もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

121 / 156
脱出ゲー

 

 

 

 

そんなわけで、俺は檻の中。どうすんだよこれまじでどうすんの?どうなるの俺?殺される?いや深海棲艦が一兆人掛かってこようが負けはしないだろうけどなんかすっごく落ち着かないんだけど。どうすんのよこれ。いやまじでどうすんの?いやどうするこうするの前にどうすんだよこれ。おいこれどうすればいいんだよマジで。てかだからその前にどうす…しつけぇよ。

と、自分に自分でツッコミを入れないと落ち着けないほど落ち着いていられない俺だった。そんな俺に掛かる声。

 

「あの……」

 

「曲者かァァァァァァッッッ!!!!」

 

「キャアァァァァァァッッッ!!!!」

 

俺の拳がその声の掛かった方へギュンッ!と向かう。が、声を掛けたのが先程の艦娘だと知って、なんとか寸止め。

 

「ご、ごめんなさい…大丈夫?」

 

とりあえず謝った。

 

「問題ありません」

 

とは言うが明らかに目に雫が溜まっている。

 

「わー!わ、悪かった!悪かったから泣かないで!ごめんごめん!」

 

「泣いてません」

 

「いや責めて涙拭いて言えよ」

 

「涙?なんですかそれ」

 

「や、そういうのは…まぁいいか。ってそうじゃない。君、名前は?」

 

「野分です」

 

「どこの鎮守府の子?」

 

「! なぜ、野分が艦娘だと分かったのですか?」

 

「え、だって俺……」

 

提督だもん、と言いかけたところで止まった。ここは敵陣のど真ん中だ。自分の正体をバラすのはマズイ。俺は床に指を突き刺して文字を書いた。

 

「提督!?あなたが!?」

 

「お前、筆記にした理由考えろよ。身分は隠しとけよ。ここは敵陣のど真ん中、アイドルっぽく言えばセンターだぞ」

 

「……申し訳ありません。ていうかなんで床に指が刺さるんですか」

 

「ここの床柔らかいんだよ」

 

「そうですか。では野分も…」

 

「いやお前無理してやらんでも…」

 

止めたが遅かった。俺よりも勢い良く床に指を突き刺す。案の定、野分の指は某暗殺教室の担任がぶっ壊した月みたいな鮮やかな急カーブを描いていた。

 

「〜〜〜〜〜ッッ‼︎‼︎‼︎」

 

「バカだろお前。じゃなきゃアホだろ」

 

すると、恨みがましいとでも言うような視線を俺に向けてきた。

 

「騙した」

 

「俺が?誰を?」

 

「柔らかいって言った」

 

「俺にとってはね?」

 

「詐欺です」

 

「え、どの辺が?ちょっと説明してもらっていい?」

 

「最低です」

 

「ふっ。言われ慣れてる」

 

完全にゴミを見る目で見られるが気にしない。

 

「と、そろそろおしゃべりはやめといて脱出しないとな」

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

「………ごめんなさい」

 

謝ってしまった……あれって俺が悪いのかな……。

 

「別に怒ってません」

 

「え?や、でも急に黙られたら…」

 

「怒ってません」

 

「…………はい」

 

「それで、どうやって脱出するつもりですか?」

 

「無理矢理」

 

「は?」

 

なに言ってんのこいつ?みたいな目で見て来る野分をほっといて、檻のあの、柵になってる感じの一本を握って無理矢理こじ開けた。

 

「………っ」

 

「行くぞ」

 

目を丸くして驚いてる野分に声を掛けておいて、勝手に檻から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

二人でペタペタと歩く。なんで室内なのに所々、水溜りがあるんだよ。途中でイ級やらなにやらと出会ったりしたが、全員気絶させた。「なんで殺さないのですか?」と当然の質問を野分に聞かれた。無論、俺はこう答えた。

 

「食わない奴は殺さねぇし、殺した奴は食う。それが俺のルールだ」

 

本気でゴミを見る目で見られた。まぁ実際、理由は似たようなもんだけど。そのまましばらく歩いてて思った。

 

「あの、野分さん?」

 

「はい」

 

「これ、どこに向かって歩いてるとかわかる?」

 

「は?司令が先頭を歩いてたんじゃないですか」

 

「え?あー…まぁほらアレだ。インペルダウンを脱獄する気分で階段見付けたら登ろうとか考えてたんだけど、その階段が一向に見当たらなくて…」

 

「つまり、テキトーに歩いていたと?」

 

「た、端的に言えば…」

 

言うと、思いっきりため息をつかれた。

 

「な、なんだよその態度!」

 

「なんで全く知らないどころか人間の住処ですらない要塞の中をテキトーに歩けるんですか!?」

 

「テキトーじゃねぇよ!人間、芯のある奴は目に見えない道があるんだよ!」

 

「んなこと知るかぁっ!どうするんですか!?野分は死んでもあなたと心中なんて嫌ですよ!?」

 

「じゃあ別々の道行けばいいだろ!今すぐ回れ右してそのまま直進しやがれ!」

 

「上等です!その代わり、野分が先に出口見つけても教えてあげませんからね!」

 

「え…それはちょっと困る」

 

「えぇっ!?ヘタレ!?」

 

「っるせぇよ!お前まったく知らないところ、分かってるのは敵陣のど真ん中ってことだけの状況で永遠に帰れなくなる恐怖を知らねぇんだろ!あれすっげぇ怖いんだからな!」

 

「それでも男ですか!?」

 

「軟弱者!」

 

「いやそれこっちの台詞です!」

 

なんてギャーギャー喧嘩してると、なにやらぬちゃぬちゃと嫌な足音。気が付けば敵に囲まれていた。

 

「ほら見ろお前!野分の声がでかいから!」

 

「人のせいにしないでください!元々、司令がテキトーに進んでたのが悪かったんでしょ!?」

 

「ちっ!お前、艤装は!?」

 

「あるわけないじゃないですか…深海棲艦に外されたそうです…」

 

「仕方ねぇな。お前、俺の後ろから離れんなよ」

 

「はぁ?あなた、なにを…」

 

「いいから!」

 

俺は上に向かってフライングフォーク。軽快な音を立てて突き進むフォーク。

 

「きゃあっ!」

 

「掴まれ!」

 

無理矢理、野分の手を握ってジャンプ。そのまま二、三と階層を突き進み、一番上と思われる場所へ来た。が、あくまでも上は海だ。なんつうのかな…ケロロ軍曹深海のプリンセスみたいな感じ。でも上の陽の光が見えてる以上、あそこまで深くはないのだろう。

 

「司令!あなた今なにを……!」

 

下からもドンドン追ってが来てるな…ここで立ち止まるわけにはいかない。

 

「野分。お前、外に出れたら泳いででもいいから逃げろよ」

 

「はぁ?」

 

「またな」

 

俺は野分に500連釘パンチ(ライトver)。つまり、痛くないけどお腹に衝撃が来る感じだ。

 

「きゃっ!ちょっ…!」

 

そのまま海の天井を突き抜けて海の中を突き進む野分。さて、俺はここで暴れるか。下から追ってきた深海棲艦と相対する。

 

「ここから先は、一方通行だ!」

 

 

 

 

その後、俺は深海棲艦の住処を壊滅させた。

 

後から分かった話だが、ここは深海棲艦要塞五反田事務所だそうだ。事務所なのか要塞なのかハッキリさせて欲しいところだった。

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。