一応は自分の意思を持ちながら指令にしか従えなかったリアン
愛する家族より自らの欲求を優先するマティアス
時代遅れの芸術を追求し続けるカリスト
阿頼耶識の適性があるから勝手に攫われ子供を産まされた塩見ヨル
なおこの中で1番まともなのはカリストな模様
大学関連が忙しかったのと、レイホンを殺すか殺さないかでずっと悩んでました。
「レイホン、お前を全力で潰す。」
「私達にした数々の行為を、後悔させてやる!」
二人は同時に超絶猛虎殺撃乱斬を迎え撃った。
天退星刀が凄まじく燃え上がり、加速しながら必殺の連撃を繰り出す。
最初の一撃——袈裟斬りが弧を描いて飛んでくる。アマリアは腕と鎖で受け止め、弾き返した。
次の瞬間、レイホンはホシノへ横薙ぎを放つ。氷の翼で辛うじて弾いたが、度重なる疲労と衝撃で翼が粉々に砕け散った。ホシノの体勢が大きく崩れる。
そこへバットを振り抜くような特殊な斬り方が追い打ちをかける。アマリアが即座に間に入り、カウンターでレイホンを吹き飛ばした。
しかしレイホンは虎のように跳ね返り、横切りを二連で放つ。四撃目でホシノを弾き飛ばし、五撃目でアマリアの体勢を崩す。
そして最後の一撃——全身全霊の袈裟斬り。
レイホンは体制の崩れたアマリアを狙った。
「これで終わりやぁ!!」
「ほざけぇ! 受け止めてやるよ!」
何度目かの、耳をつんざく衝撃音が響き渡る。
猛虎標弾の加速で炎が猛り、「心」のオーラが一層輝いて見える。
ズシャアァァ!!
「ぐ……クソ……!」
膝をついたのはアマリアだった。
最初に受けた渾身の一撃が、今になって全身に響いてきた。同じ場所に二度刻まれた深い傷から、血がゆっくりと広がり始め地面を赤に染めていく。
「その傷負いながら、俺っちにここまでやれたんは大したもんやで? ほんまにおっ死ぬかと思うたわ。」
レイホンの声は、もうアマリアにはほとんど届いていなかった。
肩で息をするのも辛く、意識が遠のくのを実感する。
「姉さん!!!」
ホシノの叫び。
目の前には、虚ろな表情のアマリアと、レイホンのニヤけた口だけが見えた。
「なんや? 生きとったんか。もうお前の義姉は死ぬんやで。そこでみとき、家族ごっこもこれでお終いや。」
自分を救ってくれた大人。それが、自分たちを害そうとする大人に殺される。
また、自分は何もできない。アビドスにも残れない——。
ホシノの中で、長い間封印しようとしていた感情が、果てしないほどに渦巻いた。
「……るな。」
「ふざけるなぁ!!!」
怒りが爆発した。
ホシノの右腕と愛銃が烈火のように燃え上がる。銃が生き物のように脈動し、怒り狂った瞳がレイホンを射抜く。
「なんや!? もっとおもろくなるかいな!!」
死にかけの長姉より、目の前の少女の覚醒に血が騒いだレイホンは、構えを取った。
——それが、致命的なミスだった。
ガバッ!!
「!?」
「ハハ……妹が頑張ってるなら、姉が寝てる訳には……いかないだろ?」
瀕死のアマリアが、レイホンを羽交い締めにした。
「しぶといやっちゃな! 大人しく死んどき!」
「姉さん!! 離れて!! 攻撃に巻き込まれる!」
レイホンが焦り、ホシノが叫ぶ。
「ホシノ……私が言った事、覚えてるか?」
今にも気絶しそうなのに、アマリアは弱みを見せず、優しい笑みを浮かべた。
「姉……いや、家族っていうのは……他の家族のために犠牲になっても……痛くないものだ。」
その言葉に、ホシノはハッとした。
自分を信じてくれている大人の存在。この期待に応えられなくては、家族とは呼べない。
「……死なないでくださいね。」
「当たり前だ。」
「いいから離さんかい!」
レイホンが暴れるが、アマリアは離さない。
ホシノは深く呼吸を整え、怒りを一点に凝縮した。
「この激情の中で……」
銃がより強く輝く。熱気が周囲の空気を歪める。
「それじゃ、私の役目はここまでだ。耐えてみせろよ? レイホン。」
アマリアは最後の力を振り絞り、羽交い締めを緩めると同時に背中へ蹴りを叩き込んだ。
レイホンはホシノの方へ軽く吹き飛び、膝をつく。
「燃え上がれ!!」
ホシノの銃口から、炎弾が放たれた。
「甘いで! 弾き返して終いや!!」
レイホンが剣で弾こうとしたその瞬間——
バァァァン!!
