子供たちの吸収力・成長速度は想像を遥かに超えていた。
5日目にして自身の個性を暴走させることなく使いこなしていた。
地下室にいた子たちも外へと踏み出し、大空の元を駆け回っていた。
その様子を見た安楽木の目頭は熱くなり、潤んでいた。
最終日は全員が外の広場で遊ぶことになり、別れを惜しみながら八百万の出した遊具や轟が作った巨大氷滑り台などで遊んでいた。
そんな中、人目に触れず口角を上げる者が一人。
「__頃合いだな」
_カーン、カーン、カーン…
突如、施設に昼時を告げるチャイムが3回鳴り響いた。
普段、チャイムは2回鳴らす。
それに時間もチャイムが鳴るような時間ではないはずだった。
氷で作った滑り台の担当をしていた轟は、急に立ち止まった少年を見て尋ねる。
「_!おい、どうした!?しっかりしろ!」
突如震え出した少年の姿を見て、異変を察した轟。
辺りを見回すと、他の子供達も同様に身体を震わせている。
パチンッ
指を弾く音が鳴った瞬間、震えていた子供達は一斉に個性を発動した。
「「_!!?」」
加減無しの個性が無差別に飛び交う。
氷の滑り台や八百万の出した遊具は破壊され、子供同士の個性がお互いに被弾する。
しかし、怯むこともなく個性を放ち続ける。
明らかに様子がおかしい。
室内にいた相澤は屋外からの轟音を聞いて駆けつけた。
A組生徒たちも軽くパニックに陥る。
迅速な対応で次々無傷で無力化していく。
その時、子供が放った電気を帯びた瓦礫の塊が星見に迫る。
総護は叫ぶと共に個性を発動し、迫り来る瓦礫を収納した。
唖然とする星見は、冷や汗が背筋を伝っていくのを感じる。
今の瓦礫が当たっていたら、自分は確実に大怪我を負っていただろう。
いや、大怪我で済めばいい方だろうか。
相澤とA組生徒たちは子供達の無力化に着手するが、派手に暴れていることで無傷での無力化に手こずっていた。
総護は二人の個性で身体から生える"トリモチ"と"奪鎖"を収納し、暴れている子たちの近くで取り出した。
2人はそれぞれ個性で彼らを捕縛し、身動きを封じる。
その傍らで不気味に笑う男が一人。
「くっくっくっ…」
安楽木は背後にいた仄暗に問う。
いつもの薄ら笑いのような表情は豹変し、鬼気迫るような迫力で声を荒げた。
その横を一筋の風が横切ったと思った瞬間、仄暗の顔面が爆炎に包まれた。
右手は使わず、副作用の全身爆破による加速と左手での攻撃。
本調子ではないとはいえ、かなりのスピードと威力がヒットした。
「_危ない危ない。警戒していなければ反応できなかったよ」
「_!、ンだと…!?」
クリーンヒットしたかに思えた爆豪の攻撃は、腕で完璧に防がれていた。
緑谷と轟が爆豪の元に現着する。
爆豪を宥めつつ、向かってきた仄暗を即鎮圧。
計画的犯行だったが、主犯の終わりはあっけなかった。
総護や他子供達の協力もあり、全員の無力化に成功し、自体はやっと落ち着きを取り戻した。
名前
個性 安らぎ
自分の周りにいる生物に安らぎを与える。
備考
安らぎ荘の施設長。
かなりの資産を持っているらしい。
名前
個性 暗示
話した相手に対して暗示をかける。