中指長姉はキヴォトスに転生する   作:HAL86

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あまりにも都市要素の要望が多かったので、ここで都市要素を一つ。日間ランキング18位に乗っててマジでびっくりした。マジで感謝しています。誤字報告もありがとうございます!


お前撃たれたい?しこたま?

アマリアはいつもの服装になった後、恰幅の良い義体と教官義体が話していた内容を元にアマリアはゲヘナに存在する廃墟に来ていた。

 

「さぁて、偶々盗み聞きしていた廃墟にこのいかにもな地下階段に通路。何もないって方がおかしいよねぇ。」

 

何食わぬ顔で、入り込んでいくとそこは赤い光に包まれた工場のような場所だった。無駄な通路はなく一直線に道が続いており、どうしてこんなズボラな場所を秘密基地のようにしたのかとアマリアは疑問に思った。

 

「…!と、あぶな…」

 

よく見ると、機関銃を持った2体の義体が見張りのように扉の前に佇んでいる。太いパイプのおかげで見つかっていないが、どうもあそこの扉にターゲットが居そうな雰囲気がする。

 

「義体ならギリセーフだよね。…殺すか。」

 

アマリアは隠れるのをやめ、自身を見張りの前に曝け出す。当然そんな意味のわからない者を見れば当然警戒する。

 

「誰だ貴様は!ここは部外者の立ち入って良い場所ではない。すぐに立ち去れ!」

 

そうして2人の義体はこちらに銃を向けてくる。対して、アマリアはいつも羽織っている服を脱ぎ捨て、サラシに手を掛け相手に身体を見せつける。

 

「ねぇお兄さん方…私、今すっごくそう言う気分なの…お兄さん方が良かったら…相手、してくれない?」

 

所謂、色仕掛けである。アマリアは長身かつ全身刺青ととんでもない風貌だが、顔立ちは整っており、華奢であるため妖艶な空気を醸し出す。

 

「な、何を言い出すんだこいつは…だが、悪くねぇ。」

 

「あ、あぁ俺もそう思うよ。」

 

馬鹿2人がまんまと釣られ早くも1人がアマリアの腰に手をまわす。

 

「俺の1発は強烈だぜ?あんたは何発耐えれるかな?」

 

「あら、逞しい義体じゃない。そして何より…義体なのに一丁前に性欲があるのがもっと面白いわ。」

 

バギィン!!

 

アマリアは義体の頭部を掴むとそのまま義体の首を力任せに捩じ切った。もう1人の義体は何が起こったかわからず、とても混乱していた。

 

「え…は?」

 

「全く、ボーっとしてちゃダメじゃない」

 

接近した後そう耳元で囁いた後、首をまた捩じ切った。人を殺す訳じゃないからこれはセーフだ。そんなことを考えながら、服装を元に戻し扉の前に立ち勢いよく蹴破る。

 

「Open the Sesame!!正義の長姉様が悪党をとっ捕まえに来たぜ!!バン!バン! 」

 

シーン…自分の虚しい言葉だけが木霊する。

 

「いや誰もいないんかい!!」

 

1人で盛大なノリツッコミをしながら歩いていくと奇妙な物が見えてくる。

 

ン?ナニコレ?(ゴロリ風)…コンテナ?」

 

色とりどりで、形は様々、ついでにツヤツヤしているコンテナボックス。不思議そうにみていると軽快な音楽と共にそれが起動した。

 

「…嫌な予感がする。」

 

軽快な音楽がなり終わると扉が開き、そこにはコンテナボックスのような色とりどりで不気味な機械人形達が銃を持って出て、機械的な声で奇怪に話し始めた。

 

「あ。あ。」

 

「うれしい!!」

 

「あ〜。たのしい!!」

 

「ザ•ゲーム•オブ•デス!!」

 

「ちくわだいみょうじん!!」

 

アマリアがあまりにも突拍子の無さに困惑していると、どこかに設置されているスピーカーから声が流れ始めた。

 

「やぁ、君は昨日から我が社の労働者になった方かな?ここには、ヴァルキューレの犬どもを誘き寄せるはずだったんだが…」

 

誘き寄せる。つまり、私は誘われたらしい。私が盗み聞いた話は元々ヴァルキューレ警察…カンナちゃん達にわざと流すつもりだったんだろう。

 

「こんな意味不明な物作ってこんなことして、一体何しようってのさ。」

 

「貴様程度の凡人には理解できまい。この機械を使えば、いくらでも強化人間を作ることが可能だ。これを使って、私はこのキヴォトスで覇権を握ってやるのさ!」

 

何とも馬鹿馬鹿しい話だ。さっさとぶっ壊して…待て…今こいつ、強化人間って言ったか?

