中指長姉はキヴォトスに転生する   作:HAL86

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恐らく今作で1番戦力過多な人差し指、他の指で頑張ってバランス取らせます。
射影機リカルドHARDは15ターンでクリアできました。NORMALでリカルド本人だけだと油断してたら、HP50%くらいのタイミングでヴェルナー達が参戦してきてクソ焦りました。卯ファウスト最強!

更新おっそい上に短くてごめん、エミュがむずいんや。そろそろ原作入りたい。



指令

「はぁ……疲れたな。」

 

 薄暗い下水道の奥で、人差し指神託代行者リアンは静かに息を吐いた。

 

 周囲には四人の代行者の死体が、水面に沈みながらゆっくりと流れていく。指令に従い、感情など微塵も持たぬはずだった男。

 

 しかし、指令よって命令され、作った家族死んだ家族と良秀――ヨシヒデを育てる過程で、ほんの僅かながら本物の感情が芽生えてしまった。

 

 指令の延長などではない、純粋な想い。指令の前では逆らえぬ彼ですら、彼女を「娘」と呼ぶときだけは、心のどこかがズキズキと疼いた。

 

 今、再び、都市の指令そのものが重荷に感じられた。単身で南部ツヴァイ協会を半壊させ、都市の星にまで上り詰めた男の心が、ついに決壊した。

 

 端末機〈カドゥケウス〉が、うるさく振動を続けている。都市の意思に従えと、しかし彼はもう盲目ではなかった。

 

 死の間際で、ようやく光の通った目を手に入れたのだ。

 

「ハハ……ハハハハ!」

 

 リアンは乾いた笑いを漏らした。カドゥケウスから姿を現したものを見て、昔、娘と交わした短い会話を思い出す。

 

「娘……どうやらお前は……」

 

 チャキッ、という玩具のような音と共に、彼はそれを自らの側頭部に向けた。

 

「お湯を掛けてくれるのを……忘れたみたいだな。」

 

金属の先端が頭部に深く突き刺さる。

 

——そして、すべてが闇に落ちた。

 

 

ピピピ

 

 電子音が響く。

 

ピピピピ

 

 まるで、気づいてほしいと訴えるように。

 

ピッピッピッピ

 

 今度は、催促するかのように。

 

「……俺は、死ねなかったのか?」

 

 リアンはゆっくりと目を覚ました。傷は完全に消え、まるで何事もなかったかのように体が軽い。薄暗い路地裏のような場所で、彼は上半身を起こした。

 

「まだ、指令が来ている……?」

 

 ポケットから端末機を取り出し、画面を確認する。

 

「人差し指神託代行者リアン。このまま起き、学園都市キヴォトスに散らばる人差し指の伝令・代行者たちと接触し、協力関係を築け。期間は先生が来るまで。」

 

……今までの指令とは、まるで違う。

 

 名前を変え、髪色を変え、家族を作り、見殺しにしろと命じてきたものとは比べ物にならないほど、軽い。穏やかな指令だった。

 

 リアンはカドゥケウスをポケットにしまい、立ち上がった。

 

 周囲の空気は奇妙に柔らかく、遠くから聞こえる喧騒は、どこか無邪気な響きを帯びていた。彼は初めて、淡い――本当に淡い期待を抱いた。

 

(こんな軽い指令が、幾度も続くのなら……俺にも、もう一度、本当の気持ちが宿るのかもしれない)

 

 焼け跡の残る顔に、ほんのわずかな笑みが浮かんだ。

 

 

 

 

-別の場所-

 

 

 

 

「どう言うことだ。」

 

「…死後の世界か?」

 

「えー!死んだ後に世界なんてあるのー?けどけどー、地獄には見えないよー?」

 

 マントを羽織った男2人とデカすぎる義体が1人。そんな3人には、指令の紙片が手元にあった。

 

「エスター、ヒューバート、グローリア代行者へ。ヤン伝令の居場所を突き止め、ヤン伝令を連れて、この学園都市にいる神託代行者と接触し、協力関係を築け。期間は先生が来るまで。」

 

それを見た3人は納得したように頷いた。

 

「神託代行者…どうやら指令は俺たちをここに導いたようだ。」

 

「あぁ、全ては指令の意思の元。」

 

「ヤーーーン!次こそ一緒に指令を遂行するんだからねー!」

 

 代行者3人は、神託代行者とヤンを探すために動き始める。全ては都市の意思に従い、その意思を代行する為に。

 

 

 

 

-またまた別の場所-

 

 

 

 

“僕の意思すら、都市には想定されていたものだったのだろうか”

 

 自問自答、答えは返ってこない。

 

“大事なのは!私たちが何をしようが、結局は都市の一部だってことです。”

 

 飄々とした奴…モイライの言葉はヤンの心を揺さぶった。

 

“そうか…僕の性じゃなかったんだ。”

 

 ヤンの心に赦しのような錯覚を与えた。

 

