お久しぶりですぅ…エンドフィールドと仁王3と鳴潮とゼンゼロと原神をやっていましたぁ。
まぁ、きっとみんな忘れてるだろうからこんな挨拶いらんかもしれないけど。
…デハ、サラダバーー。
あの後のことを話そう…端的に言うならおかゆと司は怒り心頭でやってきた教師各員にこっ酷く叱りつけられた。
訓練場の許可も取らずに何をやっているんだ、教室の壁を壊しやがってどうしてくれるんだ、というかそもそもあんな殺し合い一歩手前なことをするんじゃない…説教の内容を手っ取り早く言うのならばこうなる。
理由が理由なだけに何も言えない、誰が始めただとかそんなことは関係無い、真っ当な説教を前に何も言えなくなるのは人類共通の事柄である。
説教はそう長くは続かなかった…伝えなければならない事柄を怒りを以て伝えたその後はある程度の罰則を言い伝えてそのまま解散、停学や退学にならなかっただけ有り難く思うよという教師の言葉が嫌に耳に残った…というのが、司の感想であった。
「…それで? 結局どうなったの?」
そう疑問符を浮かべながら問いかけてくるのはあずきだ、ひょこっと顔を出すように司の顔を覗き込んでくるあずきに司はさも気にしていない…というか本当に気にしていないという態度を隠すこともなく言葉を返す。
「ざっくり言うなら異能関連への接触禁止ですね…訓練場の使用禁止に今月の大会への出場も禁止、もしも接触したら停学か退学にするんだそうです……まぁ、訓練所の方はともかく大会には最初から出る気無かったからノーダメージなんですけど」
そう言ってクツクツと司は笑う、何処か自信満々な様子で大会に出られると思うなよと言ってきた教師、その姿を思い出すとどうにも笑いが堪えられないのだ。
最初から出る気の無かった大会、そもそも部活に所属していないのだから出られる訳が無いのに、それが分かっているはずなのに何故にあぁも自信満々に言ってきたのかと司は笑みを浮かべながらも首を傾げる、はてさてあの人は何がしたかったのかと疑問符を浮かべる。
そんな司にあずきはふーんっと声を漏らす、何処か拗ねたような声色と表情で此方を伺う先達の様子に司はキョトンっとしたような表情を浮かべた。
「どしたんですか?」
「べっつにー? そっかー、今回も出ないんだ司くん〜…へぇー、そうなんだー…?」
露骨に態度を変えたあずきにさしもの司も困惑する、何が気に障るようなことでも言っただろうかと口を開こうとするその前にあずきがトンッと前へと跳び出る。
「私は、何時まで君を待てば良いのかなぁ〜?」
不機嫌そうに、拗ねたように、頬を膨らませながらビシィッと自身の後輩へと指を突き付けた時野あずきに、司はたじろいだ。
「あずきは君のこと、ず〜っと待ってるんだけどなぁ〜?」
突き付けた指をくるくると回す、まるでトンボにそうする子供のように目線ど真ん中でぐるぐると回される一本の指に、司は苦笑いを浮かべながら僅かに一歩引いた。
どう言えば良いのか分からない…そもそも待つとは何のことなのだろうか、一体目の前の先輩は自分の何を待っているのか…いやまぁ、話的に大会に出るのを待っているというのは分かっているのだが、しかしそれでは説明がつかない。
何故なら槇村司は時野あずきとそんな約束を結んだ覚えはない、仲の良い先輩後輩の関係を築いてこそいるが、逆を言うのならばそれ以上の関係性は築いていないのである。
ならば目の前の先輩が何やら勘違いしていると思えば良いのか…それなら楽だが司本人がそれを忘れていないという確証も持てないのが世の中の辛いところである。
何がと言ってしまえればそれで良いのかもしれないが、生憎司にはそんなお強い心臓を持ち合わせてはいない、よしんばあったのだとしてもそれはハリボテ上等の弱々心臓であろう。
