もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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肥大化巨大化成長

 

 

 

 

執務室にいるのは俺と木曾以外の球磨型。いや木曾だけハブとかじゃなくて単純に出撃中。次のカットまで台詞だらけになるからどれが誰の台詞かとかはまぁフィーリングで。

 

「なんか…体調悪いです」

 

大井がダルそうに言う。

 

「大丈夫ー?大井っちー」

 

「辛いなら今日の秘書は変わってもら…あ、いや今日秘書無しでもいいよ」

 

「なんて言ってサボるつもりでしょう?バレバレですよ」

 

「そんなことよりどんな風に辛いのさー」

 

「それが…体がダルイ、というより重いんでしょうか…」

 

「一応、体温計ってみるか。北上、そこの引き出しに体温計あるから取ってやってくれ」

 

「はーい」

 

「ちょっと!それくらい北上さんにやらせないで自分でやりなさいよ!」

 

「その台詞、ブーメランしてくるからな」

 

「はい、大井っち」

 

「ありがとうございます北上さん。提督はこっち見ないで下さいね」

 

「? なんで?」

 

「察しなさい!」

 

「お、おう?」

 

「相変わらずだねー提督は」

 

「どういうことだよ…」

 

ピピピピッ

 

「お、どーだったー?って全然平熱じゃん」

 

「大井、本当に体調悪いの?」

 

「悪いですよ!そんな嘘ついたってなんにもならないでしょ!」

 

「とにかく医務室で見てもらいな。北上、あの扇風機の前でダレてる熊と猫に運ばせて」

 

「だってさ姉ちゃん」

 

「ちょっと提督なんで二人がかりなんですか」

 

「嫌だクマ」

 

「自分でやれにゃ」

 

「いや大井は俺なんかに背負われたくないよね?」

 

「あ、当たり前です!」

 

「俺も嫌だもん。重そうとかじゃなくて…」

 

「お、重くありません!」

 

「分かったから。頼むよ球磨多摩。お前らの好きなあれ…鮭買ってやるから」

 

「仕方ないクマ」

 

「任せろにゃ」

 

で、なぜか担架を用意する二人。

 

「あの、姉さん?どうして担架なんて用意して…」

 

「いいから黙って乗るにゃ」

 

釈然としないながらも乗る大井。そんな様子を北上と見ながら言った。

 

「なんか、こう…違和感ない?」

 

「うーん確かに…いや決して太ってるとかじゃなくて…なんだろうね」

 

「とにかく、明石さんに見せるまでは分かんないな。こう…肥大化、巨大化?いや、成長?の原因?」

 

「ち、ちょっと二人とも!聞こえてますからね!特に提督!魚雷撃ちますから!」

 

「大井!動くなクマ!」

 

「重いにゃあぁ〜」

 

その瞬間、効果音で表しずらい音と共に床に穴が空き、その中に運んでる二人共々、大井は落下した。それを見ながら俺は北上に言った。

 

「なんか…あれ、太った?」

 

「私も今思った」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったくひどいクマ!」

 

「そーだにゃ北上!提督!」

 

プンプン怒ってるのは球磨、多摩。

 

「悪かったってば〜」

 

「まさか突き抜けるとは思わなかったんだよ…」

 

球磨は軽傷で済んだが、多摩は足を骨折した。その足を俺と球磨と多摩と北上はチラッと見た後、少し離れたところに座ってる大井をチラッと見る。で、ため息をついた。

 

「ち、ちょっと!なんですかそのため息!」

 

反応する大井俺達は冷たい目で返す。すると、うっ…と詰まったように黙り込む大井。

 

「大井」

 

「な、なんですか…?」

 

球磨が珍しく深刻な顔で言う。

 

「ハッキリ言うクマ。大井は太っている」

 

「ガーン!」

 

大井も口でガーンとか言うんだな…。

 

「このままじゃ出撃しても沈む一方、もしくはひっくり返って靴だけ浮いてるクマ」

 

「うっ…わ、私は太ってません!」

 

「認めろクマ!」

 

「嫌です!」

 

ぐぬぬと張り合う二人。止めようか悩んでると球磨が北上にアイサインを送る。すると頷いた北上は言った。

 

「私、太ってる人と一緒にいるの嫌だなぁ。臭いし暑いし見苦しいし」

 

その瞬間、大井の目が死んだ。そのまま涙を流す大井。おいおい、それやり過ぎじゃ…

 

「う、うぅ……」

 

「おい北上……」

 

開きかけた俺の口を塞いで球磨は続けた。

 

「大井、まずは現状を受け止めるクマ。そうすればいつでも痩せられるクマ」

 

「……はい」

 

そんなわけで、雪だるま体型大井っちの雪を溶かそう大作戦☆が発令した。溶かしちゃったら骨になっちゃうんじゃないかなー…。

 

 


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