全然関係ないんですけど北斗の拳のサウザーがダンまち世界に行くのを投稿しようとしてたんですよね。知識全く無いのでやめましたが。
「…」
キラがアビドスに来てから、はや二週間が経っていた。
「……」
彼女は今、得体の知れない感情に苛まれていた。
「ん。キラ、勝負しよ。」
「………」
勝負をグイグイ迫ってくるシロコでもなく。
「キラちゃん、やり過ぎたらまたおじさん怒っちゃうからねー?」
ユメ先輩がいない時に妙に性格が柔らかくなるホシノでもなかった。
「うわぁ、なんかますますユメに似てきたなホシノ。」
「姉さんは黙っててください。」
「わお、辛辣。」
「……………」
彼女が今、一番堪えていたこと——
(ここ最近……なんもおもろいことなくね?)
想像を絶するほどの退屈だった。あまりに暇を持て余したので、とりあえず外に出ることにした。その背中に声がかかる。
「おーい、キラ!これ持ってきな。」
アマリアが財布を投げてよこした。中を開けると、約十万円が入っていた。
「ママ、なんのつもり?」
「ママはやめれ。まぁいい、最近暇そうだっただろ?たまには他の学区に行って気分転換してこい。ただし、騒ぎは起こすなよ。ヴァルキューレのカンナに怒られたら面倒だからな。」
「はーい」
適当に返事をして、キラはアビドスを後にした。
-トリニティ総合学園-
「うぉー。お嬢様ばっかの学校って聞いてたけど、ここまであからさまだと流石に呆れるわ
ー。」
キラは周辺を散策しながらぼやいた。周囲はこれまで見てきた薄暗い路地とは真逆の、キラキラしすぎて逆に目が痛くなるような場所だった。正直、あまり好きな雰囲気ではない。
「けど、お菓子とスイーツは美味しい……どれくらい……いや高っ!!!」
夢中で食べ進めていたら会計が六万円を超えていた。学区に来た時点で既に資金の六割を失っていたことに、キラはげんなりした。
「最悪……長姉様にもっと貰えば良かった。 ……ん?」
食べ過ぎた胃をさすりながら、ふと隣の道に目をやる。赤いスーツとハットをした生徒たちが堂々と歩いていた。
「親指……本当にいるんだ。腐っても裏路地の組織だった奴らが、あんな堂々と歩いてるなんてヤバすぎでしょ。」
面倒ごとを避けるため、キラは足早に別の学区へと向かった。
-ゲヘナ学園-
バンッ! バンッ! バンッ!
ダダダダダダダ!!
ドゴォン!!!
「……来る場所ミスった。」
あまりの治安の悪さに、キラは若干——いや、かなり引いた。良い店があると聞いていたが、ここまで壊滅しているとこれ以上踏み込む気にはなれなかった。
「……ここは無理そうだし、ミレニアムに行こ。」
彼女はその場で踵を返した。ゲヘナに一歩も入らずに撤退するなんて、キラ自身も想像すらしていなかった。
-ミレニアム-
「ふぅー!この近未来的な感じ、テンション上がるなぁ!」
かつて聞いたフィクサーの話を思い出しながら、キラはミレニアムの科学技術に素直に感心した。自分の熱線を帯びる剣を撫でながら、様々な展示を見て回る。
「この機械のロボ、最高にかっこいい!うちにもあったらなぁ。」
興奮気味にロボットを見ていたその時、別の光景が目に入った。
「え、えっと、これをこうすれば良いんですね。」
冴えない天然パーマに丸メガネ。どもり気味の声で白いマントのようなものを羽織った少女が、小太りのオートマタの指示に従っていた。
「そうです。覚えが早いですね。」
オートマタに褒められ、少女は「えへへ」と嬉しそうに笑った。
キラはその少女に、妙な違和感を覚えた。
(あの服装……人差し指に似てる。)
違和感を覚えた瞬間、もう少し観察しようと思ったが、別の疑問が頭をよぎる。
(あれ? どうしてウチ、あいつと会ったことがあるような気がするんだろう?)
その時、少女がこちらに気づいた。一瞬の間を置いて、少女が近づいてくる。
「あ、あの。ち、ちょっと良いですか?」
言葉を詰まらせながら話しかけてきた。手には見覚えのある端末機を持っている。
「アンタ、まさか指?」
咄嗟に口をついて出た言葉に、キラ自身がハッとした。しかし少女は首を傾げる。
「ゆ、指なら……しっかりつ、ついてますよ?」
「はぁ?」
あまりに予想外の返事に、キラは呆れた声を上げた。
「はぁ、ウチの早とちりだった。もう行くわ。忙しいし。」
「あ、まっ待って……」
少女の声が背中に届くが、キラはもう振り向かずにその場を離れた。
ビーピピピピッ
端末機が電子音を立てる。画面にはこう表示されていた。
[—CLEAR.]