 

「…まさか、この機械は元々人間か?」

 

質問に答える前に帰ってきたのは醜悪な笑い声のみ。そして、義体は真実を語り始める。

 

「ああそうさ、確かヘルメット団?とか言う不良集団だったか?そいつらに少し良い条件をつけて契約させた結果がこの通りだ。」

 

「……」

 

「楽を求めて自我を失くし、尊厳をなくし、挙げ句の果てに私の道具として壊れるまで扱われ、最終的にはスクラップ。これほど完璧で無駄のない計画且つ社会のゴミどもを有効活用できる立派な…「黙れ…」…あ?」

 

「黙れ…と言ったんだ。」

 

ヘルメット団…アビドス高校を襲撃した奴らと同じだ。しかし、勢力は学園ごとに異なるらしいから、必ずしもあいつらってことじゃない。ただ…

 

「お前のような性根に蛆が沸いているゴミ野郎は虫唾がはしる。だから、もう喋るな。」

 

こちらの声色に押されたのか、クソ義体が押し黙る。しかし、義体は奇妙な機械に命令を下す。

 

「おい、お前ら!そこの女を始末しろ!!」

 

そう言い残して、スピーカーは切れてしまった。

 

「ス!!!!ス!!!!コロ!!!ス!!!」

 

機械達は殺意を込めて弾丸の雨をアマリアに浴びせる。しかし、中指長姉にその掃射はあまりにお粗末、当たるはずがない。

 

「悪いけど、そんな状態じゃ助けられない。せめて、一撃で眠らせてあげる。」

 

ガシャン!!

 

シンプルな上段突きで機械の頭を粉砕する。壊れた音こそ機械のそれだが、手についたのは僅かにオイルの混ざった人の血だった。

 

「チッ…外道が。」

 

自分も言えたことじゃないと理解しつつも、アマリアはあの義体への怒りを抑え切れない。今にでも爆発してしまいそうだ。

 

「何故だ…何故私はここまで苛立ちを覚えているんだ?前はこんなことなかったのに…」

 

この世界に来てから妙に感情が昂りやすくなってしまっている。感情の制御が出来なくなれば冷静な判断を欠く。それはこの世界では致命的な弱点になり得る。それだけはどんな者であろうと許されない。そう自分に言い聞かせ、アマリアは残った機械全員を掃討した。

 

「あ……あ…」

 

ふと、自分の足元に転がった機械に目を向ける。顔が変な機械になっておらず、元の顔に金属片が張り付いているような改造だ。とても不良とは思えない綺麗な顔立ちをしている。

 

「あ…会い……た…みん…な……と…また…い…しょに…暮…si…t」

 

シュー……

 

「……」

 

その言葉を残し、煙を出して動かなくなった。…ここは都市よりは平和な場所なのは間違いない。ただ、この世界の闇の部分は都市と同程度のドス黒さを孕んでいるかも知れない。

 

「…すぐにカンナちゃん達が来るだろうね。後はあの子達に任せればいい。」

 

コツ…

 

口には出しているが、さらに奥へと進む。この先にクソ義体がいるのはほぼ確定している。あんな性悪は少しだけ離れた場所から、一方的に蹂躙を見るのを好むから。…だが、行ってはいけない。これ以上何かをすれば何かがおかしくなる。

 

コツ…

 

それなのに、足が止まらない。何で?

