目が覚めたらSAN値が見えるようになってた   作:Desktop poison

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好評につき前話を編集しました。
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ファースト・エンカウント

俺は普通の高校生、小野沢圭介だ。断じて不審者に目を付けられるようなことはしていなかったはずなのに。

 

いきなり超能力とか言われても何がなんだかわからないのである。

 

「…ええと、急に言われてもよくわからないんですけど…その、俺はサイコキネシスやらテレポートやらでお馴染みの超能力を授かったわけですか?」

 

「いいや、違う。君が授かった力は念力(サイコキネシス)瞬間移動(テレポート)発火能力(パイロキネシス)とはまさしく次元が違う。神の権能、その一端を行使する力だ。」

 

「神の権能とは?」

 

「それは言えないな、その神の一端でも語った瞬間君は正気を失い、私の全ての努力を無に帰させてしまうだろう。…そうだな、君がもう少し今の君を殺しきれたら教えてあげよう。」

 

そんな物を人の目に入れないでもらいたい。そして、俺は最も気になっていたことを聞く。

 

「それで、俺の超能力はどんな能力なんですか?」

 

「知らない。是非とも教えてもらいたいものだがね。」

その医者はそれがさも正解といった態度で言う。

医療関係者としては0点の回答であるが。

 

「俺には数字が見えます。あなたの頭の上に『0』が。」

 

「…なるほど。君はどうやら正気と狂気を見分ける能力を授かったらしい。正直、期待していた能力と比べ格が下がるものの有用な能力だ。」

 

「今の俺の言葉でわかったんですか?」

 

「ああ、瞳にまつわる伝承を持つ神は少なくてね、すぐに特定することが出来たよ。そうだ!君の異能の名前を決めてあげよう!男なら自分の能力に名前がついていたら興奮するだろう?」

 

「君の能力名は『常在顕性(ファースト・エンカウンター)』だ。診察書にもそう書いておくね。」

 

なかなかにかっこ良さそうな名前をつけてくれるものである。

俺の中で少しだけ医者の評価があがった。

 

「ああそうだ。もうすぐ君のお母さんが見舞いに来る頃だろう。私も忙しいのでね、席を外さなければ。」

 

そういって、医者はそそくさと病室をあとにした。

 


 

俺はどうやら超能力を授かってしまったらしい。脈絡は全くもって意味不明であり、夢のような話である。

まさか、中学二年生の俺も事故で超能力に目覚めるとは思うまい。

 

超能力と言っていいのか分からないほど地味であるが。

 

…いや、ホントに地味過ぎない?こんな能力じゃあ異能バトルもクソもないぞ…

 


 

しばらくして、誰かが入ってきた。

 

母の香りがする。しかし、

 

母、とは断言できなかった。

だって、

 

その足音は

 

その顔は

 

その体は

 

その触角は

 

その声は

 

その数字は───

 

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

 

なにも、聞き取れなかった。

意識が遠退くのを感じる。手から力が抜け、足は動かない。

 

『■■■値の減少を確認。減少量2。■■■値の急激な減少を防ぐ為、【記憶と認知の消去】を行使します。』

 

ナニカの声が聴こえる。それが自身の瞳から発せられていることは不思議とわかった。

 

『【記憶と認知の消去】…成功。続いて狂気の発生源の削除を試みます。』

 

視界がまっさらになる。何も考えられない。何も感じられない。

 

『【概念の破壊】…一部成功。対象から母性、狂気性を破壊しました。対象の脅威性が基準以下に減少しました。能力自動行使を終了します。』

 

目の前のX(正体不明)を観察する。

足が三本ついている。コンクリートみたいな灰色の皺だらけな顔を持つ。その身長はおよそ八尺。頭に1本の触角を携えているが機能は不明。何かしらの言葉は発しているものの判別不可能。

 

結果(リザルト)

 

目の前に居るのは化物である。断じて母ではない。そもそも俺に両親はいなかった。偽物だ。贋作だ。

 

化物の頭上には『-10』と浮かんでいる。

今まで俺を欺いてきたやつを生かすわけにはいかない。

 

コイツはここで殺す。

 


《Topics》

異能:[狂気の邪眼『常在顕性(ファースト・エンカウンター)』]

説明:第三等級異能。狂気の邪神、その権能のほんの一端。

観た物の正気度を明らかにし、対象の正体を看破する。

常時発動。破壊不可。

所在:小野沢圭介の右目

 

────以上博士の分析レポート。

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