職場体験5日目。
今日の集合はやけに早かった。
聞いてないと取り乱す総護。
それを見てため息をつくシェアセンス。
とりあえず遅れるわけにはいかないので、荷物を持って空港に向かう。
そこで今回の遠征の説明を受けた。
『敵が活発化したアメリカの都市への応援』
これが今回の目的・使命らしい。
現在、世界中で犯罪件数が増えており、それの鎮圧に各国が協力している。
特にアメリカなんかは年によって治安が悪かったりするために人手が足りなくなることがあるらしい。
不安になってシェアセンスの方を見る。
シェアセンスとセキュリティの言葉にホッと胸を撫で下ろしながらキャリーバックを引き、飛行機の搭乗口に向かった。
ーアメリカー
_ドガァンッ!!!
流石アメリカというべきだろうか?
敵もいちいち規模がでかい。
暴れ方が雑というべきか。
もうすでにフローターの浮遊台に乗って飛び出している。
ここ何日かパトロールと敵撃退を見てきて思ったこと。
それはそれぞれの行動が早いこと。
そして…
連携の巧さが尋常じゃない。
個性の相性も良く、相乗効果でさらに強くなっている。
透過中のルミリオンに視覚や聴覚を共有することで状況を伝え、予測をより確実なものにする。
フローターは上からの視点で状況を把握させ、周りの避難状況をセキュリティが確認。
総護の出る幕もなく、無事制完了かと思ったその時、
敵はエピペンのようなものを取り出し、自身の腕に刺した。
すると、目からビームが出る個性の力が増幅し、それぞれの目から一本放たれていたビームが拡散+色々な方向に曲がるようになり、一気に被害が拡大した。
再び制圧を…と身を乗り出した瞬間。
突如地震と共に暴れ回る敵を囲むように地割れが発生し、地面が陥没した。
地面が唸るような轟音が鳴り響き、立っていられないほどの揺れがその場を一瞬で支配した。
彼女はアメリカヒーローランキング現No.1のアゲート・メノウだった。
──
アゲート・メノウ
個性 断層
触れた物体に断層を作り出すことができる!
空気に断層を作って防御したり、地面に断層を作って地震を起こしたり、空気の層を作って膜を作ったりできるぞ!
まだまだ成長中の米国現No.1ヒーローだ!
──
理不尽とも言える個性の力。
敵を囲うように地面に断層を起こして地震と共に地面を陥没させるなんて、空を飛べでもしなければ回避のしようがない。
手をパンパンと叩いて汚れを払いながらニッと笑うメノウ。
残りの敵をスターストライプの仲間と共に手分けして制圧することに。
個性使用許可は出国時に既にもらっているので、総護も参加する。
ルミリオンと話していたスターストライプがあらゆる武器や瓦礫を放ち、自身もワープして銃撃で敵を制圧する総護の姿を見て尋ねた。
一際目立つ少年の背中を見て口角を上げる。
敵の制圧が完了し、アメリカのポリスに仕事を引き継いだ後スターストライプは志穏に興味を持ったのか、声をかけた。
名前とヒーロー名、どちらで答えるかを少し悩んでいると、隣にいたシェアセンスが「ヒーロー名でいいんじゃないか?」と助言してくれた。
スターストライプの方へと身体を向き直す。
(_へぇ…良い眼だ…!)
驚く総護とは対照的に、あっさり許可を出したルミリオン。
オロオロしながらシェアセンスがルミリオンを説得しようと試みる。
シェアセンスから志穏に視線を移す。
「俺たちが教えられることは日本でもう全部教えた…だろ?それに見てみたいんだ。日本と
んんーと頭を悩ませるシェアセンス。
スターストライプはサイドキックに合図し、電話を受け取る。
1分もしないうちに電話を切って総護の方を向いた。
因みに電話先は大統領らしい。
フランクに話しすぎだろと心の中で突っ込まざるを得ない。
これが自由の国のNo. 1かと勢に圧倒される。
ニッと笑って送り出してくれたシェアセンス。
全員とグータッチをして、アゲート・メノウの後を追った。