 

-キヴォトスに来る前-

 

『お前は他人に優しいんじゃない。他人に自分が良い人間であるって見せたいだけだ。』

 

『…は?』

 

『お前が中指を抜けた奴を見逃してる行為…まぁ私はどうでも良いと思ってるが、その行動に何の意味がある?』

 

『それは…新しい道を』

 

『新しい道?は!随分出来すぎた話じゃないか!?中指を抜けて真っ当な生活?そんな事できるわけないじゃないか。』

 

…黙れ

 

『良い加減現実を見ろ。こんなことしても何の意味もない。同じ長姉として言わせてもらうが…』

 

…黙れ

 

『お前のその醜い偽善と虚栄心は私にはただ、滑稽に映ってるぞ?アマリア?』

 

「黙れぇ!!!」

 

気づいたら、最奥の部屋にて鉄の扉を蹴破っていた。

 

「な!何故だ!?あの機械達をどうやって突破した。」

 

アマリアを見た男は恐怖のあまり腰を抜かしながら後ずさる。

 

「貴様がそこまでする理由は何だ!?」

 

「答える必要はない。」

 

場が凍るほどの冷血な声、義体の男が今からどうなるかは想像に容易い。そして、ここで外道らしい常套句を言い出す。

 

「か…金ならいくらでも出す。だから…命だけは…」

 

ガシャン!!

 

「は…?え?ギィ!ギィヤァァァァァァァ!!」

 

男の機械の腕がちぎれ飛んだ。どうやら義体のくせに人間と共通の感覚は性欲と同様にあるらしい。

 

「今、私は気が立っているんだ…少しくらい壊しても…構わないよね?」

 

——————

 

カンナ達ヴァルキューレの面々はある廃墟の地下階段の前にいた。

 

「もう少しで突入するぞ。」

 

コツ…

 

地下から何者かが上がってくる足音が聞こえる。その刹那、全ヴァルキューレ生徒は直ぐに臨戦体制に移る。

 

スッ…(物陰に隠れて待機しろ)

 

そう手でジェスチャーをし、全員で制圧するように合図する。しかし、そこに現れたのは四肢がなくなっていた指名手配を引きづりながら出てきたアマリアであった。

 

「あ、あなたはさっきの…」

 

アマリアはギロッとカンナを睨みつける。その形相にカンナは圧倒されてしまった。まるで、自分を今からでも滅殺せんとする、殺戮者の目。その雰囲気が感じ取られたと気づいたのか、アマリアは殺意を無理矢理抑え込む。

 

「おっと、ごめんね。カンナちゃん…少し怖がらせちゃったかな?」

 

「…え?」

 

カンナはようやく自分が膝をついていることに気づいた。そんなことにも気づかないほどアマリアという異質な存在に改めて恐怖を覚えた。

 

「こいつ、指名手配犯だったよね。道中通路が崩れてこんなんになっちゃったけど…報酬ってもらえるかな?」

 

「…えぇ、大丈夫、です。」

 

見え見えな嘘だ。なんて指摘できない。指摘した瞬間に何をされるかわかったものじゃない。

 

「そう。ならよかった。こいつここに置いていくね。」

 

そうして、それ地面にストンと落とすと、アマリアはゆっくり歩き始めた。カンナは部下に捕縛するよう指示し、アマリアの背中を追いかけた。

 

「あ、あの!」

 

アマリアは不思議そうに振り返る。

 

「カンナちゃん…どうしたの?」

 

言って良いのかわからない。けど、聞かなければならない。

 

「何か…嫌なことでもありましたか?」

 

そう聞くと、アマリアはクスッと笑いながら、話した。

 

「そうだよ〜。あいつ捕まえるの大変だったんだからぁ。いやぁ疲れた疲れた。まぁ、大丈夫だよ。心配してくれてありがとうね。」

 

…嘘だ。そんなこと貴方は歯牙にもかけない。何か別の理由がある。ただどうして…どうして…

 

あなたはそんなに…苦しそうで、悲しい顔をしているのですか…?

 

———

 

「カンナちゃんにまで勘付かれるなんて…私、少し緩んじゃってるのかな。」

 

『良い加減現実を見ろ』

 

私の行いは偽善なんかじゃない。

 

『醜い虚栄心だな。』

 

私は他人に良く見せようだなんてしていない。

 

『滑稽に映って見えるぞ。』

 

勝手に言ってろ…私はお前みたいに無慈悲なんかじゃない。お前とは違うんだよ…ターニャ。





ワルプルギスの結果は魔法少女ドンキ4体被り。憎しみちゃんアナウンス2回、天井でロージャを選びました。ドンキちゃん来すぎぃ…お陰でドンキちゃんのカケラだけ300超えてるんよ。ちなみに、奥歯事務所のアナウンスも出た。ティファレトを寄越せよ!!
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