第30話 職場体験①
現No.1ヒーロー・ルミリオンの事務所。
そこを訪ねた総護は、本人の歓迎のもと事務所の中へと促されるままに入っていく。
ルミリオン自らの出迎えに遅れるようにサイドキックたちがドアを開けて追いかけてきた。
直々に社長室と思われる部屋に案内される。
_ガチャ…
ドアを開けると、広々とした空間に一面窓ガラスの部屋。
奥にあるルミリオンのものと思われる机の上には今にも崩れそうな資料が積み重なっている。
促されるままにソファに腰掛ける。
持ってきた職場体験の承諾書とプロフィールや志望動機が書かれた紙を提出する。
ささっと目を通してこちらに視線を向けるルミリオン。
「ですが、もっと強くなりたい。ルミリオンは個性の応用でワープして攻撃する手段をよく取りますよね?その明るさと無敵の【透過】だけではなくその応用力と戦闘能力がNo.1足る所以だと思うんですが…」
ギラリと光る眼にルミリオンは口角を上げる。
パトロールに向かうと言うことなので、とりあえずコスチュームに着替えてくれと指示され、更衣室に向かった。
ミリオは更衣室に向かうその背中に期待を膨らませた。
──
コスチュームに着替え、入り口に行くと、すでにルミリオンはサイドキックとともに待っていた。
外に繰り出し、周囲を見ながら歩く。
コスチュームを着て歩くことに妙な気恥ずかしさを感じていた。
サイドキックの1人、"シェアセンス"が声をかけてきた。
先程玄関に追いかけてきたサイドキックだ。
──
シェアセンス
個性 共有
触れた相手と5分の間五感を共有できる。
オンオフは自由。
非常にサポート向きの個性だ!
──
はぁ…と疲れたように息を吐く。
確かに、ルミリオンをはじめ、明るく、特徴的な人が集まっている。
サイドキックを統括する立場として気苦労は絶えないんだろう。
中間管理職の辛いところだ。
──
フローター
個性 浮遊台
浮遊する足場を生成する個性!
移動に便利だ!
──
──
セキュリティ
個性 センサー
周囲の自分以外のモノの位置関係などを把握することができる!
感知する対象は自分で選択可能だ!
集中力次第で範囲は増えるが、キャパオーバーになると情報過多で鼻血が出るぞ!
──
気が抜けたような会話をしていたその時、突然皆の顔が急に真剣になった。
突然の変わりように戸惑う総護。
ストンッとルミリオンが居なくなったと思ったら、既に背中が小さく見えるほど遠くにいる。
「"セイバー"!遅れずに……って君なら心配いらないか…むしろ後ろをついてきてくれ!」
「…はい!」
指示されたままワープで後ろについていった。