天哉は空へと飛び立つ天駆の足をガシッと掴み、ロボットのような動きで彼女に注意した。
文句を垂れながら地面へと降りる天駆に対し、親である天晴が頭にチョップする。
サイドキック達に笑いが溢れる。
ちなみに元祖インゲニウムである天晴が復帰したことで、【インゲニウム】が2名になったが、ややこしいため天晴は【ビッグ・イング】と呼ばれるようになった。
飛ぶことも制限され、トボトボと歩きながら不貞腐れる天駆に、天哉と天晴はダブルで天駆の頭にチョップを入れる。
理屈ではわかるが、やはり学生の身からするとヒーローらしい活動をしたいと言う欲は捨てきれないようで、天駆は「わかってるよー」と返事をしつつも少し退屈を感じていた。
──
そう言いながらファットガムはパンケーキのように積まれたお好み焼きを頬張る。
物凄い速度でなくなっていくそのお好み焼きタワーに気持ちよさを感じるとともに、フォルムとも相まって丸いピンクの星の戦士を思い浮かべてしまう砂原と城戸。
それに対して天喰は海鮮もんじゃをちびちびとつまみながらそう言った。
砂原・城戸の2人はファットガムが焼いてくれたお好み焼きを口に運ぶ。
城戸はテンションが上がって
砂原の砂で水が鉄板に溢れる前に吸収することができた。
ズゥゥンと沈んだ城戸は、今度は
ファットガムが再びお皿にお好み焼きをよそうとゆっくりとそれを口に頬張り、ようやく通常状態へと戻ることができた。
ファットはすでに平らげていた皿を重ね、爪楊枝で歯の間を突きながらそう考えていた。
──
本日はチームアップミッションということで、ファットガム事務所、
ヒーロー同士の交流は昨今かなり増えてきており、中でもサイドキックやインターンなどでお世話になった後輩ヒーローたちは先輩ヒーローとよくチームアップする傾向がある。
リアルスティールの元へ職場体験に言った江練、ヒーロー名は"エナジーサイクル"
斬鉄と同じ烈怒頼雄斗の元へ職場体験に行った円堂。
ヒーロー名は"ドライブリング"。
そしてファットガム事務所に職場体験にきた砂原と城戸。
ヒーロー名は"
級友とのコスチュームを着て外で会うと言う、少しの気恥ずかしさを感じつつパトロールを行った。
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ある種、悲鳴のような歓声が会場を震わせる。
ここは遊園地。
イベントとして招待されたあるヒーローが会場に姿を現した途端、彼のファンが狂喜乱舞したのだ。
現No.2ヒーロー・ショートである。
端正な顔立ちと分け隔てなくぎこちないファンサにより、ファンは急増。
確かな実力も兼ね備えた現在旬とも言えるヒーローである。
軽く挨拶が終わり、休憩にはいる。
轟も不知火の言っているヒーロー活動は敵との交戦を意味していることは分かっていた。
何か含みのある言い方をした不知火。
しかし轟にはそれが伝わらず、そのままの意味で解釈されそうになる。
──
午後の部が始まり、ショートと共にステージに立つ。
ショートの背後から観客席を眺めていると、相変わらずの女性ファンの歓声と同じくらい、子どもの声が聞こえることに気がつく。
ふと、観客席にいた女の子が目に入った。
お父さんに肩車され、ショートの個性による氷の礫がキラキラ光る擬似的なダイヤモンドダストに目を輝かせてみるみる笑顔になっていく。
ショートが出した炎の形を操って空中に円を描いたり、文字を示したりと炎によるショーを繰り広げた。
氷と炎により、幻想的になったその空間。
さらに笑顔になっていく子どもたちの顔を見て、不知火は静かに笑みをこぼした。
時期が時期なら間瀬垣の納涼ゴチンコ祭を舞台にしたかった…