「ですから、今ので出たx=3を上の式のxに代入して……」
「うだぁー!もう分かんないわよ!」
不知火に勉強を教わる陽炎だったが、シャーペンを放り投げて椅子にもたれかかった。
「陽炎、宿題を終わらせないとまた足柄さんに怒られますよ」
「そんなこと言ったって分かんないものは分かんないのよ」
「普段から授業を寝てるからそういう事になるんです」
「不知火は頭が良いから聞いていられるんでしょ⁉︎」
「頭の良し悪しは関係ありません」
で、ため息をつく不知火。
「連立方程式も解けないなんて……我が姉ながら情けないですね……」
「むっ…今、バカにしたでしょ?」
「? しましたが?」
「澄まし顔で何言ってんのよ!私だってやれば出来る子なんだからね⁉︎」
「それは自分で言う台詞ではないのですが……なら、不知火は必要ありませんね。ご自分で頑張って下さい」
「えっ…まっ……」
そのまま不知火は行ってしまった。
「浜風助けて!」
「か、陽炎姉さん⁉︎」
「あなたいつも頭良いじゃない!お願い!助けて!」
「いえ、私はそんなことありませんが……」
「嘘!足柄さんに指名されても毎回何食わぬ顔で答えてる癖に!」
「いえ、ですからそれは勉強を教わりに行ってるだけで……」
「誰に!」
すると、浜風は顔を赤くしてふいっと目をそらした。
「お、教えません!」
「? なんでよ」
「や、やなものは嫌です!」
「…………怪しい」
「な、何がですか!教えませんったら!」
「………へぇ、そういうこと言うんだ……」
「な、なんですか?」
すると、手をわきわきさせる陽炎。
「ならその乳捥いでやるぅーっ‼︎」
「ひ、ひやあぁぁぁっっ‼︎や、やめてください姉さん‼︎」
「なら吐けえー‼︎」
「言います!言いますからぁ!」
で、呼吸を整える浜風。そして、残念そうにため息をつくと、言った。
「提督です」
「…………は?」
「いえ、ですから提督に教わってるんです」
「…………司令に?」
「はい。教えるの上手なんですよ提督」
「………………」
「で、なんで増えてるわけ」
俺は不機嫌そうに2人に言った。
「いいじゃん司令。一人増えるも2人増えるも大して変わんないでしょ?」
「ふざけんな。数学は俺も好きじゃねぇんだよ」
「でも浜風には教えてあげてるじゃない」
「中学数学なんて算数だろ」
「私のも中学数学よ!」
「妹よりオッパイの小さい奴に教える事は何もねぇ!」
「オッ……⁉︎」
「ぶ、ぶっ飛ばすわよ‼︎」
「やってみろよ。お前の腕が折れるだけだぜ」
「この不死身超人め……」
ぐぬぬっと唸る陽炎を捨て置いて俺はファンタを飲む。
「で、浜風。まずは数学からだな。今はどこの範囲やってんだっけ」
「連立方程式です」
「ち、ちょっと!本当に教えてくれないの⁉︎」
「外野で聞いてろ。それでいいだろ」
そんなわけで、お勉強会だ。