歪んだ夏油傑 作:外道傑
えへへ
0:00 渋谷スクランブル交差点
ザワザワとした雑踏。 悲鳴が上がり、人々の中には驚愕が渦巻いている。
「おい!これ本当なのかよ!?」
「!?」
「ドッキリなの…?」
非日常感の塊のニュース、空に浮かぶ巨大な鳥。*1
「今から皆さんには──
殺し合いをしてもらいます」
袈裟を着た福耳の男。
空に浮かぶ大きな鳥からスピーカーで話しかける男はスクランブル交差点に往来する人々に殺し合いを告げる。
「みんな何が見えてるの?」
「ちょっととぼけないでよ、絶対あれヤバいやつだって!今からでも逃げないと間に合わないって!一緒に行こう!」
グイグイと手を引っ張ったその次の瞬間、手を強引に振りほどかれる。
「痛い…痛い痛い痛い! あーもう!」
「ふざけないでよ!」
辺り1面怒りで満たされた感情をしている女子高生や高校生カップル。 今日は12月25日、クリスマスイブだ。
浮ついた表情で話しかける男や女は簡単に怒りに満たされ、急激な身体能力の上昇を見せている。
「縛り1 対象はカップルなどお互いに愛をもっていること17~20歳までの間の年齢」
「縛り2 解き放つ呪霊は1人だけ」
「さあ行け…黒淋死」
袈裟服の男、夏油傑はスクランブル交差点にゲームチェンジャーを投入した。
通常、人は呪力を持つが呪霊は死の瞬間や危機に陥った瞬間にしか発見できない。 しかしながら呪霊は濃厚な呪力に包まれた空間でなら
「え?」
瞬きの瞬間現れるゴキブリの群れ。
それは、なんとあの広大な渋谷スクランブル交差点をももってして覆い尽くす程に数が多い。
ギチギチ、カサカサと触覚や足を動かしゴキブリの上にゴキブリが重なる生理的嫌悪感の床。
「うう、…っ!」
人間の生理的な反応、虫に対しての嫌悪感。
呪霊はマイナスの感情を向けられるとより強くなるという特性がある。 例えば、蝗GUI。 け中東などで発生した呪霊だが相当に強く、準1級程度のパワーがあった。
天災の1つとして数えられるのは事実、バッタが穀物を食いつくし飢餓を呼ぶからだ。
ならば蜚蠊は?
ゴキブリというのは皆が恐れるおぞましい虫だ。
侮蔑の言葉の最上位にも及ぶネームバリュー。
アジア各地にも及ぶ生息域は世界に潜み、マンションの通風口やポストから人の生活域に侵入する。
つまり、ゴキブリは日常で蝗GUI よりも強いのだ。
その手に入れた畏怖は黒淋死を作りだした。
「名付けて…」
渋谷スクランブルの地を覆い、帳によって逃亡の夢を砕く。
東京都市機能を麻痺させる恐ろしい一手は、まだ始まったばかり。
黒淋死が個人的に1番生理的嫌悪感を覚えます