もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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大晦日

 

 

 

 

大晦日。仕事は休みで掃除も昨日終わった。つまり、暇になったのだが、昨日買ったSEEDのBlu-rayがある。いや一回全部見てるけどもっかい見たくなることあるじゃん?だから一日かけて全部見ようと思います。

だが、ただ見るだけでもおもしろくあるまい。てなわけで、執務室で作戦会議用のスクリーンを引っ張り出し、そこで上映することにした。一人で映画貸切。マジ天国。そんなことを考えながら準備をする。

そして、上映開始。

 

 

 

 

 

 

 

 

『これが人の夢!人の望み!人の業!』

 

クルーゼの台詞が執務室内に響く。あぁ…そんな台詞あったなぁ…でもさ、それ以前に、

 

「いけぇ!キラァッ!」

 

「ムウが死んじゃったー!」

 

「だいじょーぶ!続編では記憶喪失で出て来るから」

 

「えー!続編あるのですか!?」

 

「おそーい!」

 

おい、お前らなんでいんだよ。てかなんでほぼ全員集合?八時になってないよまだ。

 

「はい、ではそろそろ晩御飯にします。一旦切りますよ」

 

『はーい』

 

おい加賀さん?なんであなたまでいるんですかね。ていうかなんで上映会みたいになってるんですかね。そして、なんであなたが司会進行役みたくなってるんですかね。

で、加賀さんの号令で全員出て行く。どうやら食堂へ向かったようだ。さて、俺も昨日買ったカップ麺でも…、

 

「司令官も食堂で食べましょう!」

 

「提督も来るのー?」

 

「なのです!」

 

ですよね…そんな感じしてたわ。駆逐艦達にせがまれ、肩車で雷、背中に睦月、前に58、右腕に皐月、左腕に雪風という提督NT-1(CAアーマー)のまんま食堂へ。あぁ、すげぇ重ぇ…。そして、食堂に入ると、まるで宴会会場みたいになっていた。机の上には料理が並べられ、あと酒やらなにやらもあるし、なぜかドリンクバーまである。おい、俺それ作った覚えねぇぞ。

 

「おーい!提督が来たぞ!」

 

長門が声を張り上げると、「えっ!もう!?」「やばっ!早く!」「あれっ!?ズワイガニどこだっけ!?」なんて慌ただしい声がする。おい、グダグダ過ぎだろ。てかズワイガニなんていつ買ったよ。それ君達のお金だよね?鎮守府のお金じゃないよね?

 

「提督」

 

「あ、加賀さん。なにこれ、アーロンパークでも落としてきたんですか?」

 

「みんなでお金出し合って年末くらいは提督とたくさんお話ししたいってなったのよ」

 

「や、この人数とたくさんお話ししたら明日から声出ないんですけど」

 

「またそんな減らず口を…ほら、あなたの席はこっちよ」

 

加賀さんに連れられ、その位置に座る。その隣に加賀さんが座った。

 

「私はいいと言ったのだけれど、周りの子達がいつも提督と一緒にいるからって言うから仕方なくよ」

 

「や、嫌なら一人で食うからいいんだけど」

 

「い、いいから一緒にいなさい!」

 

ぷいっとそっぽを向いてしまう加賀さん。なんで若干、頬を赤くさせてんですか?風邪?もしかしてツンデレ?

 

「頭に来ました」

 

「なんで分かるんだよ…」

 

と、思ったら反対側に榛名が座る。

 

「榛名が一番、練度が高いということでお隣失礼しますね」

 

「あ、今ふと思ったんだけどさ。失礼するって『これから礼を失うよ?』って宣言してんだよな。そう考えると実は『失礼します』って言葉ほど失礼なんじゃないの?」

 

その瞬間、静まり返る食堂。おい、俺今そんなデカイ声で言ってねぇだろ。なんで一番遠い奴にも聞こえてんの。

 

「提督、今のは榛名ちょっと…」

 

「や、すまん。今のは自分でもないと思いました」

 

まぁそんなこんなで飯。

 

「…………」

 

「や、提督がなんか言ってくださいよ」

 

「え?や、俺?」

 

「貴様が司令官だろう」

 

「腹減ったぞ提督ー」

 

「与謝野晶子」

 

「いや人名じゃなくて。号令掛けろって」

 

「え?じ、じゃあ…あれ、アレだから…いただきます…?」

 

「や、だからそうじゃなくてですね…」

 

「今年一年お疲れ様とかそんな感じのこと言えばいいじゃん」

 

「頼むのです司令官」

 

「え?じ、じゃあ…今年一年、よろしく…じゃねぇや、お疲れっした…」

 

『お疲れ様でしたぁー!』

 

