時は流れ6月最終週 ──……
期末テストまで残り1週間を切っていた。
「テスト勉強進んでる?」(中間4/20)
「_コクリ」(中間2/20)
「勿論です!」(中間1/20)
「まぁ計画通りには進んでるけど…」(中間6/20)
「相変わらずかなりハイペースで授業が進むからそっちの復習が疎かになるよな」(中間7/20)
__計画的に勉強する者。
「体育祭やら職場体験やらですっかり頭から抜けてたわ」(中間11/20)
「こっからの詰め込みが勝負だよね」(中間8/20)
「みんなで教え合って頑張ろう!」(中間12/20)
「ま、なんとかなるでしょ〜」(中間5/20)
これから勉強に取り組む者。
「やばいっス…!!」(中間16/20)
「やばいやばい!」(中間18/20)
「全然なんもやってなーい!」(中間14/20)
焦りを露わにする者……
「焦っても何も変わらん」(中間19/20)
「あははっ詰んだかなー!」(中間17/20)
「テスト…?ナニソレ?」(中間20/20)
…そして、絶望的なはずなのに何故か平然としている者がいた。
「筆記はいいとしても、問題は実技だよな」
「例年のケースだと決められたペアで先生とのバトルらしいよ。天哉兄が言ってた」
「本当ですか!?2:1とはいえ先生相手となると……」
「ってか御門ってまだ帰ってこねーのかよ?連絡も返さねーしよォ」
「彼なら敵との交戦で受けた傷を治療してるよ。連絡が取れないのはスマホが壊れたかららしい。心配ないで大丈夫だと昨日連絡が入ったんだ」
教室に入ってきた緑谷が話を聞いて総護の情報を伝える。
「また無茶したんだろうなァ…」
「そーゆうやつだからな。ま、アイツのことだし大丈夫だろ」
「心配ですね…」
「大丈夫かな?」
「帰ってこれないってことは結構重症ってことだよね?」
「そっか、帰ってこれるならこっちでリカバリーレディに治療してもらったほうが早いもんね」
(……大丈夫かなぁ…)
──
ヒーローコスチュームを着て集まる1-A生徒たち。
相対するは緑谷と相澤、そしてオールマイト。
「それじゃあ、演習試験を始めていくよ!この試験でももちろん赤点はあるから、気を引き締めて頑張ってね!」
ペアでの先生との戦闘訓練という事前情報から、先生がずらっと集結しているか予想していた生徒たちだったが、目の前には3名しかいないことで違和感を覚えた。
「諸君なら事前に情報を仕入れて何するか薄々と分かっているだろうが...」
「対先生とのチームアップバトルでしょ!?」
「誰とペアなんだろ…」
「にしては先生の姿が見えないけど…」
「残念!!諸事情あって今回から内容を変更しちゃうのさ!」
と、相澤の捕縛武器の中から校長が現れて宣言する。
敵活性化の恐れのある社会情勢故に、これからは対人戦闘・活動を見据えた、より実戦に近い教えを重視していくという方向性により生まれたこの試験方法だったが、今後は現場と教育現場の連携を強化し、次世代のヒーローを育てていくという狙いも兼ねた施策。
「先生たちに加えて、"現役プロ"との戦闘訓練さ!」
「「「現役の…トッププロヒーローとォ!?」
生徒たちは驚嘆の声を上げた。
「尚、ペアと対戦するヒーローはすでに決定済みだよ!動きの傾向や個性、成績を踏まえて独断で組ませてもらったから発表していくね!」
未蜘蛛 & 森林 VS ショート
堤 & 又旅 VS テンタコル
久世 & 暗陰 VS ファントムシーフ
叶 & 宇多 VS プレゼント・マイク
永禮 & 斬鉄 VS エクトプラズム
玉城 & 威叫 VS セメントス
鎖々木 & 来栖 & 霧幻 VS ツクヨミ
照元 & 活真 VS インゲニウム
洸汰 & 天駆 VS ダイナマイト
「ヨロシクな?ウォーターホース…!」
掌を小爆発させて洸汰を威嚇する爆豪。
その後ろにいる各先生方やプロヒーローも戦闘体制だ。
_ゾクッ………
トップヒーロー揃い踏み。
その迫力は言い表すことができない凄みがあった。
「危ねぇ!ギリギリ間に合ったァ!」
いきなりその場に現れた、肩まで伸びた長い髪を後ろで縛った男は振り返るとニッと笑って挨拶して来た。
「みんな、久しぶり!」
「「「………」」」
みんなポカンとした様子で何も言葉を発さない。
「え、みんな声帯取れちゃったの?」
「あの〜、えっと…誰っスか?」
「……え?…こんな短期間で忘れる?御門総護だよ!」
「「「え……ええぇぇ!!!!」
ユニゾンした声に若干身体を押される。
生徒たちの驚きはともかく、先生方も目を大きく見開いていた。
「御門…いつ帰った?」
「えっと…さっき?」
「学校に連絡はした?」
「俺、スマホ壊れちゃったので…造利が連絡しといとやるって言ってくれたので言葉に甘えたんですけど、その様子だとまた作業に没頭してしてないみたいですね」
聞けば、特殊なケースであるが期末試験には間に合わないと踏んで、期末の実技試験は免除扱いになったようだった。
筆記試験に関しては、送られてきたマークシート式のテストを小型ドローンで撮影させながら解答した。
授業に出られなかった分、点数が下がると思われるかもしれないが、緑谷が送ってくれた授業映像を録画したものを視聴することで追いつくことができたし、むしろ暇な時間でいつもより勉強ができたぐらいだ。
皆は色々言いたいことはあったようだが、ぐっと飲み込んで試験モードへと心と頭を切り替え、それぞれバスに乗った。
総護はリカバリーレディと共にモニター室へ移動した。
「ひどいよみんな…ちょっとコスかえただけじゃんかよ…」
「…ひとまわり成長したみたいね…髪も伸びてたし、気づかなかったわ」
「個性を使用した治療の副作用で髪も伸びちゃったんですよ…切ろうかとも言われたんですけど、せっかくなんでこのまま来たんです。どーです?似合ってますか?」
「うーん、私はさっぱりしてた方がいいと思うわ。ロン毛はちょっと…縛ってる時はなんというか、大人っぽく感じるわね」
そんな雑談をしながらモニター室で各試験を試聴した。