炎弾が爆発し、周囲に炎を撒き散らしてレイホンを焼き尽くす。
予想外の連続に、レイホンは目を回した。
「なんや……そないことできるやったら……最初からやったらよかったやないか。」
ホシノが再び銃口を向ける。
レイホンは片手を上げ、静止を求めた。
「まぁ待っとくれや。一つだけ聞くわ……この状況で俺っちの命はどうやったら助かるんや?」
「はぁ……今更命乞いですか。一度だけ言います。よく聞いてください。」
ホシノの銃が、さらに激しく燃え上がった。
「一度だけ受けろ。姉さんにやった通り。」
似たようなセリフを天罡星から聞いたことを思い出し、レイホンは笑いながらも顔を歪めた。ただ違う点を指摘するなら——
「そしてもう一つ。無事生き残ったら、姉さんの要求も飲め。」
生き残った後の要求が来るのは予想通りだった。たとえこの一撃を耐え抜けても、アビドス側に一方的な条件を突きつけられる。
だが、自分の命が助かる方法がこれしかないと悟ったレイホンは、静かに頷いた。
「おおきに。一本に火つけるさかい、少し待ってや。」
懐からライターを取り出し、火をつける。深々と煙を吸い込み、ホシノに向かって言った。
「……撃て。」
デジャヴを感じながら、ホシノが構えた瞬間、レイホンは自分に「心」を纏わせた。
「ふぅ、結局こうなるんか……クソ——」
言い終わる前に、炎弾の業火がレイホンを飲み込んだ。
親指カポ llll、トリニティを闊歩していた男は、アビドスで命を散らす。
…はずだった。
「……本当に生き残るとはおもわんかったわ。」
全身に大火傷を負い、皮膚が焼けただれた痛みに顔を歪めながらも、レイホンは目を覚ました。
体はガチガチに拘束され、目の前には応急処置を終えたアマリアが鬼の形相で睨み、ホシノが立っている。
「さて、ユメとその他大勢を病院に運んだり手当てしてやったのはいいが……何か言いたいことはあるか?」
レイホンは観念したように目を逸らした。その態度が癪に障ったのか、アマリアの拳が飛んでくる。
「姉さん、一応このクズとの約束守ってくださいね。私、言質取ったんですから。」
「そりゃ意識失う前に聞いてたからわかるさ。」
アマリアはレイホンに向き直り、笑った。
しかしその目は全く笑っていない。レイホンの背筋に冷たい悪寒が走る。
「さて、お前には私の言う条件を飲んでもらう。拒否権はない。」
内容はシンプルだった。アビドスへのこれ以上の侵略・関与は一切禁止。ただし、必要に応じての協力は必ず対応する。報酬は歩合制。
レイホンは命が助かっただけで御の字だと思っていたが、条件が予想より緩いことに少し困惑した。
「なんや……ちっとばかし甘いんやないか?」
「まぁな。お前みたいな奴でも、殺しちゃいけないからな。まぁでも——」
アマリアは足を大きく振り上げ、レイホンの目の前の地面に思い切り振り下ろした。
ドンッ!という重い音とともに土埃が舞い上がり、大きな窪みができた。
「逆らおうものなら、いつでもお前を踏み潰せるぞ?」
「か、堪忍してや……契約は守るで。」
顔を引き攣らせながら、レイホンは素直に頷いた。
これでアビドス高校への襲撃には、一先ず区切りがついたようだ。
「ユメは大丈夫だろうが。あいつらはどうなるんだろうな。」
「そうですね。リーダー格二人の怪我がかなりひどかったので、どうなるかは分かりません。」
アマリアはあまり気にしていない様子だったが、ホシノは少しだけ——ほんの少しだけ、悲しげな顔をした。
《殺人なんて大犯罪を平気でする人間はここでは生きていくなんてできる訳ないじゃないですか!ここは、あなたの元いた場所とは違うんです!!》
過去に言われた言葉を思い出し、アマリアはただ報復する以外にも、何かが生まれる可能性を再確認した。
(でもなぁ……ホシノ殺すって言ってたよなぁ。まぁまだ10代だし、仕方ないか。)
ホシノの不安定さが、少しだけ不安になった。
——同日、同刻 ゲヘナ学園自治区——
「
背中に鎖を巻きつけた大剣を振り回し、笑いながら人の名を呼ぶ男が一人。
長身の強靭な体躯に仰々しい刺青、白い髪をマッシュにし、黒いサングラスをかけた男。
「ハハ! こいつら変に硬いから、少し暴れても問題ねぇな! 帳簿に書いた仕返しもしっかり出来そうだ!」
今度はゲヘナに蜘蛛の巣の中指長兄、マティアスが風紀委員会相手に暴れていた。
家族ためになら、少し傷ついても痛くないもんだ。なぜいう人が違うだけでこんなに重みが違うんだ。お前に言ってるんだぞマティアス。
指出す度にそこの生徒会の人達の胃が爆散してそう。