もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

156 / 156
ゲーセン

 

 

 

 

「あー……。つっかれたぁ〜……」

 

ダルーンと後ろにひっくり返る陽炎。

 

「もう、姉さんだらしないですよ」

 

と、注意してはいるが、どちらかというと「お疲れ様」みたいな意味を含めて言う浜風。

 

「じゃ、俺は仕事やるから。残りはお前らでやっとけよ」

 

「はーい」

 

「ありがとうございました。提督」

 

そのまま出て行く2人を見送りながら、俺は再び仕事に戻る。ダメだ……眠い……ダルい……なんもしたくない。少し勉強会だかなんだか知らないけど頭を使い過ぎたな。

 

「仕事しないと……いやでもやりたくねぇな……」

 

流石に勉強教えた後に仕事はやる気が出ない。誰かに擦りつけるか……。こういう時に一番使えるのは金剛だよな。俺はLINEした。

 

『10秒以内に執務室に来ればいい事あるかもよ』

 

さて、後は仕事やれの書き置きだけしといて出掛けよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま俺は歩きながらテキトーに街に降りた。とりあえずゲーセンにはいった。しばらく歩いてると、なんか見たことないゲームが見えた。ゾンビを撃つタイプのガンゲーなのだが、タイトルがゾンこれだった。

 

「なんーだこれ……」

 

襲い掛かるソンビを迎え撃て……ね。概要は鎮守府にウィルスがばら撒かれて、ゾンビ化した艦娘達をワクチン単装砲(レベルが上がると連装砲なりと進化)で治す、か。

 

「…………はっ、バッカじゃねぇの。ありえねぇ、ありえねぇよ……」

 

ちょうどプレイしてる人がいたので後ろから覗いてみた。

 

『ガ、ガイシュ……イッ、イッショ、クヨ………』

 

『テ、テイトク、ノ……心ゾ……ハートヲ、ツ、ツカ…ツカムノハ、ワ、ワタ…ワタスィネ……』

 

『ヤ、リマ……スィタ……』

 

『ナノ、デス……ナノ、デス……ナノ、Death……』

 

「…………………」

 

ありえねぇ、ありえねぇって。つか、よくこんなもんあるなオイ……売れると思ってんのかよ。プレイしてる方もしてる方だなこれ……。そう思って、プレイしてる子を見ると、どっかで見た顔だった。

 

「…………………」

 

そいつはただ黙って真顔で、マシンガンを両脇に挟んでトリガーを握っていた。銀髪の女の子。ていうか、浜風だった。

 

「…………………」

 

俺は何も言えなかった。が、そんな俺とは真逆に、そいつはただ黙々と画面の中のゾン娘のウィルスを駆除している……ていうか、ウィルスを取り除くのになんで血が出てんだよ……。なんて考えながら見てると、ラスボスが現れた。が、まったく一発も被弾することなく、浜風は完勝した。周りから巻き起こる拍手。てか、いつの間にかギャラリーが17人くらいいる。

 

「ふぅ………」

 

息をついて、マシンガンを元の位置に戻す浜風。そして、気恥ずかしそうに拍手を無視してゲーセンの奥に逃げようとした時だ。俺と目が合った。

 

「あっ」

 

「………………」

 

顔を真っ赤にして口をパクパクさせる浜風。えーっと…なにこれ、どうすりゃいいの俺。うーわ……あれ、お前これ……気まずい……。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。