綺麗な花でも意外と花言葉が怖かったりするんですよね。
人が見かけによらないように、花も見かけによらない物なんですね。
LAD-T-Gypsophilia。
私の型番。
現在の管理者はアキト・ユウリ。
私のお兄様です。
実の兄では有りません、私は人形ですから。
いえ、お兄様がそう言ったので私のお兄様です。
反論は受け付けません。
さて、話は脱線しましたが彼との出会いは私が起動した時。
私達にとって起動とはこの世界に生まれる事と同意義であり、外見が大人でも人間の子供と同じです。
記録としての情報と経験からなる知識が違うように、私にとっては全てが初めてでした。
「おれがお兄ちゃんだ!」
お父様もお母様も微笑ましく見守る中、初めて彼が放った言葉、最初は理解できなかった。
しかし、彼はまだ子供でしたが、私から見たら大先輩です。
経験もなければ運用実績もありません。
しかし、彼は兄として私に経験を、知識を、世界を教えてくださいました。
所詮は大量量産品の人形に何故そこまでしてくれるのか?
そんな事を聞けば帰ってくるお決まりの言葉。
「おれはお兄ちゃんだから」
そう言って嘘偽りのない微笑みを見せてくれました。
私は全部覚えております。
お父様に二人でイタズラしましたね。
私が初めてスコップを使った日でした。
私、お兄様と一緒にするのが楽しくて穴を深く掘り過ぎて一緒に怒られましたね。
私の手を引いてお散歩に行った日のこと覚えていますか?
貴方より大きな妹の手を引いて色々なものを見せてくださいました。
虫取りもしましたね、私がお兄様を肩車して大きなクワガタ虫を捕まえましたね。
肝試しの時の事覚えてますか?
お化けが怖いのに私を守るために手を引いて前を歩いてくれた事。
雪の降った日を覚えてますか?
私が寒くないようにとマフラーを巻いてくれた時はとても素敵でした。
遠足のお土産でかわいい髪留めを買って来てくれた時も私はとても嬉しかったです。
料理も教えてくださいましたね。
私の得意料理はあの時教えていただいたホットケーキなんですよ?
お兄様が私を見守ってくださいました。
お兄様が私に世界を教えてくれました。
お兄様は私に色々なものを与えてくれました。
私を構成する経験はお父様、お母様だけでなく、お兄様も下さいました。
だからこそ、私は思うのです。
今度は私がお兄様を助ける番だと。
だから私はお兄様の職場に志願しました。
お兄様の為に戦闘用追加装備をマスターしました。
世界を見せてくれた掛け替えのない私のお兄様。
私がお兄様の望みを叶えてあげます。
だから、教えてください。
私の足りない所を、全て改善して見せます。
教えてください。
足りないものを、私が用意して差し上げます。
教えてください。
欲しいものを、全て私が手に入れます。
どんな些細な事でも、私が満足させて差し上げます。
貴方の望み通りに…