闘技場のモブ(自称)は今日も頑張る   作:富竹14号

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 なんとなく書いてて思ったこと…ホロライブの小説は人気が出なくても時間が掛かっても必ず書こうと思った、呪術廻戦みたく半ば無理矢理完結させることだけはしないようにしようと思った…それだけの話である。


面白くもない人生語り

 

 

 大前提から言わせてもらうと、俺は所謂生まれ変わりというものを経験した、転生者と呼ばれる類いの人種だった。

 

 テンプレあるあるな神様とやらに出会った記憶は無いし、前世の親や友達、挙句の果てには自分のことすら覚えていなかったという出来損ないも良いところの人間ではあるが…不思議と産まれたその瞬間には自我があって、自分は生まれ変わったのだと直感的に理解していた…そういう類いの人間だった。

 

 そうして何も分からず、ただ明確な自我と言うやつだけを引き継いで産まれ落ちた俺は、自力で動き出せるようになるまでの数年間をただひたすら無気力に過ごした…逆を言ってしまえば無気力でいるしかなかったというのが正解なのだが。

 

 だって考えてみて欲しい、大の大人…かどうかは分からないけど、それでも明確に個を持った限りなく大人や青年に近しい思考回路を持った人間が見知らぬ女性の母乳を求めなくちゃいけないのである、哺乳瓶やら離乳食やらを飲んだり食わねばならないのである…ハッキリ言おう、キツイ。

 

 恥ずかしいし、何だか異様に悪いことしてるような気分になるし、母乳も離乳食もそこまで美味くないしで、良いところが一つたりとも無かった日々であったように思う…本当に辛かった。

 

 …話を戻すが、そうこうして辛い赤ん坊生活を踏み越えた俺はようやくと言ったように幼稚園だかに入ったわけなんだが…ここで俺は、初めてこの世界が明確に元いた世界とは違う世界なのだと実感させられた。

 

 何故か、簡単である…ケモミミと尻尾生やした幼女が普通に居たのである、何だったらエルフ耳も居たし背中から翼生やしてバッサバッサとしているような子も居たのである。

 

 ワチャワチャと戯れ合っているモフモフとした部位を持つ子供達、キャイヤキャイヤとお耳ピコピコ尻尾ブンブンと動き回らせながら遊び回る子供達…思考が止まったのを覚えている。

 

 後で知ったが、総じて『獣人種』と呼ばれる種族であった彼等彼女等は何百年か前にその姿を現して以降、幾度となく争いと対話を繰り返し続けたその果てに遂に共存を成し遂げたという、正にファンタジーのような存在そのものだったのだ。

 

 他にも悪魔やら天使やら龍やら、兎にも角にも空想上の生き物と言うやつの特徴を持った存在を全部纏めて『幻想種』…エルフやら妖怪やら、そう言った存在を纏めたものは『自然種』と、まぁそう言った風に大まかに三つの種族に分類分けされているらしい…因みにこいつらの一部もまた獣人種と同じく、数百年前まではバチバチに殺し殺されの関係性であったらしい。

 

 …まぁ、当然の如くそんなことを知らない当時の俺は何時の間にやら寄ってきていた獣人種の男の子に遊ぼっ! と元気良く手を引っ張られた挙句に泥んこになるまで遊びに付き合わされた、シンプルに楽しかった。

 

 そうこうして俺と同じく『人類種』に分類される子達に加えて獣人種の子達や自然種の子達、そしてその中に紛れていた僅か二人だけの幻想種の幼女二人組…これら組み合わせで以て俺の幼稚園生活は波乱の毎日を迎えることになったのたが…それはまぁ、何処かしらに置いておく。

 

 そうして迎えた十歳…幼稚園から繰り越しての友達と遊びに遊びを重ね、疲れ切っていた俺の耳にそれは当たり前のようにするりと俺の耳に入り込んできた。

 

 

───『異能』

 

 

 飛び起きた…飛び起きてそれが聞こえてきた場所に瞬時に走り出し、それを発したテレビへと俺は齧りついた…そうして明かされる、この世界のもう一つの常識。

 