沈黙が続く、冷や汗を流しながらどうしようかと悩む司にあずきはふんっと鼻息を鳴らしたかと思うと突きつけていた指を外し、やはり拗ねたような表情を浮かべる。
「
そう言ってあずきはトテトテと歩き出していく、先程までのやり取りなぞ無かったのだとでも言う様に、さも当たり前の様に靴音を鳴らしながら前を歩き出したあずきに、司は小さくため息を吐き出した。
自分は何かを忘れているのだろうかと、そんな不安を内に秘めながら。
夜だった、夜更けも夜更けである。
時間も経って時刻は夜中、帰路に付いていた司とあずきは其々別れて自らの家宅を目指す、あのあとも特にこれと言った出来事もなく不機嫌だったあずきの様子もある程度は回復していた。
会話もそれなりに弾み、分かれ道で分かれる頃には互いに笑みを浮かべてまた明日と、学生らしい挨拶を投げかけ合いながら足を進めてそれで終わりと…そう言った感じだった。
槇村司にはあの後、特にこれと言った事は起きていない…知り合いから電話が掛かってくることも無ければ唐突に鬼娘に襲われると言ったこともない…特に何も無い日常を過ごして槇村司の夜は終わりを迎えた…少なくとも、槇村司の夜はそれで終わった。
…だがしかし、時野あずきの……魔王の夜は、これからだった。
眼下に広がる街の風景、夜ということもあって無数に灯る都会の灯り、遥か真上から見下ろすその光景はきっと綺麗な夜景と言われるような…そんな景色なのだろうと、何となしに彼女は思う。
吹き抜ける風が頬を撫でる、足をぶらぶらと宙に揺らしながら鼻歌を歌うあずきの声が夜闇へと溶けていく、上機嫌そうに身体を揺らしながら紡がれるその歌は、紛れもない熟達した人間のソレであった。
「───機嫌が良さそうですね、あずき先輩」
そんな歌声を遮るように、あずきの真後ろから響く声。
上機嫌そうに紡がれていた鼻歌はその声と共に止まり、次いで訪れたのは底冷えするような静寂、特に何かしたというわけでもないのに何故だか悪寒を覚えるような冷たさがそこにはあった。
「───…久しぶりココちゃん! 元気にしてた?」
振り返ったあずきが浮かべていたのは笑顔だった、この周囲を包む凍えるような気配を感じさせない程に綺麗な笑顔、会えて嬉しいと心底から思わせるような…そんなパッとするような笑顔をあずきは浮かべていた。
「えぇ、お陰様で……そういうあずき先輩は変わりませんね、相変わらずキラキラとしてる」
肌を刺すような冷たさは変わらない、笑顔を浮かべるその姿に吐き出すように笑みを溢す、何も変わらないなと言葉を投げる。
夜闇の奥から姿を現すオレンジ色の髪、その象徴とも言える尾と翼を揺らしながら悠々と歩いてくるココにあずきはよいしょと立ち上がった。
互いに浮かべているのは友好を感じさせる笑み、確かな友情を持った両者は互いに笑みを浮かべて再会を喜んでいた…喜んでいたはずだった。
どうしてだろう、何故だろう…きっと、その再会を見ていた傍観者が居たのなら、きっとそう口にした。
温かい再会のように見えた、口から放たれた言葉は全て再会を喜ぶ言葉でそれは疑いようもなく事実であるはずだった…なのに何故だろう、こうも寒気が湧き上がってしまうのは。
「…ウチの者に、手を出そうとしましたね?」
先に言葉を投げたのはココの方だった、明確な確信を以て向けられたその言葉にあずきはうーん…っと口元に手をやって、数瞬の後にパンっと目の前で手を合わせた。
「うん、出そうとした…ごめんね?」
そう言って笑みと共に謝罪の言葉を口に出す、ウィンクをしながらうっかりうっかりとでも言いたげな軽い調子のあずきに桐生ココは肩を竦めた───
