フィールドの端と端の入り口に両チームがスタンバイした。
ーCチーム視点ー
「確認しましょう。相手はどちらも近接系。島乃さんは個性で身体能力を強化と回復ができる。来栖さんは物理攻撃が効かない…と」
自己強化と自己治癒能力がある島乃、そして単純な攻撃では攻略不可能な来栖に対し、頭を悩ませる2人。
「来栖君が厄介ですね…」
「無力化するってのが最適解だと思うんだけど…弱点が何なのかだよな。水が弱点なら話は早いけど、飲み込まれて終わりな気もするし。相手を封じ込める方法ある?」
「…『保存』で包んでしまえばなんとか出来るかも….?」
「じゃあ来栖は任せた。俺は島乃につく」
ーDチーム視点ー
「島乃!作戦どーする!?」
「そーだな…来栖くんの弱点ってなに?」
「え、ここで考えるのは相手のじゃないのか?」
「いやお互いの弱みは知っといたほうがいいと思うんだよね。対策も練れるし…」
「なるほど…強いていうと冷気かな?粘度が低くなって動きが鈍る」
「水はどう?」
「弾くから問題ないよ。いざとなれば飲み込むし。ダメなら風呂入れないしな」
「(そこなんだ…)そしたら、きっと君はどっちもいける筈だ。そしたら作戦として……」
「おう!任せとけ!」
『準備はいい?』
「「はい!」」「「おう!」」
開始の合図が鳴る。
と同時に、市街地の道路を覆う濁流が2人を襲った。
_ズドドッ
「うぉッ!」
出水の先制攻撃。
島乃と来栖はそれをかわす。
だが、狙い通りに分断し、一対一に。
「っく!」
「やろっか」
「喰らい尽くしてやらァ!」
路地に誘い込まれた来栖は身体を大きく広げるて水を飲み込む。
「ンゴボボボボ」
やはり水も物理攻撃は効かないようだ。
濁流に流された瓦礫も一緒に呑み込んでいく。
「_捕まえた…!」
路地に流れ込んでくる濁流を飲み込み切り、いつものサイズに戻った瞬間、屋内を伝って隠密行動をしていた堤が上から奇襲。
個性『保存』による半透明の膜で来栖の身体は覆われた。
「来栖さんが喰らえる部位は"内側"ですよね?外側は飯田さんがプルプルだって言ってましたから…!」
『保存』は内部の時間を停止させる。
その為、覆ってさえしまえば無力化できるのだ。
これにて来栖は脱落__
「……って思うじゃん?」
「_!!」
背後に何かぶつかった感覚。
振り返るとそこには小さいスライムが。
「_確保♪」
「君は掌から水を出す個性だったよね…!接近戦ならこちらに分がある!」
「近づかせなきゃいいだけだろ!」
活真は走って距離を詰める。
洸汰は大量の水を出して洪水のようにして走りにくくする。
(動きにく…ッ!?)_バシャッ!
「近接ッ!?」
「何もこっちから近づかないなんて言ってないだろ!」
不意を突かれた活真は体制を崩す。
それに付け込んでさらに攻め込む洸汰。
だが、すぐに体制を立て直し、運動能力の差で巻き返していく活真。
戦いは乱打戦になった。
スピードはドーピングができる活真に分がある。
だが洸汰は個性をうまく使って間合いを管理する。
──
「やるなぁ出水くん!個性上手く使ってるよ!」
「島乃も負けてないっス!あの身体能力とタフさは脅威っスよ!」
モニター室も盛り上がりを見せる。
爆豪はというと…
「…………」
腕を組んで静かに見守っていた。
──
「勝つッ!!」
「負けないッ!!」
力を振り絞った拳。
2人の腕が交差する。
「出水、ノックアウト。Dの勝ちだ』
活真の拳が先に届き、洸汰をKO。
来栖は分身体で堤を絡め取って抑えている為、勝者はDチームとなった。
勝利を告げるアナウンスを最後に、活真の意識は途絶えた。
──
「じゃあ講評すんぞ、出水と島乃にはあとで伝えとけ」
戦闘が終わり、モニター室で戦闘に対するアドバイスが始まった。
「まずは来栖、動きがとれェ…動きに迷いがあんだろ。分裂して考えることが増えんだろーが、無意識でできるように慣れろ。その辺はコイツが詳しいからよく効いとけ」
緑谷を親指で刺しながら爆豪が公表した。
「うっ…はい」
「次、堤。策に嵌めたと思って最後油断したな?敵は殺すまで油断すんな。勝ったと思った奴が1番隙だらけだかんな」
「…はい」
爆豪による辛口コメントが送られる。
「んで、出水だが、泥試合もいいとこだ。相手の得意に乗って戦いやがって…戦闘はいかに自分の得意に持ち込むかだ。個性の使い方もまだまだだ。アレじゃただ垂れ流してるだけ。課題は威力の底上げだな」
「最後に島乃。回復し続けながら戦闘できるのは強みだろーが、消耗しないに越したことはねェ。もし連戦になった時に今回みたいにぶっ倒れちまったら守れるもんも守れねェ。いかに効率よく敵を仕留めるかを考えて戦闘しろ。以上」
生徒たちはいい戦闘だったと思っていた反面、こんなに言われると思っていなかったのか、若干驚いていた。