NEXT AGE   作:やげん軟骨

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職場体験編
第30話 職場体験①


 

現No.1ヒーロー・ルミリオンの事務所。

そこを訪ねた総護は、本人の歓迎のもと事務所の中へと促されるままに入っていく。

 

(ミリオ)どうぞどうぞ!とりあえず荷物を置いて座ってね!」

 

ルミリオン自らの出迎えに遅れるようにサイドキックたちがドアを開けて追いかけてきた。

 

(シェア)ルミリオン!出迎えは私たちがすると…」

 

(ミリオ)_そんな固いこと言わない!さ、みんな中に入るよ!」

 

(シェア)はぁ…貴方って人は…まだ仕事溜まってるでしょうに」

 

直々に社長室と思われる部屋に案内される。

 

_ガチャ…

 

ドアを開けると、広々とした空間に一面窓ガラスの部屋。

奥にあるルミリオンのものと思われる机の上には今にも崩れそうな資料が積み重なっている。

 

(ミリオ)ささ、座ってくれ!」

 

促されるままにソファに腰掛ける。

持ってきた職場体験の承諾書とプロフィールや志望動機が書かれた紙を提出する。

 

(ミリオ)ふむふむ…なるほどなるほど…だいたい予想通りなんだよね!一応、君の口から詳しい話を聞いてもいいかな?」

 

ささっと目を通してこちらに視線を向けるルミリオン。

 

(総護)はい、俺の個性は『出し入れ』。いろいろなものを出し入れする能力です。主な使用例としては、武器やモノを射出する攻撃や応用によるワープです」

 

(ミリオ)んー見る限りだいぶ使いこなしてるように見えるんだよね」

 

「ですが、もっと強くなりたい。ルミリオンは個性の応用でワープして攻撃する手段をよく取りますよね?その明るさと無敵の【透過】だけではなくその応用力と戦闘能力がNo.1足る所以だと思うんですが…」

 

(ミリオ)_よせやい!」

 

(総護)個性の応用によるワープという共通点、複雑な個性を完璧に操るその術から何かを学びたいと思ったのがひとつ。そして、トップの現場を見たいと思ったのがもう一つの理由です」

 

(ミリオ)_!」

 

ギラリと光る眼にルミリオンは口角を上げる。

 

(ミリオ)うん、わかった!職場体験は1週間。後半は急に仕事入っちゃってね…君は運がいいんだよね!この1週間、プロの現場を存分に肌で感じて、学んで、成長してくれ!」

 

(総護)はい!」

 

パトロールに向かうと言うことなので、とりあえずコスチュームに着替えてくれと指示され、更衣室に向かった。

 

((ミリオ)_"上"を目指す眼…いいね!そうこなくっちゃ!)

 

ミリオは更衣室に向かうその背中に期待を膨らませた。

 

 

 

 

──

 

コスチュームに着替え、入り口に行くと、すでにルミリオンはサイドキックとともに待っていた。

 

(ミリオ)それじゃ、ここら一帯を回っていくよ!」

 

(総護)はい!」

 

外に繰り出し、周囲を見ながら歩く。

コスチュームを着て歩くことに妙な気恥ずかしさを感じていた。

 

(シェア)慣れないだろ?」

(総護)う…はい…」

 

サイドキックの1人、"シェアセンス"が声をかけてきた。

先程玄関に追いかけてきたサイドキックだ。

 

──

 

シェアセンス

個性 共有

触れた相手と5分の間五感を共有できる。

オンオフは自由。

非常にサポート向きの個性だ!

 

──

 

(シェア)まあ、君のコスはそこまで派手じゃないし、それほどでもないか。SFの戦闘服って感じだし」

 

(総護)いや、十分非日常ですよ…」

 

(シェア)そうか?まあ、常識的な感覚の持ち主なんだろうな、君は…うちはなにかと変な人が多いからさ」

 

はぁ…と疲れたように息を吐く。

確かに、ルミリオンをはじめ、明るく、特徴的な人が集まっている。

サイドキックを統括する立場として気苦労は絶えないんだろう。

中間管理職の辛いところだ。

 

(フローター)変人って誰のことだ!?」

 

──

 

フローター

個性 浮遊台

浮遊する足場を生成する個性!

移動に便利だ!

 

──

 

(シェア)君含めみんなだよ」

(セキュリティ)失礼じゃないか」

 

──

 

セキュリティ

個性 センサー

周囲の自分以外のモノの位置関係などを把握することができる!

感知する対象は自分で選択可能だ!

集中力次第で範囲は増えるが、キャパオーバーになると情報過多で鼻血が出るぞ!

 

──

 

(シェア)行動を改めてから言ってくれよ…」

 

(ミリオ)まあまあ、もうちょっと肩の力を抜こうよ!」

 

(シェア)あなた方が抜きすぎなんですよ…」

 

(総護)はは…」

 

気が抜けたような会話をしていたその時、突然皆の顔が急に真剣になった。

 

(セキュリティ)8時の方角!」

 

(シェア)ルミリオンは先に向かってください!」

 

(ミリオ)わかってるんだよね!」

 

突然の変わりように戸惑う総護。

ストンッとルミリオンが居なくなったと思ったら、既に背中が小さく見えるほど遠くにいる。

 

「"セイバー"!遅れずに……って君なら心配いらないか…むしろ後ろをついてきてくれ!」

 

「…はい!」

 

指示されたままワープで後ろについていった。

 

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