トリニティ水着が来て、色欲完全共鳴した。
過去の憂鬱な記憶を思い出し、鬱蒼とした気分で歩いていると、いつの間にかアビドス高校の前まで歩いていた。もう陽が落ちており、ユメとホシノはいなかった。
「はぁ…この気分で1人ってのはなかなか辛いものだね。」
クソデカため息を吐きながら、現在の自分の行動に対しても苛立ちを覚えた。そんな事をしていると、遠くにかなり大きな砂嵐が見えた。
「ここ最近多いな。全身砂だらけになるから勘弁してほしい。」
砂を被るのは嫌なので校舎の影に入ることにした。ついでに今日は高校に入れないので外で寝ることにした。砂漠地帯の夜は寒く、普通に死にそうだった。
-翌日-
「んー。ふわぁ、よく寝たよく寝た。さてと、起きよう。」
学校の影から出ると砂嵐は止んでいて、太陽が昇っているのが見える。これだけ見ればとても平和な日常なのに…とアマリアは感じた。
「あっアマリアさん!おかえり!」
門の方を見ると、ユメが手を振りながら元気よく走って抱きついてくる。…ふむ、良い弾力だ。
「ただいまユメ。結構金は稼げたと思うよ。何てったって、指名手配犯を捕まえたからね。」
「えー!!凄いじゃないですか!これなら私たちの借金も返せるかもしれませんよぉ!!」
ユメが兎のようにぴょんぴょんと跳ねながら喜ぶ。その度に大きなメロンが…おっと、どうやらホシノが来たようだ。
「あっ帰ってたんですか。お帰りなさい。」
相変わらずの素っ気ない返事だが、別に嫌われてないのなら良い。ユメは少し懐きすぎじゃないかな?
「アマリアさん、さっきから気になってましたけど、顔色変ですよ?」
しまった、顔に出てたか…いやどんだけ引きずってんだよ私。
「あぁ悪い、少し疲れててね。保健室で少し寝させてもらうよ。」
そう言って、私は保健室に向かいもう少しだけ寝た。
-昼-
「ユメ、ホシノ、私少し出かけるわ。」
「どこにいくんですか?」
ホシノが尋ねてくる。
「大人にはね、秘密の時間ってものがあるのさ!だから、子供は学校でお勉強してなさい!」
「大丈夫だよホシノちゃん!アマリアさんが問題起こさないってのはこの前で証明されたでしょ?」
ホシノは少し訝しんだが、納得したように教室に戻って行った。そうすると、ユメが変な鉄の塊を渡してきた。
「この前ゲヘナに行く時に私忘れちゃったですけど、このスマホをアマリアさんにあげます。」
この鉄の塊はスマホと言うらしい。都市ではこんなもの見なかったので、使い方が全くわからなかった。
「えっと、どうやって使うのこれ?」
「え?使い方知らないんですか?」
とりあえずモモトークとか言ういつでも連絡が取れるものを入れてもらった。こんな物でいつでも連絡が取れるなんて、これが都市で出回ったら、みんな喉から手が出るほど欲しがるだろうな。
-長姉移動中-
ユメ達に見送られた後、私はアビドス近辺のブラックマーケットに来ていた。この場所の空気は都市のそれに近い、まぁ殺しが御法度のこの世界じゃ数段甘いけど。
「さてと、どこから回ろうかな。」
まぁ別に用なんてなく、単純に気分転換である。少しでも気が晴れれば良いなぁ程度、そしてこの世界についてもう少し知っておきたいという純粋な好奇心もあった。
「おい、てめぇ!」
そんなこと考えてると、やっぱり不良が絡んできた。
「お、おいやめろって!そいつに手を出すんじゃね!」
私に絡んできた奴の仲間が慌てて静止する。そして、私に絡んできた奴の仲間がまじまじとこっちを見つめてきて、その顔はみるみる青ざめていった。
「こ、こいつ…!【アビドスの長姉】だ!に、逃げろぉ!」
そして、不良達は脱兎の如く逃げ出して行った。…長姉か、まさかこっちでも呼ばれることになるとは思わなかったな。とりあえず、邪魔は入らなそうだし、探検を再開するか。
「ん?」
私の目に留まったのは、異様な雰囲気を放つ古びた店。私はいつの間にかその店に足を運んでいた。
「おや、お客さん?珍しいね〜。」
中には、ユメ達と同じくらいの子供がレジの前に座っていた。見たところ、銃や弾丸、武器などが売ってあるようだ。この世界に銃以外の武器があることは驚いた。見る限り、剣やレイピア、青龍刀などもある。
「凄いでしょう?これ全部、珍しいところから取り寄せてる優れものばかりなんです。」
「へぇ、見事な物だね。なんかおすすめの武器とかある?」
その質問に、子供は笑みを浮かべる。…気味が悪いと思ってしまうくらいその顔は歪んでいるように一瞬見えてしまった。
「そうだねぇ、お客さんは武器とか使わなそうだけど…強いていうなら、こんなのはどうかな?」
そして、目の前に出されたのは2丁のリボルバーと1丁のショットガン、そして、それらの印象を全てかき消す印象を与える銀色の弾丸。
「全く…最近は厄日続きだよ」
この武器の形状とこの弾丸、忘れるはずがない。私がこの世界に来た理由、私を葬った黒い沈黙が使っていた工房の最高級品だ。
「ヒヒ、気に入っていただけましたか?そうです。貴方のご存知の通り、あの有名な工房ロジックアトリエ製の銃と弾丸です。」
「一つ、答えてほしいんだけど…これ、いや…この都市の武器達をどうやって、そしてどうしてここにこんなにも存在している?」