 『異能』…それは呼んで字を書いたままの事柄、その者が持つこの世ならざる異常な力、この世の理を現し、そして理から外れる異型の力…それが、さも当たり前のようにこの世界に存在していたもう一つの非常識だった。

 

 何だこれは何なんだこれはと親に尋ねたのは記憶に新しい、困惑した様子で俺を見る両親とその他大勢の人間の目など気にせず、俺は大いにその情報を欲した。

 

 因みに困惑された理由に関してなのだが、どうもその手の話は幼稚園や当時通っていた小学校でとっくに明かされていた情報であったらしく、何故今になってそんな基礎的な情報を聞きに来るのか…と両親は内心で思っていたらしい……そして、恐らく俺はその手の話は右へ左へと聞き流していた、何故かは知らん。

 

 そうして手に入れた異能の情報を手早く言ってしまうのであれば……呪術〇戦の術式や呪力に似たような感じ…なのだろうか?

 

 異能を持つ者達が戦闘で使う力…題してエネルギーと呼ばれる魂の力、其々二種類に分類分けされるその力を駆使して異能使い達は戦う…他にも様々な系統やら何やらはあるが、そこは敢えて割愛する。

 

 まぁ…そうこうして未知の非常識にワクテカしていた俺はノリノリでそれら情報を貪欲に聞いては覚えて聞いては覚えてを繰り返して、挙句の果てには小学校の先生や同級生にまでその話を広げまくったのを覚えている…友達には急に異能に興味持ち始めたね? とか言われた。

 

 そうして異能について積極的に学びながら過ごした小学校生活、それらを終えて中学に入ってやったことは異能に関連した部活に入ることだった…まぁ、当たり前と言えば当たり前だろう、男って奴は誰しもファンタジーやら常識を越えた非常識に憧れるものなのだから関わり合いになりたいというのも真っ当な感性だったと思う。

 

 まぁ、入ってすぐの頃は普通に歓迎されたし大会にも出たり出れたりしたわけなのだが…俺の生まれ持った異能は特段使いやすいわけでも無ければ応用性に優れているわけでも無く、ましてやサポートとかそういう何かに特化していた訳でもないというクソ雑魚能力であった為か、新人が入ってきたタイミングで即行でスタメンから降ろされたりしたのだが。

 

 何処か申し訳なさそうな表情で見てくる他の部員達、新しく入ってきた新人だけが当然と言った表情で見てくる中で泣きじゃくりながらごめんね、ごめんねと謝ってくる先輩を必死に宥めたのは忘れられない思い出だ……因みに、何であんなに気に病んでたのかは今でも分かっていない。

 

 まぁ…そういった中学生活を送った果てに訪れた高校生活で……まぁ、ざっくり言うと色々な物事が複雑に絡み合った結果として、俺は実家を勘当された挙句に転校する羽目になった。

 

 いやいや待て待て、何があったと言われるのだろうが本当にこうとしか言いようが無い、本当に色んなことが複雑骨折気味に絡み合った結果としか言いようがないのだ…話せば長くなるから話しはしないが、それでも言いたいのは人間関係は非常に面倒臭いという一言だけである。

 

 

 

 …まっ、そんなわけでそうこうしながら生きてきた俺の人生、これをざっくばらんに説明するとするのなら……まぁ、これがこの世界に於ける落ち零れの人生…ってやつなのかもしれないなって感じである。

 

 ……まぁ…面白いか面白くないかで言えば………大して面白くもないんじゃないかなぁ……とか思ったりはする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───ピピピピピピピピッ!!!

