歪んだ夏油傑 作:外道傑
〇〇月某所
ミンミンミンと、蝉が鳴いている。
えーんえんと、2人の姉妹が泣いている。
「この2人です!」
「近頃の異常の原因はこいつらなんでしょう!?」
「早く殺してちょうだいよ!」
村を案内した老婆が唾を飛ばし、あの時殺していれば、と憎悪の声を上げる。 この村では呪霊が発生し、被害を受けていると報告されたため夏油傑が派遣されたものの……
老人や、若人。 その全てが姉妹に敵意を向けていた。
夏油傑の心の奥底で、ぐるぐると悪い考えが回る。
こいつらは人間ではない、猿だ。
こいつらを殺し、この村を跡形もなく破壊───
ふと、姉妹の姿が目に入った。
怯えた7〜8歳程の小さな女の子。
服は擦り切れ、肌や髪、爪は泥だらけで汚れている。
床は冷たく座敷牢であり、檻の中から目をお互い合わせている。
お互いを支え合い、相互に助け合って生きていたのだろうか、、なんてうつくしい愛なんだろう。
夏油傑は口を開いた。
「君たち、私と一緒に来ないかい?」
その言葉に希望を抱いて、2人の姉妹の顔は明るくなる。
しかしその言葉を聞いた座敷牢から1番離れた猿が声をキンキンと張り上げた。
「〜〜ッさっさと帰って!」
若い女。おそらくこの2人の母親か。
非術師の可能性が非常に大きい。
術師ならば残穢*1について理解しているだろうし、高専などの組織がある事が分かっているだろう。
これはおそらく非術師の家から術師が出た、私と同じパターンだ。
嘆かわしい。 ああ実に嘆かわしい。
何故こんな目に幼い子供が合わなければならないんだ。
やはりこの世界は歪んでいる。
私が、是正しなければいけない。
どうやって?
私が、この世界を征服すればいい
──夏油くん。それはアリだ。
呪術界上層部は恐怖した。
補助監督より舞い込んだ
特級呪術師、夏油傑は〇〇村で発生した呪霊事案を対処した後、住民を皆殺しにしたとの報せ。
特級呪術師、そう認められる要因は1つ。
単独で国家を転覆させるに至るほどの武力、又は術式
この夏油傑は呪霊操術という極めて稀な呪霊を意のままに操る術式であり、公式な呪霊操術の所持者出現は平安時代中期以降確認されず。
上層部は対立を重ね複雑な関係の螺旋を描いているもののこの脅威はまずい。 万が一、万が一でも自分を殺しにくる可能性が……!
脅威を前にしてひとつになった上層部が下した判断は1つ。
夏油傑は特級呪詛師に認定、最優先排除特例を出す。
■
side 五条悟
「は…?なんだよこれ」
スマートフォンに舞い込んだ1件のメール。普通のスパムメールだったのなら良かったがこれは術式で保護されたスマートフォン故にスパムメールは届かない。
【緊急】 夏油傑呪詛師化
特級呪術師、五条悟は速やかに夏油傑を排除すべし。
生け捕り不可、絶対に殺せ。
要約すればこうだ。
「チッ、上層部のやつらデタラメを…!」
だいたい傑がそんな簡単に呪詛師落ちするか。傑は俺の親友で、そんな兆候なんて今まで見たことすらなかった。
俺はどうしたらいい?
わからん、わからん、わからん!
室内にあるテーブルを混乱と上層部への憤りによってたたき割り、上の飲み物がこぼれる。
カーペットに付いたシミが落ちないように、紙にこぼしたインクが消えないように 確かに、 五条悟の曇りなき心に1点の黒点が発生した。
「ふぅーん、それで私に手伝って欲しいって?」
電話先の相手は喜色に塗れた声色で応答する。
「ああ、、そうだ。」
「上層部を暗殺し傀儡にすげ替えてほしい」
わかったさ、と言った電話先の相手。
「頼んだぞ、」
「羂索」
「ああ。解っているさ、夏油傑。」
■
「金は幾ら出せる?」
「前金5億、達成したら追加6億。」
「仕事ぶりによってはさらに追加で最大15億だ 」
「武器はこっちが持ってるから要らねえ、コレよりいい武器があるかどうか知らねぇしな。」
「仕事内容はわかったぜ、夏油傑。」
「失敗するなよ、禪院甚爾」
「今は禪院じゃねぇ。伏黒だ」
「それより───
■
「ミゲル、着いてきてくれるかい?」
「ああ、ワカッタよ夏油。」
「
「相手はあの
■
「チッ、カスが」
自らの術式、投射呪法によってマッハを超える勢いで自らの肉体を加速させる禪院直哉。
空気を割り、ソニックブームに相手を巻き込みタックルを行う。*2
必殺技の1つであるが、、これを使う理由があった。
「なんで一般育ちの呪詛師なんかが襲撃かけてんのや?」
「身の程知らずにも程ガッ!?
頬に衝撃が走る。 警戒はしていたものの無警戒の領域から攻撃が飛んできた。
(ゴム弾か?)
(いやそれよりもこの禪院次期当主の顔に傷を…!)
「恥を知れ!」
その瞬間、急に窒息感が禪院直哉の顔を覆う。
丸ごと首から上を水没させられている様な気がする。
(奴は呪霊操術、術式を持った呪霊か!)
「タネが割れたな、クズが」
顔を呪力で集中防御し、余裕たっぷりの笑みを浮かべ──られなかった。
未だ続く窒息感。
「さっさと殺せや、カス。」
そして術師本人を殺せば連鎖的にこの攻撃も止まると判断して恐るべき攻撃が飛ぶが……
夏油傑はフィジカル強者。
なんというか純粋にゴリラ。
身体能力で言えば現段階でパンダと同じ所までいる。
呪力を込めないでこれだ。
まあそりゃ呪力を込めれば数倍に跳ね上がる攻撃力、防御力は禪院直哉、いやドブカスによる攻撃をシャットアウトした。
「ッ!」
今度は全身が熱い。 溶岩に入れられているように熱い。
いや、身体が発火した。
「がああああああ!」
ドブカスは辺りを64倍速で走り回る事で見えなくても攻撃する戦術を試しているが夏油傑は普通に併走可能だ。
(嘘だろ!マッハ3だぞ!)
「気は済んだかい、禪院直哉」
「私の下に付け」
「悪い様にはしないさ」
「すこしだけ工作はしてもらうけどね」
禪院直哉のプライドはへし折られ、塵と同じ……それは塵に失礼、塵未満の価値になった。
そして禪院直哉は夏油傑に隷属した。*3
夏油傑の中に渦巻く計画。
それはこの世界をどう包むのか。
乞うご期待!
女は3歩後ろを歩けなどと口を開けばクズ発言のごった煮。多分だけど非童貞で早漏
ちなみに止めなかったらそれに加えて爆竹人形口内破裂されていた。 恐るべき美々子。
エターナルの心配はしなくていいぜ、兄弟、面白かったら感想をください…