 平然を装って彼の態度を砕いた。

 

 罪悪感を失わせた。

 

 自らの意思を奪った。

 

 何かもを都市の意思に委ねた。

 

 そして…都市のいいなりにねじれた。

 

 図書館で死んだ。

 

 違う場所にいる。

 

 今、都市にはいない。

 

 ならば、都市でなければ自由意志がある。

 

 ならば、今度こそ自由に。

 

 ならば、彼は羽ばたけるだろう。

 

 翼を授かった人のように。

 

「…ぁ。」

 

 短い声を出して、ヤンは起き上がる。長い眠りから覚めたようにゆっくりと立つ。

 

「…っ。一体何が?僕は…図書館で……」

 

 ねじれたヤンとなり、図書館での朧げな死闘を思い出しながら、この場所について考える。…煙まみれになりながら死んだ気がするが、それはあまり考えないことにした。

 

 ふと下を見ると、見られた紙片が目に入る。

 

「……指令、また…僕はこれに従わないといけないのか?」

 

 何処まで行っても都市からは逃げられないそう感じるたびに、また諦念に似た身勝手な自己擁護の感情が湧き出る。その時、姿が揺らぐ。

 

「はは……何処まで行っても、都市からは…指令からは逃げられないって言うのか?」

 

 揺らぎ大きくなり、精神の殻を突き破りつつある。しかし、ここである考えが頭をよぎる。

 

(ここがもし、僕の知る「都市」じゃなければ…)

 

 それが思い浮かんだとき、揺らぎが少し凪ぐ。一度死んだなら、指令はあれども都市の意思ではないかもしれない。ここには、あの地獄のような光景はないのかもしれない。

 

 そう思った瞬間、少しだけヤンの中で、ヤンだけの意思が目覚める。

 

「僕は…指令の伝令、だけどもう指令には耳を貸さない。」

 

 まだ弱いが、決意はできた。ヤンは紙片の内容すら確認せず、その場を去る。ヤンが去った後、紙片は存在がなかったかのように風に吹かれ飛んでゆく。それは、ヤンと指令の決別を暗示するようだった。

 

-謎の空間-

 

 真っ白な空間に一つの人型の姿が漂う。何かも忘れ去られ、意識すらあるかわからない、ガワだけが残った抜け殻。

 

「◽️◽️◽️◽️◽️◽️◽️」

 

 声すらノイズ音に変換され、何もわからない。何も感じない。何もない。そこに、また1人の姿が現れる。

 

 水色の長髪が光を反射し、真っ白な制服が似合い、髪の分け目から出る片目だけが、概念焼却された◽️◽️を確かに見つめていた。

 

「貴方は、自分を覚えている?」

 

 ◽️◽️は首を振った。何も知らない、分からない。自分という概念すら掴み取れず、空虚な場所にいるだけ。存在すら消された者は記憶すら抹消されていた。

 

「そう。」

 

 たった一言、そう言って恐らく頭と思われる部分に手が置かれる。その時、◽️◽️は目の前が真っ暗になった。

 

「……僕…は?」

 

 薄暗い路地に座り込み、重い瞼を開けた。目には光が入ってきて、思わずまた目を閉じそうになる。

 

「い、一体こ、ここは?」

 

 言葉がつっかかるどもり口調のまま呟く。

 

「僕は、い…一体誰なんでしょうか……」

 

 起き上がったが、一切の記憶が頭から抜け落ちている。そのまま、歩き出そうとした時、突然電子音が鳴る。

 

ピピピピピピ

 

「う、うわぁ!!」

 

 驚いて尻もちをつく。ドテッという音が似合う転び方をし、胸ポケットに入ってあった端末機を取り出す。

 

「人差し指代行者◽️◽️へ。自らの概念を取り戻し、協力関係を築いた人差し指と合流せよ。期間は先生が来るまで。」

 

「こ、これは、な、なんでしょうか?名前のぶ、部分が四角になってますね。」

 

 ◽️◽️は不思議だったが、妙な感覚があった。

 

「と、唐突で意味はわかんないですけど、こ、これに従えば僕は、思い出す気がするんです。」

 

 その目には、まるでこの言葉が自分と一緒の考えをしてくれるのではないかという確信に近い期待を持った。やはり何処まで行っても、◽️◽️は◽️◽️のままだ。

 

 彼女はこのまま進むことができれば、いずれと自分を取り戻すだろう。

 




リカルド
「なんだ。俺たちの家族か。(^_^)」
次ターン
「俺を騙したのか!ヽ(`Д´)ノ」
勝手に勘違いして勝手にキレてるの天然すぎる。

蜘蛛の巣の刀良秀のPV人の心無さすぎてマジ切。(マジで切ない)

ちなみに1
リアンは、一級フィクサーを建物5階から飛び降りて大剣で暗殺したことがある。

ちなみに2
リアンは青い残響の戦いを見たことがある。(リアンの鎌についてのテキストにそう記載がある。)
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