相変わらず、目の前の少女は薄気味悪い笑みを崩さない。こいつはこのキヴォトスの住人より、都市の住人に近い目をしている。わかりやすく言えば、人を話術で傀儡にしたり、人を煽動する支配者のようなタイプの人間のように見える。少女の目は確かな狂気を宿してはいるが、その目はどこか、別の感情に覆われているようにも見える。
「まぁ、私たちに危害が及んでない以上はこちらから手を出す必要はない。邪魔したな。」
「少し耳よりの情報がありますが、聞きますか?」
店を後にしようとした時、少女が私の服を掴んで言った。
「ちなみに、どんな内容だ。」
「アビドス…貴方の今いるここにちょっかいをかけている人達がいるようなのでね。貴方に助言と忠告を。」
そうして、今までの気味の悪さは嘘であるかのように真剣な顔でこちらを見ている。どうやらかなり重要な話のようだ。
「この世界には、真理を探究する人々がいましてね。そいつらが今、このアビドスの特定の人間を狙っているらしいんです。狙われているのは…小鳥遊ホシノ。」
「!?…なるほどねぇ。とんでもなく価値のある情報じゃあないか。」
ホシノに手を出そうとしている奴等がいる。分かってしまえばあとは簡単だ。そいつを全力で叩き潰す。それだけだ。
「まだ情報はありますよ?聞きます?」
「もちろんだ。全て教えてもら「ス…」…なんだこの手は?」
少女はニコニコしながら私に手を差し出してきた。
「情報は高いんですよ?少しくらい情報に見合う物をくれても良いんじゃないですか?」
「全く、呆れたな。すまんが今は金以外持ち合わせがない。」
少女は少しムッと頬を膨らませ、考えるような仕草を取る。そして何か思いついたのか、私に対して人差し指を立てた。
「私の言うことをなんでも一つ聞いてもらうってのはどうですか?もちろん貴方のできる範囲で。」
正直怪しさ満点だし、絶対したくない契約だが、家族に危機が迫っているなら、背に腹はかえられない。
「わかった。受け入れよう。」
そうすると満足したような顔をして流暢に喋り出した。
「2つ情報を教えましょう。まず1つ目、小鳥遊ホシノを狙っている奴らは貴方にも接触を図っています。十分に警戒して下さい。2つ目、これが重要です。そいつらは特異点を所有している可能性がある。」
「…冗談だろ?」
特異点、それは私のいた都市内のA〜Z社が保有・管理する超常的かつ極度に発達した技術体系のことだ。これらは常識を超えた現象を引き起こす力を持ち、例えばT社は時間の巻き戻したり、加速させる。K社は脳さえ無事ならたちまち再生させることができる、W社の空間のねじ曲げたり、一瞬でワープが可能になる技術。特異点は都市の権力構造や経済にも深く関わり、その争奪や応用を巡って激しい競争が繰り広げられている。
「…そいつらがその技術を悪用する可能性は?」
「もちろん高い。だからこうして忠告している。」
そう言うと、踵を返したかのようにまた態度を変える。
「はいはい。もう情報提供はお終い!冷やかしなら帰ってー。」
なんだこいつ。急に元の気味の悪い顔に戻りやがって…と内心イラっとした。
-その後-
店を後にした私は、薄暗い裏路地へと足を踏み入れた。さっきの少女が言っていた接触を図る者がどうやら私を尾行しているらしい。
「バレてるよ。ささっと出てきな。」
そうすると、姿を表したのは全身黒スーツの男。しかし、顔はかろうじて人の頭の形をした黒い煙に白い亀裂が入っている異常な奴だった。白い亀裂は目のようにも見える。
「クックック…いやぁ驚きました。まさか気づかれていましたとは。」
ねじれのように見えるが、そうではない可能性も十分あり得る。
「白々しい真似はいい。さっさと要件を言え。」
黒い男は人差し指を口元のような場所に添えて少しだけ笑う。全身の黒いスーツは死ぬ前に闘ったあいつがよぎるからあまり印象良くは無い。
「えぇ、私の要望はただ一つ。彼女…小鳥遊ホシノを渡していただけませんか?」
「断る。何処の馬の骨ともわからない存在に、家族を預けるわけにはいかないな。」
「馬の骨、ですか。クックック…失礼ですがそれは貴方も同じことでは無いですか?」
「あぁ?お前と違ってこっちは信頼関係ってものを築いているし、あっちもそれはわかっている。お前の勝手な解釈で一緒にしてもらいたくは無いな。」
事実を適当な言葉に否定されたことにアマリアの額に若干青筋が浮き出る。その異様な気配を感じ取った黒い男は、これ以上の口撃を止める。
「失礼、言葉が過ぎましたね。クックック…」
この男が何を考えているかわからない。思考を悟ることすらできない極めて異質な人間(?)まるで都市の「頭」のようだ。
「まぁ、貴方とはいずれまた会うことになるでしょう。その時はこんな無粋な場ではなく、有意義な場で、実に実りのある話をしましょう。
「!?お前…何者だ!!」
黒い男のいる場所に拳を振るうが、それは虚しく空をきる。しかし、黒いモヤが残っておりそこから声が聞こえてきた。
「貴方の元いた世界の方々も何人かこのキヴォトスに降り立っています。それに人間では無い者も、クックック、それにあの人智を超えた生物…とても興味が惹かれますねぇ。」
そう言い残し、黒いモヤも完全に消えたとき男の声も完全に消えた。
「…とりあえず、ユメとホシノを交えた話し合いが必要だね。」
そう言い残し、中指長姉はその裏路地を後にして帰路についた。
リアルが少しバタバタしてて投稿が遅れた。申し訳ない。文が少し変かもしれない。