NEXT AGE   作:やげん軟骨

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第34話 職場体験⑤

 

ヴァンパイアとの戦闘が過激化し、あたり一体がヴァンパイアの血の霧と化した。

 

しかし、ヒーロー側優勢というわけではなく、これはわざとヴァンパイアが放ったものである。

 

(総護)〜〜ッ!」

 

(ヴァンパイア)調子に乗るんじゃあねェぜ…このクソガキがァ!!」

 

周囲の血が鋭い棘となる。

総護は初見殺しで一撃を右腹部に喰らうが、追い討ちからは自分を収納して回避。

負傷したアゲート・メノウは近くにいたトランスフォームが『変形』で地面を隆起させて簡易シェルターを作り、それを防ぎ止めて攻撃を防いでいた。

 

(ヴァンパイア)殻に篭ったか。だがそれも無駄な足掻きだ」

 

ヴァンパイアはシェルター周りの血の温度を摂氏500℃まで一気に上昇させた。

 

(ヴァンパイア)ほゥら、素敵なサウナの出来上がりだ…いつまで耐えられるかな!?」

 

ヴァンパイアがシェルターに集中している隙に総護の攻撃が死角から襲いかかるが、ヴァンパイアは一瞥もせずにその弾丸を血の盾で完璧に防いで見せた。

それどころか、周囲の血が一斉に集まり、総護の身体を拘束した。

 

(ヴァンパイア)残念。ここに撒いている血の霧は俺の身体の一部ようなもの。当然、その範囲内にいる者の動きもわかる」

 

((総護)しくった…!)

 

(ヴァンパイア)貴様…ワープしているな?操り人形(マリオネット)共との接続も切れたってことは、何処か遠くの場所に転移させることも可能ってわけか?」

 

(総護)答える義理はないね…!」

 

総護は手元の引き金を引く。

放たれた銃弾をワープさせ、爆裂弾がヴァンパイアの左腕を吹き飛ばすが、何事もなかったかのように修復する。

 

(ヴァンパイア)苦し紛れの最後っ屁か…まあいい。1番俺を苦しませてくれたのが貴様だったからな。苦しませずに逝かせてやろう」

 

(総護)_あ"ぁぁ!!!」

 

拘束した血が圧力を強め、総護の両腕と肋骨の骨が鈍い音を立てた。

ヴァンパイアの作り出した血の剣が、総護の胸に突き立てられる。

 

(メノウ)_セイバー!!」

 

絶体絶命のその瞬間。

なぜか総護は胸の辺りに何か懐かしい温かさを感じた。

 

((総護)__あったかい…)

 

 

 

(ヴァンパイア)__死ね」

 

胸に突き立てられた血の剣を総護に向かって押し込む。

しかし、血の剣はコスチュームを貫き、身体に到達する前に"何か"に触れた。

 

触れた瞬間、血の剣はドロォと形を失って地面に落ちる。

周囲に浮いていた血の霧や総護を捉えていた血の塊も全てが力が抜けたように地面へと落ち、あたり一体は血の海と化した。

 

(メノウ)_!」

 

トランスフォームの個性で簡易シェルターから地中を掘り進めて移動してきていたアゲート・メノウは一瞬、何が起こったかを把握するのに固まったが、すぐに考えるのを後にしてチャンスを逃すまいと『断層』で地面を細かく格子状に割った。

血は割れた地面に流れ込み、辺りの血量はかなり削られた。

 

(ヴァンパイア)どういうことだ…この感覚…まさか…そのネックレス…!?」

 

血が触れたのは親の形見のネックレスだった。

心なしか、ネックレスは微発光しているようにも見える。

 

(バンジー)今のうちに!」

 

バンジーはゴムを伸ばして総護に巻きつけ、ヴァンパイアの元から救出した。

 

総護を奪われまいとヴァンパイアは手を伸ばすが、他のサイドキックたちの物量攻撃によって防がれる。

 

(バンジー)セイバー、無事か!?」

 

(総護)〜ッ、はい、それより、奴を倒す方法がわかりました…!」

 

(バンジー)_!」

 

血を自在に操ることで一切を寄せ付けず、万一負傷してもほぼ無限の再生力を誇る。

そんな怪物を倒す方法がわかったと言う。

バンジーはその内容を聞くと、妙に腑に落ちた。

そして指示通りトランスフォームの元に総護を連れて行った。

 

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