NEXT AGE   作:やげん軟骨

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第10話 個性把握テスト

 

(斬鉄)先生、入学式などはやらないんですか!?」

 

グラウンドに集まった生徒たちからはザワザワと戸惑う声が上がる。

そんな中、斬鉄からの質問が上がった。

 

(緑谷)んー…パスで!」

 

「「「(1-A)…へ?」」」

 

(緑谷)雄英は"自由"が校風。それは先生側もまた然り。それに、個性見せ合った方がみんなも早く仲良くなれるでしょ?」

 

そう言ってニコニコしながらポケットからボールを取り出した。

 

(緑谷)じゃあ、デモンストレーションを……島乃くん!個性使って思いっきり、コレ投げてみて。円から出なきゃ何しても良いから」

 

(活真)_うわっ、わっ」

 

ポイっと突然投げられたボールを島乃と呼ばれた栗色の癖毛の少年が受け取る。

 

(_思い切り……)

 

緑谷の方を見ると、ものすごくキラキラした目で凝視してきている。

興味津々といった様子だ。

 

ボールに意識を集中する。

すると島乃の腕が突然キラキラと光りだした。

 

(玉城)うぉ!?」

(永禮)光ってる?」

 

そして、ステップを踏み、トップからリリース。

 

(活真)行ッけェェッ!!」

 

腕の振りによって飛ばされたボールは今まで見たことのない距離にまで飛んでいく。

緑谷の手元にある機械に出された数字は、205m。

 

(玉城)す、すッげェ!」

(来栖)にひゃくゥ!?」

(天駆)さすがヒーロー科、"個性"思いっきり使えるんだ!」

(森林)これスゲー面白そうッス!」

 

(緑谷)なるほど…『細胞活性』はあの時もちょっとしたドーピングのような効果はあったけど、しっかり訓練して出力が上がったことで増強系といっても良いくらいのパワーが出せるようになったんだ…!…自分で体力と怪我を回復しながら増強できる個性か…今は腕だけにしか使ってないから、フルカウルみたいに全身に使えば…」

 

「「「……み、緑谷先生…?」」」

 

クラスメイトは唖然として緑谷を見つめている。

ハッと気づいた緑谷は恥ずかしがりながらコホンと一息ついてからパン!と手を叩いて他の話している生徒たちの視線を自分に向けさせる。

 

(緑谷)ま、まぁ、こんな感じで個性を思い切り使って自分が今どこまでやれるかを図るテストだよ。まあ、あくまで目安だし、こういうのに向かない個性の人もいるからあくまで参考程度だけど…レクリエーションだと思ってやってみて!但し…くれぐれも"全力"で、ね!」

 

「「「はい!!」」」

 

 

 

そして、はじまる。

 

(洸汰)おおっ、3秒台出た!」

(来栖)早いなあ」

 

早速、飯田がとんでもない記録を弾き出す。

彼の両足裏にある個性"ジェットエンジン"は正にうってつけだった。

走るのではなく空を飛ぶ使い方。

続く者たちも、それぞれに個性を活用して好記録を出していく。

 

(永禮)面白そうだけど、体力テストだと私の個性使える場面少ないんだよなぁ」

 

(総護)得意なところで点稼ぐしかないよな。頑張ろう」

 

永禮と総護はスタートラインに並ぶ。

 

『レディ……ゴー!』

 

機械音声の合図と同時に総護の身体が空間に吸い込まれ、ゴールラインの目の前に姿を現す。

 

『0秒84』

 

(総護)くそぉ反応時間かぁ…」

 

(魂城)おおっ、スゲー!4秒台だ!!」

(天駆)マジ!?負けた〜!!」

 

50m走、第1位。

 

 

握力系の設置されているところへ島乃と話しながら移動していると、2人へ後ろから声がかかる。

 

(久世)何話してんのー!?」

 

ぼさっとした薄水色の髪をした男子生徒が2人の間から顔を出した。

 

(久世)僕、久世界画!よろしくー!」

 

(総護)お、おお、よろしく」

 

(活真)よろしくね〜」

 