 

 

 音が聞こえる、喧しく俺の耳の近くで騒ぎ立てるその音にうめき声を上げながら、俺は手探りで音の源へと手を伸ばした。

 

 ガシッと掴んだ四角い物体、液晶の向こう側に映る現時刻とアラームの停止ボタン、未だに鳴り響くアラームの音を鬱陶しく感じながらも薄らぼけた瞳を擦りながら何とかスマホのボタンを押してアラームを止める。

 

 欠伸を噛み殺す、大きく身体を伸ばして身体を解す、閉まっているカーテンを開けて朝日を取り込み、急速にやってくる眩しいその輝きに目を細めながら朝がやってきたことを実感していく。

 

「…………はらへった」

 

 服を着替えず冷蔵庫へと向かう、ぐ〜っと腹の音を鳴らしながら自分でも何処かボーッとしているなぁと思いながら適当な食材を取り出して台所へと持っていく。

 

 昨日の残り物である味噌汁の入った鍋を火に掛けながら卵の殻へと罅を入れて、器に落ちるように割って黄身を皿の中へと落とすと、適当な箸を何処からか取り出して卵を混ぜ合わせる。

 

 無機質に響く火の音をBGMに、喉の奥から溢れ出す欠伸を再び噛み殺しながら俺は混ぜ切った卵の中に醤油と出汁の素をちょいちょいと入れた後に更に混ぜ、それを予め火に掛けておいた四角いフライパンの上に投入した。

 

 ジュッーと響く卵の焼ける音、卵の焼ける匂いを嗅ぎながら沸騰したらしい味噌汁の鍋の火を止めて、ある程度焼けた卵をくるりくるりとひっくり返すという行動を二度三度と繰り返す…ある程度やったらまな板の上に叩くようにして置いて少し冷めるのを待つ。

 

 その間に取り出したるは茶碗である、炊飯器を開けて冷めきった昨日の残り物である米、丁度一杯分程残されたソレを全て茶碗の中に納めた俺は中の釜を取り出して台所へと持っていき、その中身を水道水で満たす、フライパンにも同じようなことをする。

 

 焼いた卵…というか玉子焼きが丁度良い感じに冷めているのを確認したら包丁で適切な大きさに切り、更に適当に置いていく…全部終わったら包丁もまな板だけはざっと洗剤とスポンジで洗って水切りラックへ置いていく。

 

 コップを取り出してお茶を淹れる、また出てきた欠伸を噛み殺しながら床に座り込み、目の前に広がる冷たいのと温かいものが一緒くたになった朝食を見つめ…呟いた。

 

 

「いただき……ます…」

 

 何処か寝ぼけた様子で言葉を発する俺、手を合わせることも無く徐ろに箸で米を掻き込んだ後に味噌汁を飲む、冷めた米には温かい味噌汁が最適だと何処かの漫画で見たことがあったが故の行動だった。

 

 モグモグと咀嚼する、自分で作ったものであるだけに特にその味に何かを感じることはない、まぁそれなりに美味しく出来たよなぁっと言った感じである…玉子焼きもまた同様。

 

 モグモグムシャムシャ、時折コップに手を伸ばして喉を潤しながら、ただただ無感動に食を進める…そうして食い終わった皿を台所に持っていって、予め水に漬けておいた鎌とフライパンを洗い、ついでに空になった味噌汁の鍋も洗う。

 

 水の音だけの静かな空間、時折キュッキュッというスポンジの音だけが異様に辺りに響く…そうしてある程度終えた後、俺は食い終わって空になった食器を水に漬けて、その場を後にする。

 

 パジャマを脱ぎ捨て学校の制服に着替える、転校してからは一人暮らしとなった為に誰かに挨拶するということは無い…その事実に若干の寂しさを覚えながら俺はある程度覚めてきた意識の中でテキパキと制服を着込んでいった。

 

 スマホを見てみれば丁度良い時間帯、今から出れば何時も通りの時間には高校に着いているだろうその時間を見て、俺はスマホを学生鞄の中に放り込み、玄関へと向かった。

 

「…行ってきます」

 

 誰に言っているのか自分でも分からないその言葉を呟きながら、俺は革靴を履いてドアノブを捻る、外からやってくる眩しい朝の象徴にやはり眩しいと目を細めながら、俺は扉の向こうへと足を踏み出した。

 

 突如として鳴り響いた、スマホのコール音を耳にしながら。

 

 

 

 




設定について

 ハンター×ハンターとか呪術廻戦の設定を流用しようとして失敗したので別のホロライブ漫画の所から設定を持ってきた…言って良いか分からないけどラムネ花火さんと検索してくれれば作者が何を元にしたのかが全てが分かる。
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