NEXT AGE   作:やげん軟骨

35 / 47
閑話 職場体験(活真&来栖の場合)

 

(来栖)次の駅だよな?」

 

(活真)その筈だよ!」

 

職場体験先が一緒の活真・来栖は荷物を抱えながら電車に揺られて目的地へと向かっていた。

 

改札を出て徒歩4分。

彼女のコスチュームのチャームポイントである角の生えたビルを訪ねると、サイドキック達に中へ通された。

 

(Mt.レディ)よく来たわね!これから1週間、ビシバシ鍛えてやるから覚悟しなさいよ!」

 

律儀にコスチュームを着て事務所で待っていたMt.レディはビシィッと2人を指差してそう言い放った。

 

書類を渡すと、早速パトロールへと出向くことに。

 

日本のビルボード現No.3の名実ともにトップヒーローとなったMt.レディ。

以前は新人の頃はヒーローを人気稼業と捉えている側面が強く、目立つことやカメラ映りのことばかり考えていた彼女だったが…

 

(Mt.レディ)__そこ、側溝のとこ隙間空いてるわ。子供の足とか杖が挟まったら大変___そこのガードレールは錆でひび割れたところが尖ってて危ないわね…どっちも業者に言っておかないと…あ、風船が飛んでいっちゃったのね。少年、ちょっと待っててね」

 

今では意識が変わり、人一倍細かいことに気がつき、敵退治だけでなく些細なお手伝いなどを率先してするようになったことで、大衆からの支持はより厚いものとなった。

 

(活真)すごいね…どんな細かい場所も全部見えているみたいだ…」

(来栖)これがトップヒーローのパトロールか…!」

 

身体が大きくなる個性上、周りの建物や人に気を遣いながら行動することが多かった彼女ならではの細やかな気配りが彼女のヒーローとしての良さを色濃くしていた。

 

(活真)_風船、確保!」

 

(来栖)_尖ってるとこなら僕がとりあえず溶かしときますよ」

 

活真は個性でのドーピング効果で身体能力を底上げし、歩道橋をタタッと駆け上がると、手摺の位置から飛び上がって見事に風船をキャッチ。

 

来栖は錆びた部分にまとわりつくと、尖った部分だけを喰らって溶かしていく。

 

(Mt.レディ)"アクティヴェリオン"、アンタやるわね!…"スライム"、アンタはなんでもありなの?」

 

「なんでもありとはなんだ!」と飛び跳ねながらどうやら怒っている様子の来栖を尻目に、パトロールは続いていった。

 

──

 

職場体験3日目。

今日はエッジショットが復帰するということで、チーム・ラーカーズでの合同パトロールの予定が組まれていた。

 

(Mt.レディ)ようやくですね!」

 

「身体も(シンリンカムイ)だいぶ元通りになりましたね」

 

「まだ若干(エッジショット)小さいような気もするがな」

 

(Mt.レディ)ブランクの穴埋めは任せてくださいよ!」

 

「心配には(エッジショット)及ばん。糸状形態期間が長かったおかげで以前より技には磨きがかかっている」

 

先輩ヒーローの再会を尻目に、雄英生たちも会合を果たした。

 

(鎖々木)まさか職場体験先で会うとはな」

(森林)なんかちょっと変な感覚ッスね…」

 

シンリンカムイの元へ職場体験に行った鎖々木と森林。

 

(最上)フフフ、学校外で僕様と会えるなんて、光栄に思うがいいよ!」

 

エッジショットの元に職場体験に行った最上。

そしてMt.レディの元へ職場体験に行った活真と来栖。

 

学校外で級友に会うという少しの気恥ずかしさと嬉しさに身悶えしながら、先輩たちのパトロールについていく。

 

とはいえ、事件がそう毎日起こるわけでもなく。

この日はパトロールというより、エッジショットの復活記念パレードのような感じになっていた。

 

──

 

翌日、飲み会だったようで、顔色の悪いMt.レディとのパトロール。

久々の再会でテンションが上がってしまったのか、二日酔いが側から見てもわかる。

 

(活真)大丈夫ですか?」

(来栖)何やってんですか全く…」

 

(Mt.レディ)だって…先輩の復活祝いで盛り上がっちゃったんだもん…普段はこんなんじゃ__」

 

うぷっと口を抑えるMt.レディ。

ギリギリ朝食を吐き戻すことはなかったが、この様子ではパトロールどころではない。

 

(活真)はァ…Mt.レディがB型でよかったですよ…」

 

活真はMt.レディの背中をさすりながら、個性を使用する。

B型の細胞を活性化させる活真の個性により、Mt.レディの顔色は徐々に良くなっていく。

 

(Mt.レディ)__アンタの個性凄いわね…助かったわ」

 

なんとか元気を取り戻したMt.レディと共に街中へと出ていった。

 

しばらく歩くと、少し大通りの方がざわついていた?

 

(市民)暴走車両だァ!!」

 

どうやらブレーキが効かなくなったバスが速度を上げて暴走しているようだった。

 

(Mt.レディ)_!、向こうか…強行突破する?いやでも…」

 

遠ざかるように道路を駆け抜けていく暴走バス。

巨大化すれば間に合うが、大通りなこともあって、人通りや車通りも多く足の踏み場がない。

 

(活真)_任せてください!」

(来栖)そーそー!僕らに任せて酔っ払いは大人しくしててよ!」

 

(Mt.レディ)なんとかする策があるのね…任せるわ!行きなさいバカガキ共!_スライム、あとで覚えときなさいよ」

 

Mt.レディはその場で巨大化し、手の上に来栖を抱えた活真を乗せてリフトアップ。

 

(活真)せいやァァァ!!!」

 

活真はドーピングで強化されたパワーで思い切り来栖をバスの進行方向の先へぶん投げた。

 

(来栖)うぉぉォォお!?」

 

かなりの速度で遠投された来栖は、バスの少し前へとポヨンと跳ねながら着地。

 

(来栖)NICE、アクティ!"粘度MAX"!」

 

身体を大きく広げてバスを受け止める。

 

(来栖)ここは通行止めじゃァァ!!」

 

身体が後方へと引き延ばされながらも、なんとかバスの進行の勢いを殺しきり、暴走を防ぎ止めた。

 

(市民)_お、うぉおおお!!」

(市民)すげェ!あのバス止めちまいやがった!!」

(市民)あの子、雄英の子よ!体育祭で観たもん!」

 

現場では見事にバスの暴走を防ぎ止めた来栖に賞賛の拍手が送られる。

片や活真とMt.レディのいる場所でも、2人を讃える拍手が巻き起こっていた。

 

(市民)あそこまでぶん投げるとはやるなァ!」

(市民)ナイスボール!!」

(市民)いい連携だったぞー!」

 

 

(Mt.レディ)_ よくやったわね。アンタたちを指名して正解だったわ…!」

 

(活真)_ありがとうございます!」

 

その後は大きな事件は何事もなく、2人の職場体験は無事終了した。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。