好奇心で首を突っ込んだら攻略難易度ルナティックの黒幕美少女に目を付けられた件   作:ああああああ

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感想、評価ありがとございます。


第7話

あの日以来、輝夜に誘われ木坂と三人で昼を食べる時間が増えた。邪推もされたが、木坂といることが功を奏した。

 

「なあ、語。輝夜ってさ、本当にオレらと同じ高校生に見えるか?」

 

ある日の昼休み、輝夜が離席したタイミングで木坂が小声で語に尋ねた。

 

「…どういう意味だよ?」

 

語はスマホに目を落としたまま答えた。

 

「友達といて笑ってる時、いつもニコニコしてるけどなんか違うっていうか………嘘臭い?語、わかるだろ」

 

「まあ、心の底からの笑みではないだろうな。人形みたいだ。それに周囲が浮かれてる時も冷静すぎる」

 

輝夜はいつも優れた容姿と反応で周囲を魅了し、誰にでも平等に接する。しかし、その笑顔には常に薄い膜が張られているようで、感情の波が一切見えない。クラスの誰かが失恋して泣いていても、テストで絶望的な点数を取って落ち込んでいても、彼女はただ静かに、違和感なく、その場にいるだけだった。共感しているような素振りは見せるものの、教科書に書いてある模範解答をなぞっているかのような不自然さがあった。

 

「………何でだと思う?」

 

「まだ、わからん。木坂は知ってるのか?」

 

「まあ、仮にも彼氏役だから。察しはつくよ。でも確信がないんだ」

 

「なあ、何で彼氏役をしてたんだ?ワンチャン狙い?」

 

すると木坂は吹き出すように笑い出す。

 

「アハハハハハ!ワンチャン、ワンチャンか!どっちかというと輝夜に興味がないからだろうね。好きな人の気を引くために輝夜と付き合う振りをしているんだよ」

 

「なんの話してんの?」

 

ちょうど輝夜が戻ってきたタイミングで大声が響く。男子が喧嘩をしていた。

 

軽いじゃれあいを通り越して、感情的になって声を荒げた時だった。昼休みということもあり、人が多く何人かが仲裁に入った。

 

輝夜はただその光景を静かに見つめていた。まるで、演劇の一幕でも見ているかのように、無表情で。

 

「月歌は何も思わないのか?」

 

「月歌じゃなくて輝夜。友達なんでしょ?下で呼んでよ」

 

「そんなルールは知らない」

 

輝夜はゆっくりと語の方に顔を向けた。口調は不満げで頬を膨らませたようだがその瞳は、やはり何も語らず、ただ語の姿を映しているだけだった。

 

「………心配してるよ。喧嘩は怖いし、悲しいことだから」

 

外面は完璧、しかし転生特典で感情を見ると、感情がこもっていなかった。

 

「教科書の朗読か?」

 

「………アタシ間違ったこと言った?」

 

「模範解答すぎて嘘だってわかる」

 

「今までバレたことないんだけど。やっぱ、朝凪結芽の傍にいるだけあるよ」

 

「お前は朝凪のことを何だと思っているんだ?」

 

「あれはあれで特別な人間だと思ってるよ。不自由そうだけど」

 

 

 

1:イッチ

うーん!これはやべー女。何せ、転生特典なしではやばさがわからない。笑顔が胡散臭い以外は完璧な擬態だ。ですが、ここで転生特典のフィルタを通しますとー、心の中は静寂そのもの。何だお前!どうしたらそうなるんだ?

 

2:名無しのパンピー転生者

怖いのは黒幕の方だけど

 

3:名無しのパンピー転生者

………うん

 

4:名無しのパンピー転生者

輝夜は原作ヒロインとしては割りと闇深だから?

 

5:名無しのパンピー転生者

まあ、はい。

 

6:名無しのパンピー転生者

ラスボスからのアクションは?

 

7:イッチ

「輝夜に興味を抱くのは理解できます。君があの子に何をするのか見せてください。しばらくはそれを楽しみとしますよ」

こんな感じ

 

8:名無しのパンピー転生者

おー

 

9:イッチ

ネタバレは求めないけど、輝夜は感情がないのではなく、わからないで正しい?

 

10:名無しのパンピー転生者

これは説教では

 

11:名無しのパンピー転生者

 

12:名無しのパンピー転生者

80点

 

13:名無しのパンピー転生者

おしい

 

14:名無しのパンピー転生者

事件がないと物足りない

 

15:名無しのパンピー転生者

輝夜は解釈次第な設定だから扱いが難しい。

 

16:イッチ

これからどう仲良くなるか、安価します!

 

17:名無しのパンピー転生者

翻訳 早く終わらせて戻って来いでは?

 

18:名無しのパンピー転生者

 

19:名無しのパンピー転生者

安価?

 

20:名無しのパンピー転生者

キター(゚∀゚)

 

21:名無しのパンピー転生者

何?

 

22:イッチ

>>34

 

23:名無しのパンピー転生者

嘘だろ

 

24:名無しのパンピー転生者

文化祭に誘え

 

25:名無しのパンピー転生者

家に凸

 

26:名無しのパンピー転生者

趣味関連で

 

27:名無しのパンピー転生者

口説く

 

28:名無しのパンピー転生者

趣味の話で

 

29:名無しのパンピー転生者

ホテルで

 

30:名無しのパンピー転生者

木坂を上手く使ってデートやろ

 

31:名無しのパンピー転生者

そら、事件を探さないと

 

32:名無しのパンピー転生者

黒幕呼んで三人でデート!