「え、えへへ。ピピ様のお陰で、ひ、人と話すことができました。」
その笑顔は、先ほど褒められた時など比べ物にならないほど屈託のないものだった。
-アビドス-
「はぁ、結局疲れだけが残った。マジエグい。」
ミレニアムで時間を潰せたのは良かったが、妙に気疲れが残っていた。まるで休むという概念がなくなったかのようだ。
「まだ夕方五時くらいだし、早く帰って寝——」
「ん、キラ待ってた。勝負しよ。」
「……このバトルジャンキーがぁ!」
待ち伏せしていたシロコを軽々と持ち上げ、キラは放り投げた。先にはユメがいて、優しくシロコを受け止める。
「ダメだよシロコちゃん。キラちゃんは疲れてるから、今日は労わってあげて?」
「嫌だ。」
「そこをなん——」
「やだ。」
「ひぃん、最後まで言わせてくれない……」
「漫才はいいから休ませて。ウチマジで疲れてんの。」
深いため息をつきながら、キラは保健室のベッドに倒れ込んだ。天井を見つめ、これまでの出来事をぼんやりと振り返る。
トリニティのスイーツと親指、都市以下だったゲヘナの治安、興奮した発明品たち、そして変なメガネっ子に話しかけられたミレニアム——そして、ここに来る前の「都市」の記憶。
「パパ!ウチこんなこともできるんだよ!」
「ハハハ!流石ウチの娘ちゃんだ!!」
唯一の身内だった頃の記憶。
「娘ちゃん、少し用ができた。出かけてくるぞ。少し寂しいと思うが、我慢してくれな?」
「わかった!そうだパパ、帰りに月刊フィクサー雑誌買ってきて!」
「娘ちゃんの頼みなら断れねぇな!」
優しくしてくれた、父親のような存在。
「パパ!今だよ!」
「………よくやった。娘。」
褒めてもらえるだけで命を投げ出していたあの頃。
待っていたのは——
「…パパ?」
「娘、覚えているか?家族ってのはそのために犠牲になっても痛くねぇもんだ。」
激しい衝撃と痛み、そして裏切られたような苦痛だけだった。
「パパ……何で?」
思い出せば思い出すほど、目頭が熱くなる。溢れそうになる涙を拭うが、止まらない。
一度築いた「家族」という信頼は、そう簡単に断ち切れるものではなかった。特に、子供にとっては。
「ウチは、こんなにいい子にしてたのに。」
愛は、容易に憎悪へと姿を変える。
中指の報復としての理由は、これ以上相応しいものはないのかもしれない。
「家族って、何なの?ウチは…何なの?」
考えれば考えるほど胸が締めつけられ、鼓動が軋むような音を立てる。支えのない環境で味わう精神的苦痛は、想像を絶するほどキラの心を蝕んでいった。
「ずいぶん荒んでるな。やっぱり、この環境に慣れるのは大変だよな。」
「!? 長姉様……」
「堅苦しいなぁ。気軽にお姉ちゃんってお呼び。」
アマリアが静かに声をかけてきた。キラは全く気づかなかったことに内心驚き、慌てて顔を隠した。
「遅い遅い。もうバレてるから隠す必要ないぞ。」
「……嫌だ。こんなダサいウチ、見せたくない。」
心に深い傷があることを察したアマリアは、ベッドの横に椅子を引いて腰を下ろした。
「……少し前、私がまだ都市にいた頃、お前と同じくらいの歳の奴がいた。やたらと私に懐いてくる、可愛い奴だったよ。……まぁ、髪型を気にしすぎるのが玉に瑕だったけどな。」
キラの背中を布団越しに優しく撫でながら、アマリアはゆっくりと話を続けた。
「お前に何があったのかは分からない。それに、お前の言う『パパ』と同じ存在というわけじゃないが……少なくともここにいる限り、お前は私たちの仲間であり、同時に『家族』だ。」
「……うん。」
素っ気ない返事だった。しかし、震える体が手のひらを通じて伝わってくる。
「無理しなくていい。弱音なんて、いくらでも吐いていいんだ。それはダサいことでも、恥ずかしいことでもない。」
「……ん。……うん。」
今度は声が震えていた。抑えていた感情が、限界を迎えようとしている。
「だから、ゆっくり休んで。私を頼れ。お前は私のかけがえのない妹だから。」
「………」
それ以降、キラは何も答えなかった。
聞こえてくるのは、嗚咽を堪えるような息遣いと、鼻を啜る小さな音。そして、規則的に続く、背中を優しく撫でる音だけだった。
しんみりしたお話は書くの苦手です。むずい。
原作開始時の先生は?
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良秀、お前が1人で先生になるんだよ!
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良秀と男先生
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良秀と女先生