職場体験先が一緒の活真・来栖は荷物を抱えながら電車に揺られて目的地へと向かっていた。
改札を出て徒歩4分。
彼女のコスチュームのチャームポイントである角の生えたビルを訪ねると、サイドキック達に中へ通された。
律儀にコスチュームを着て事務所で待っていたMt.レディはビシィッと2人を指差してそう言い放った。
書類を渡すと、早速パトロールへと出向くことに。
日本のビルボード現No.3の名実ともにトップヒーローとなったMt.レディ。
以前は新人の頃はヒーローを人気稼業と捉えている側面が強く、目立つことやカメラ映りのことばかり考えていた彼女だったが…
今では意識が変わり、人一倍細かいことに気がつき、敵退治だけでなく些細なお手伝いなどを率先してするようになったことで、大衆からの支持はより厚いものとなった。
身体が大きくなる個性上、周りの建物や人に気を遣いながら行動することが多かった彼女ならではの細やかな気配りが彼女のヒーローとしての良さを色濃くしていた。
活真は個性でのドーピング効果で身体能力を底上げし、歩道橋をタタッと駆け上がると、手摺の位置から飛び上がって見事に風船をキャッチ。
来栖は錆びた部分にまとわりつくと、尖った部分だけを喰らって溶かしていく。
「なんでもありとはなんだ!」と飛び跳ねながらどうやら怒っている様子の来栖を尻目に、パトロールは続いていった。
──
職場体験3日目。
今日はエッジショットが復帰するということで、チーム・ラーカーズでの合同パトロールの予定が組まれていた。
先輩ヒーローの再会を尻目に、雄英生たちも会合を果たした。
シンリンカムイの元へ職場体験に行った鎖々木と森林。
エッジショットの元に職場体験に行った最上。
そしてMt.レディの元へ職場体験に行った活真と来栖。
学校外で級友に会うという少しの気恥ずかしさと嬉しさに身悶えしながら、先輩たちのパトロールについていく。
とはいえ、事件がそう毎日起こるわけでもなく。
この日はパトロールというより、エッジショットの復活記念パレードのような感じになっていた。
──
翌日、飲み会だったようで、顔色の悪いMt.レディとのパトロール。
久々の再会でテンションが上がってしまったのか、二日酔いが側から見てもわかる。
うぷっと口を抑えるMt.レディ。
ギリギリ朝食を吐き戻すことはなかったが、この様子ではパトロールどころではない。
活真はMt.レディの背中をさすりながら、個性を使用する。
B型の細胞を活性化させる活真の個性により、Mt.レディの顔色は徐々に良くなっていく。
なんとか元気を取り戻したMt.レディと共に街中へと出ていった。
しばらく歩くと、少し大通りの方がざわついていた?
どうやらブレーキが効かなくなったバスが速度を上げて暴走しているようだった。
遠ざかるように道路を駆け抜けていく暴走バス。
巨大化すれば間に合うが、大通りなこともあって、人通りや車通りも多く足の踏み場がない。
Mt.レディはその場で巨大化し、手の上に来栖を抱えた活真を乗せてリフトアップ。
活真はドーピングで強化されたパワーで思い切り来栖をバスの進行方向の先へぶん投げた。
かなりの速度で遠投された来栖は、バスの少し前へとポヨンと跳ねながら着地。
身体を大きく広げてバスを受け止める。
身体が後方へと引き延ばされながらも、なんとかバスの進行の勢いを殺しきり、暴走を防ぎ止めた。
現場では見事にバスの暴走を防ぎ止めた来栖に賞賛の拍手が送られる。
片や活真とMt.レディのいる場所でも、2人を讃える拍手が巻き起こっていた。
その後は大きな事件は何事もなく、2人の職場体験は無事終了した。