NEXT AGE   作:やげん軟骨

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第2話 可能性

 

雄英高校ヒーロー科・2-Aが児童養護施設(安らぎ荘)に訪問してから4日が経過した。

 

施設の子供達ともすっかり打ち解け、対話ができるようになった。

 

(蛙吹)あんな遠くのお豆腐を崩さずに持てるようになるなんて封斗ちゃん、凄いわ」

 

(鎖々木)へへへ」

 

身体の骨ばった部分から触れた相手の活力を吸収する鎖を出す個性を持つ男の子、鎖々木封斗(ささき ふうと)

初日は鎖を射出する威力が強すぎて、周りのものを破壊したり締め上げる力を加減できていなかった。

だが、今はコントロールが上手になり、出す鎖が一つだけなら5メートル先の豆腐を崩さずに持ち上げられるようになった。

 

(瀬呂)おっ鳥餅くんも絡まらなくなったな!」

 

(山車)これくらい大したことないよ」

 

身体の一部を鳥餅に変質化させる個性の男の子、山車鳥餅(やまぐるま とりもち)

彼は一度にいろいろやろうとすると鳥餅が身体にひっついたりして上手く扱えなかったりした。

扱える本数を一本ずつ増やし、今では3本くらいなら同時に何かを取ることができる。

 

(星見)よし、できた…!」

 

(常闇)己を起点とし、回転する物体が旋回する…まさに銀河系の縮図」

(峰田)すっげーぜ!そのまま加速させていろんなとこ狙えるんだもんな!」

 

触れた物体に2種類の回転を与える個性を持つ少年、星見廻(ほしみ めぐる)

物体自体が回転する"自転"と自分を中心に回転する"公転"を与え、回転の速度や軸が暴走せずに制御できるようになったことで、任意のタイミングで解除することで狙った方向に射出できるようになった。

 

他にも電気を発電する個性を操る少女は出力が調整できるようになったり、体温を操る少女は体調を崩さない適温を保てるようになるなど、各々が個性をコントロールできるようになっていた。

 

(緑谷)じゃあ次、このマトリョーシカをしまってあそこの箱に出してみようか!」

 

(総護)はい!〜〜〜ッ」

 

集中し、マトリョーシカに視点を合わせて、しまう過程と取り出す箱の位置を確認し、流れをイメージして意識を集中する。

今だ!とマトリョーシカをしまおうとすると、マトリョーシカの前を塞ぐように峰田の姿が現れた。

 

(総護)__わっ」

 

(緑谷)__峰田君!!」

 

驚いてすぐに箱に放出した。

 

(峰田)__いでッ」

 

(総護)……ほっ、よかった…」

 

総護はなんともなさそうな峰田の様子を見てホッとする。

 

(瀬呂)オイオイ、峰田ァちゃんと周り見て動けよ」

 

(八百万)今のは峰田さんの不注意ですわ」

 

周りを見ずに動いていた峰田を咎めるA組だったが、そんな中、緑谷がふと何かを閃き、総護に詰め寄る。

 

(緑谷)総護くん!もしかしたら君はワープができるかもしれないよ!」

 

(総護)…へ?」

 

(緑谷)自分を収納すると同時に放出する場所を設定しておけば、収納した瞬間にその場所に放出されるから、その場所に移動できると思うんだ!応用すれば自分を吸い込んで相手の攻撃を逸らしたり、戦闘中に背後を取ったり、遠くの人を助けられるかもしれないよ!やっぱり凄い個性だよ!」

 

興奮して鼻息が荒くなる緑谷を切島が鎮めつつ引き剥がす。

我に帰った後に謝る緑谷だったが、総護は"ワープができるかも"という言葉を聞いて、やってみたいということしか頭になかった。

 

(八百万)待ってくださいまし!いきなり試すのは危険ですわ。万が一土の中などにワープしてしまって窒息死するなんて可能性も…」

 

(蛙吹)確かに、ミリオ先輩みたいに地面から弾き飛ばされるかもしれないわね」

 

(八百万)こういう時はまず小さい実験から始めましょう!」

 

そう言っていくつか実験を行った。

 

1、地面や壁の中などに物体を取り出すことができるのか?

 

→できなかった。

 

2、物体を転送途中で止めることで引きちぎったりすることはできるのか?

 

→できなかった。ポータルを開くわけではないから。

 

3、生身の人間をしまうことはできるのか?

 

→できた。峰田が収納され、無事に帰還した。

 

4、自分を収納できるのか

 

→着ている衣服のみを収納するなどができたためおそらくできる。

 

ここまで実験を行い、ようやくワープへと取り掛かることができた。

やることは今までと同じ。

ただそれを自分の身体で、ほぼ同時に行えばいいだけ。

 

(総護)…行きます!」

 

放出する場所を緑谷の近くにある白線のあたりに頭の中で設定し、自分を収納すると同時にそこへ放出する。

 

次の瞬間、総護の身体がその場から消えると共に、白線の上へと姿を現した。

 

(子供達・A組)_…で、できたァァァ!!!」

 

やけにあっさりできたことでいささか拍子抜けといった様子の総護だったが、A組の生徒たちや周りの子どもたちは自分のことのように大喜びしていた。

 

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