(久世)そんでさ、なんの話ししてたの?」

 

(総護)あぁ、個性の話だよ」

 

(久世)へぇ!じゃあ僕の個性と見ててよ!結構すごいと思うんだァ!」

 

そう言って握力系の方に行くと、指を筆のように空中を走らせる。

するとその場に大きな両手が現れた。

 

「題して…《マスターハンド》と《クレイジーバンド》だ!」

 

二つの握力計を同時に握るそれぞれの巨大な手。

結果は右手が1105kg、左手は1093kgだった。

 

(久世)んークレイジーバンドのバランス悪かったかなぁ…」

 

両方同じ記録じゃなかったのが納得いかない様子で戻ってきた。

 

(久世)まあ、良いや!なかなか良い作品描けたし!じゃあね!」

 

総護と島乃の手を左右の手で掴んでブンブンと振り、じゃあっと言って次の計測上へ向かった。

 

(総護)なんというか…嵐みたいだったな」

 

(活真)そうだね…」

 

(鎖々木)アレ、そもそも握力でいいのか?」

 

(活真)えと…あはは…」

 

 

続いて、立ち幅跳び。

出席番号1番の天駆の跳躍は見られなかったが、空中に浮かぶ個性のため測定不能だったらしい。

 

洸汰は手から噴射する水の威力で距離を伸ばして20m。

 

久世は巨大な鳥を描いてそれに騎乗することで測定不能。

 

島乃は脚部を活性化して15mという好記録を打ち出す。

 

(永禮)よし、これなら私も頑張れる!」

 

そう言い残してジャンプラインに立つ永禮は腕を滑らかに動かす。

すると、周囲の空気が"流れ"、風を起こす。

それに吹き上げられるように永禮の身体は宙へと浮かび、風の流れを操って前方へと加速した。

 

記録されたのは本日3回目の測定不能。

満足気な表情で待機場所へと戻ってきた。

 

その後も測定は続いた。

基本的に増強系の島乃はいい記録を出し続けた。

総護は立ち幅跳びでは空中に固定した木の幹や石柱を駆け抜けていくことで測定不能を叩き出した。

彼らが向かうのは次の種目のソフトボール投げ。

自分は終わっているものの、これが終わらないと次の種目が始まらないので見学だ。

そして、最後の久世。

描いて実体化させた雲にボールを乗せてフワフワと浮かせる。

最終的に出た記録は、本日n度目の測定不能だ。

 

(永禮)わァ…雲みたい……」

 

(来栖)また測定不能出たな。むぅ…僕の個性、あんまこういうのに応用きかないしなぁ」

 

(照元)"スライム"だっけ?物理攻撃効かないのは強いじゃん。それに記録も目安って言ってたよ?」

 

(来栖)まあそーだけどさ〜」

 

雑談しながら移動し、残りの種目を行う。

そして個性把握テストは終了した。

 

 

着替えを済ませ、照元、鎖々木と共に校門に向かっていると、永禮と同じクラスの男子生徒2人がいた。1人はツノの生えた帽子、もう1人は島乃だった。

そういえば、どちらも赤い靴を履いている。

何やら親しそうに話している。

 

(活真)あ!御門くん!照元くんに鎖々木くんも!」

 

(鎖々木)何話してたんだ?なんか楽しげな雰囲気だったけど」

 

(永禮)昔の話だよ。島乃くんと出水くんはデク先生に助けられたことがあったんだって」

 

(総護)え、まじか。もしかしてその2人の似てる赤いシューズってデク先生インスパイア?」

 

(洸汰)あぁ」(活真)うん!」

 

(照元)それで教室入る前から仲良かったんだ」

 

(洸汰)デク兄ちゃ_デク先生は俺の恩人で、目標だ」

 

(活真)僕も、あんなかっこいいヒーローになりたい」

 

(鎖々木)…今は休業中らしいな。なんなら存在自体が伝説みたいになってる人だし」

 

(洸汰)教室入ってきた時びっくりしたよな!」

(活真)ね!」

 

6人は話しながらキャリーバックを引いて寮に向かった。

 

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