「───ほざけ」
瞬間、閃光が奔った。
バシュンッと音が後から聞こえてくる、あずきの顔面の真横スレスレを光が通過して行った…わけじゃない。
そこは元々あずきの頭があった場所だった、あずきが僅かに首を傾げて射線から逃げていなければ今頃のあずきの顔には大きな穴が空いていたかもしれない…確実に殺す気だった、そう思わせるようなナニカがあった。
パンパンッと肩口を払う、まるで埃を落とすかのように気楽な表情のままに、先程まで命の危機にあったとは思えぬ程の気楽さで時野あずきは存在していた。
「…
「それもあるねぇ」
ココの言葉にあずきは世間話でもするかのような軽さで言葉を返す、その言葉の意味を知りながら時野あずきは何食わぬ顔で桐生ココと向き合っていた。
「戦力が足りないんだって…ココちゃんに続いてあくあちゃんにシオンちゃん…色んな人が一気に居なくなったっていくってタイミングでかなたちゃんにまで出ていかれちゃったから、流石に自前で補充しとかないともう間に合わないんだって」
コンコンッと響く靴先を叩く音、まるで外出する前の前準備のような動作にココはその瞳を細めた。
「だから、アイツに手を出そうとしたと?」
「うん…私自身が一緒に来てほしいって言うのもあったんだけど、それはそれとしてあの子はあの人の選定基準にガッチリ嵌まっちゃってたから…お陰で、私が何かするって前に向こうの方から引き抜いてきてくれって言われちゃった」
ごめんね? …そう言ってペロッと舌を出すあずきに対して、ココは大きくため息を吐き出した…面倒くさそうに表情を歪めて、酷く嫌そうな態度を面に出して、その瞳に宿した苛立ちを前面に押し出した。
「…アァッ…それで? だから
明確な苛立ち、ガリガリと頭を掻き始めたココの声は先のそれに比べて遥かに低かった…唸るような声が入り混じる中でしかしあずきはその態度を崩さない。
「ううん、そこは違うよ」
初めての否定の言葉、笑みを崩すことなくそう言ってのけるあずきにしかしココは問い質すことはもうしない…何故なら───
「───私と一緒に居てほしかったから、変えようと思ったの」
どのみち、目の前の女が自身の
瞬間、桐生ココの内側から莫大な量のエネルギーが一気に溢れ出す。
暴力的なまでのエネルギー総量、明確な現象となって現れたソレがあずきの服を揺らす、先の笑みとは心底から震え上がりそうな笑みを浮かべたココはその竜翼を大きく広げた。
「───知っていますか、『
瞳が燃えていた…そう錯覚してしまいかねない程に爛々と輝くその瞳、今にも圧倒されてしまいそうな程の力強さを持ったソレを向けられているあずき…否、AZKiと呼ばれた少女は底冷えするような笑みをその顔に貼り付けた。
「───竜って言うのは、自分の
爆ぜるエネルギー、オレンジ色の輝きが夜空を照らす、まるで炎のように眩く、チリチリと頬を焦がすようなエネルギーの奔流…それにAZKiはふと、口を開いた。
「うん…知ってるよ、ココちゃん……でもね、それならこれも覚えておいて」
シャランっと鈴の音が夜闇の中に鳴り響き、それと共に放たれていたエネルギーが霧散する。
音も無く、風も無く、何かしたという気配も無い…ただ漠然とエネルギーが霧散したという事実だけがそこにはある…誰が何をしたのかなぞ、言うまでもなかった。
「───魔王って呼ばれるのはね、何時だって自分勝手で我儘な人達ばっかりなんだよ?」
「───上等ぉぉっ!!!」
夜闇の下で二人の怪物が激突する…その勝負の行方を知るのは、満天の夜空の上に輝く星々だけだった。
なんか主人公書くよりもホロメン書いてる方が楽しいまであったような気がする。