 

33:名無しのパンピー転生者

あかん

 

34:名無しのパンピー転生者

カフェデート、ゲームセンターアフター、お持ち帰り

 

35:名無しのパンピー転生者

木坂とラスボス呼んでダブルデート

 

36:名無しのパンピー転生者

これはまたカオスな状況で離脱するな

 

37:イッチ

難易度!最後は無理やん!成功した後もやばいだろ

 

 

 

 

 

 

148:イッチ

おい!もしかして、月歌輝夜は味覚に異常がある?無表情を破りたくてコーヒーの砂糖と塩を入れ換えたはずなんだけど!

 

149:名無しのパンピー転生者

味覚障害というか、自分の感覚を信じれなくなっているというか。自分に対する不信で壊れてる感じ

 

150:イッチ

馬鹿野郎!!!!!闇が深いわ!想像より地雷?

 

151:名無しのパンピー転生者

ようやく気が付いたか

 

152:イッチ

踏まないためにも全部暴かないと

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後悔の味というものを想起した時、人は何を思い浮かべるのだろうか。語は今この瞬間に飲んでいるコーヒーを思い浮かべるだろう。

 

まさか、ここまでとは思わなかったのだ。ここまでメンタルを犯されているとは思ってもみなかった。

 

「アタシ、コーヒーって見た目が好きじゃないんだよね」

 

そう言って砂糖の代わりに塩を入れたコーヒーを飲み干す輝夜に寒気すら覚える。語は安易にこの悪戯を仕掛けたことを後悔していた。取り敢えず、その無表情をくずしてやろうと、砂糖の代わりに塩を渡したのだ。

 

正常な味覚を持っていれば、塩辛いコーヒーなど飲み続けられない。否、仮に正常な味覚を持っていて、それでもなお飲んでいるのだとすれば寒気を覚える。

 

輝夜はコーヒーを飲む。最初は意趣返しかと思っていたのだ。だが、転生特典を使用して間接的に少女の感情を読んだ少年はそれが誤りだと気が付いた。

 

「………なあ、月歌ってさ。笑わないよな」

 

「普段は笑ってるよー。これでも」

 

「作り笑いを浮かべてか」

 

輝夜はコーヒーの残りを飲もうとしたが、カップが空になっていることに気づき、ソーサーに戻した。カップはソーサーに当たって、予想もしなかった大きな乾いた音を立てた。

 

「ふーん。そういう話がしたいんだ。………アタシさ、人に共感できないんだよね。楽しいとか、嬉しいとか理解できても共感できない。普通は嬉しがる場面だとは理解できるからそれっぽく振る舞ってんの………」

 

「昔からか?」

 

沈黙が降りる。語のアイスコーヒーの容器から流れる水滴が、下に引いてあるナプキンを重く重く濡らし始める。

 

「さあ………どうだったかな」

 

輝夜は口を開き、音を出そうとして再び黙った。

 

殻だ。固い殻が心を覆っている。きっと、この殻を割らないと始まらないのだろう。

 

「なあ、これからゲーセン行かない?」

 

 

 

 

 

「いやいや、おかしくね?」

 

輝夜はゲームがうまかった。

 

レースゲームでハイスコアを出し、音ゲーでフルコンボ、ダンスゲームで異次元の動きを再現していた。エアホッケイや対戦系の格ゲー、語が相手でも全勝。

 

「残念。アタシの勝ち」

「え?は?いや、何だ今の動き?熟練かよ」

 

「語、ハンドル握らない方がいいんじゃない?」

「お前こそ!法定速度守れよ!」

「法律遵守マリ○カートじゃん」

 

「馬鹿な………筐体壊れてるのか?」

「格の差、見せちゃった?」

「うるせぇ」

 

ただ、相変わらずの無表情。

 

「ちなみに、俺の前だと無表情なのは理由がある?」

 

「普通に表情作るの疲れるから。もしかして嫌?」

 

輝夜は飴玉を舐めながらそう答える。嘘はついていないが誤魔化したように思った。

 

「別に。作り笑い似合ってないし。なあ、他にやりたいことないのか?」

 

語の言葉を聞いた輝夜は薄く笑ったように見えた。その後、視線を彷徨わせる。

 

「あー、ユーフォーキャッチャーか。俺は苦手だけどできそうか?」

 

彼女が凝視している店頭の筐体に気づいて彼がそう聞くと、少女は小さく首をかしげて。

 

「アタシ、やったことないから」

 

そう呟いた。

 

「………あれやろう。付き合ってくれ」

 

語の言葉に少女は小さく頷く。筐体には猫をモチーフにしたマスコットのキーホルダーが入っていた。

 

操作の説明をしながら、語はクレーンを動かす。輝夜の瞳はわずかにキラキラと輝いているようにも見える。彼はゲーム機にコインを投入する。ボタン操作でアームが動き出し、輝夜は真顔でアームの行方を追っている。

 

「普通に無理だな………月歌、任せた」

 

輝夜がクレーンを操作するが、結末は同じ。取りづらい筐体を選んだようで、ふたりも苦戦を強いられていた。

 

再度交代する。

 

語は、引っ掛けやすい位置にいる個体を狙って正確にアームを降下させる。狙いに違わずアームに挟まれ、取り出し口へと運ばれていく。マスコットを輝夜は息を殺して見つめていた。やがてマスコットが出口から顔を出したタイミングで、口を開いた。

 

「………なあ、この後予定あるか」

 

そう言って、語はマスコットを差し出した。

 

「ごめん、父親が今日は帰ってくるから門限は破れない」

 

語の渾身のお誘いは躱され、彼は安堵の溜息を吐くのだった。

 

 

 

 

 




注:深い意味はありませんが、ヒロインもスレの住人も嘘をつかないとは限りません。
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