方がいい。既に親指がトリニティで騒ぎを起こしたようにね。」

 

思ったより有益な独り言だった。

 

「今、私の中でお前への好感度が1上昇したぞ。ありがとうな。」

 

私はそう言って店を出た。

 

こいつが何者かは知らないが警戒した方がいいとも同時に思った。なぜこいつが、ここまでの情報を知っているんだ?

 

 

 

-アビドス自治区移動中-

 

 

 

「この帳簿、仕返しの対象となる項目がとても多いですね。ざっと100はありますよ。」

 

「あっちでは、私たちに対して無礼を働く奴らが毎日のように…いや、ここも大差はないな。とにかく、私らは他の組織みたいに厳しいわけでもないのに危害を加えるやつが多かったのさ。」

 

ホシノの疑問にアマリアが答える。キヴォトスはスケバンとヘルメット団など犯罪組織が多く存在しているので、都市レベルで危害を加えられる機会が多い。中指の長姉のアマリアなら問題ないが、6級フィクサー以下がこの世界に来たらどうなるでしょう?

 

答えは単純、The end 完!

 

「でも、これほとんどが処刑って書いてあるけど、ここまでする必要あるんですか?」

 

「キヴォトスと違って人が湯水のように死ぬからな、殺られる前に殺るし、舐めたやつは生かして返すつもりなんてない。」

 

「むぅ…」

 

ユメが隔絶した価値観の違いから、気難しい表情になる。

 

「まぁ、ここでは殺しはしない。多分、恐らく、きっと、may be」

 

どんどん主張が弱くなっていくアマリアに不安しかなかった2人であった。まぁ、このあと何事もなく終わってくれればいい。そう思っていた。

 

「オラァ!アビドスの生き残りぃ!今日がお前達の命日だぁ!」

 

あぁ…と2人が声を漏らす。ただの憐れみ、ここから起こる惨劇を止められないという諦めのため息に近い声だった。

 

「お?ちょうどいい実験台だ。2人とも帳簿見てみ。」

 

_φ(・_・カキカキ.

 

ヘルメット団から突然の脅迫、即刻仕返し

 

「本当に文字が浮かび上がってきましたね。」

 

「凄い!本当にどんな技術なんだろう!?」

 

2人にフル無視されていることに腹を立てたのか、ヘルメット団のリーダーが声を荒げる。

 

「あたしらを無視すんじゃねぇ!こっちには強力なバックが着いてるんだぞ!」

 

「強力なバック?」

 

「へぇ、聞かせてもらおうか。」

 

「リ、リーダーそれは言っちゃ…」

 

機密事項でもあったのか、ヘルメット団の1人が発言を止めるように言うが、少し遅かった。

 

「カイザーっていう企業が私たちには着いてる!お前らなんて小さな虫みたいな存在だぞ!」

 

ホシノがカイザーの名前出された瞬間、顔を怒りに歪める。ユメも良い印象は抱いていないようだ。

 

「虫…か、暴言も追加だな。キヴォトスでの帳簿記録暫定1位だな。」

 

相変わらず帳簿に書き続けるアマリア、その様子を見ながら帳簿を確認するアビドス2人組。

その様子を見たヘルメット団リーダーはついにしびれを切らす。

 

「もうめんどくせぇ!全員あたしらで始末してやる!」

 

こっちに銃口を向けて発砲する。ただし、ユメが大楯をもってそれを防ぐ。

 

「ナイスユメ、ホシノ任せるよ。」

 

その掛け声とともにホシノが後ろから飛び出す。

ショットガンを的確に相手の頭に打ち込み、超近距離ではストックを相手の顎に一撃を加え気絶させる。ユメはニコニコしながら盾を相手に思いっきり叩きつけたりしている。うん、盾はそんな使い方しないのよ。

 

「な、何だよこいつら…化け物過ぎるだろ!」

 

「はい、暴言もう一つ追加〜、2人とも全員気絶させたら、こいつらの何人か連れてそこら辺の廃墟に行くよ〜。」

 

「な、何する気…ひぃ!」

 

リーダーの目の前には、ショットガンを構えるホシノ、後ろには盾を持っているユメがいた。万事休すである。

 

「大人しく着いてこい。なぁに、少しお話しするだけだよ。お•話•し。」

 

そうすると、リーダーを含め数人を連れて適当な廃墟へと向かった。

 

 




ヘルメット団はまぁ酷い目に遭います。ちなみにですが、このヘルメット団は前アマリアにリアルで血反吐をぶちまけることになったヘルメット団とは別の勢力です。

謎の少女
記録1
アビドスで店を開いている少女。彼女の店にはキヴォトスには見られないとても珍しい物が売っていると言う。

記録2
どうやら他の自治区にも店を開いているようだ。連邦生徒会にしっかりと許可は取っているらしい。

記録3
商品の複数あり、銃などは少なく、槍や大剣、手頃なハンマーなどの近接武器が多い。調達方法を質問してみたが、「いろんな世界線に行っている」とだけ答えた。何かの比喩なのだろうか?もしくは教えたくないのだろうか?真偽を特定する術はない。

記録4
取材をしようと店に赴いたが、どうやら店が襲われているようだ。スケバン数人が店の扉を蹴破った。その瞬間、スケバン達は動きを止めた。彼女が奇妙な服を着て出てきた。ドロドロに黒く溶けたような肉に笑顔が張り付いている服と同じような外見で大きな口のついたハンマーだ。あの店にあんな物はなかったはずだ。

記録5
私は今人生最大の恐怖に直面している。彼女がハンマーを掲げると、大きな口が開き、スケバンの1人を規制済み。した。他のスケバンも恐怖で動けない。物陰から見ていても全身が震え、立っていられずに膝をつく。また1人、また1人が規制済み。されていく中、ついに残り1人になった。


記⬛︎6
スケバンは情けなく命乞いを始めたようだ。しかし、彼女は…いや、あの化け物は不敵に笑うだけだ。今度は先ほどと異なり、何度もハンマーを叩きつける。叩きつけるたびに肉が潰れ、骨が砕ける音があたりに響き渡る。覗いたことを私は後悔した。そこには、先ほどまで人だったとは思えないほどひしゃげた肉の塊だった。化け物はその肉の塊に近づくと、それはみるみる内に服に吸収され、跡形も残らなかった。化け物は独り言を呟いた。「この光景をもし見ているなら、他言無用だよ。破ったら…わかるね?」そう言い残し、店の中に戻っていった。私は絶叫した。もうこの世にいられない。あんな狂った光景を見てしまった私はもう、自分がおかしくなったのがわかった。まだ少しでも正気が残っている内に、ここに書き記す。

◯月△日 名規制済み。

危険性が高すぎるので、クロノス報道部によって削除されました。
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