最後だけみんな合うんだな…てかグダグダ過ぎだろ。なんなんだよ俺…。この手の号令は高校の修学旅行でしっかりトラウマ残してたのによ…同じ失敗を繰り返しちまったよこの野郎…。

まぁスタートはアレだったものの、食事は盛り上がり、中にはいつの間にかテレビを持ち出して紅白見てたりしてる子もいれば、俺とお話ししたがる奴、酔っ払った長門にちょっかい出されてる駆逐艦もいた。

まぁ、みんな楽しめてるしいいんじゃねぇの?なんて思ってると、テレビがカウントダウンを始める。それに、ほとんどの艦娘が合わせた。

 

『5!』

 

駆逐艦の子達。

 

『4!』

 

軽巡、雷巡、重巡が重なった。

 

『3!』

 

高速戦艦、軽空母も参加。

 

『2!』

 

正規空母や、その他戦艦も加わる。

 

『1!』

 

加賀さんと榛名が俺の手に手を重ねた。

 

「ぜ…」

 

『あけましておめでとうございまぁーす!』

 

「………」

 

「どうかした?提督?」

 

「なんでもない…」

 

マジかよタイミング逃すもいいとこだろ。ていうかそこは0じゃねぇのかよ。どういうことなの?誰の陰謀なの?

 

「よし飛鷹!飲み直しだー!」

 

「飲み直しって…別になんか問題が起きたわけじゃないじゃない」

 

「いいんだよ!さっきまでは大晦日!こっからは正月用だ!」

 

「あ、那智姉さんも飲もう飲もう!」

 

「あ、こら足柄…!」

 

てな具合に、さらにヒートアップする奴もいれば、

 

「ふみゅう……」

 

「文月!寝るなら部屋に戻れ!」

 

「僕も眠いぃ…」

 

「皐月も!」

 

と、今すぐにでも寝そうな子もいた。長月は苦労しそうだな…。てか睦月型以外にも寝そうな子はたくさんいる。てか暁にいたってはすでに寝ている。

 

「榛名、悪いんだけど寝てる子達だけでいいから部屋に戻してきてあげてくれるか?」

 

「はい」

 

そのまま、睦月型の半分以上と暁、それと何型だか忘れたけど敷波とか、あと雪風、潜水艦の子達を金剛型のみなさんで回収しに行った。

 

「提督は寝なくていいの?」

 

聞いてきたのは隣の加賀さんだ。トトロかっつの。

 

「大丈夫です。俺の予定だとこの時間はフルブやってるはずだったんで」

 

「…あなたねぇ、仮にも軍の人間でしょう?」

 

「逆だ。軍人も人間なんですよ」

 

「本当になんで軍に入ったの…」

 

ほっとけ。

 

「やぁお二人さんは飲んでるかい〜?」

 

隼鷹がふらふらした足取りでこっちに来る。おい大丈夫かこいつ。てかよく見たら二十歳越えてそうな奴らほとんどベロンベロンだな。赤城さんは鳳翔さんになぜか説教喰らってるし、その鳳翔さんは超辛いサッカーとかの合宿とかに持っていく水筒感覚で浴びるように飲んでいる。おい、あれ止めた方がいいんじゃねぇの?

 

「てなわけで、提督も飲むかぁ?」

 

「や、俺19だから」

 

「いいじゃねぇかぁ、正月くらいぃ〜」

 

「その油断が事故に繋がるんだよお前。そもそも酒、煙草、ギャンブル、パチンコのダメ人間製造四天王には手を出さないようにしてんだよ」

 

「なぁにいってんですかぁ?」

 

後ろから千歳に抱き着かれた。

 

「酒臭っ!?」

 

「しょんなこといってぇ〜おしゃけは大事なんでしゅよぉ?」

 

抱き着き?これは違う!拘束だ!

 

「や、やめてくださいっつーの!マジで俺そもそも酒は飲めない…」

 

「そりゃ!」

 

無理矢理酒のビンと思われる物を口の中に突っ込まれた。そこから俺の記憶は途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっ!隼鷹!」

 

加賀が隼鷹に声を掛けるが、そんなこと気にした様子はない。

 

「なんだぁ?加賀も飲みたいのかぁい?」

 

「そんなんじゃなくて!提督がぶっ倒れ…」

 

と、言いかけた所で後ろから今度は足柄と鳳翔に拘束される。

 

「なっ…!?」

 

「あんたも飲みなさいよぅ」

 

「ふざけないで!今年の一発目からこれじゃ…」

 

「加賀しゃん!」

 

鳳翔に怒鳴られ、思わずビクッと押し黙る加賀。

 

「あなたも飲みなさい!」

 

見れば、一航戦の赤い方は轟沈している。そして、隼鷹が酒を手に持ち、加賀の前に立ちふさがった。

 

「さぁて加賀さん、覚悟はいいなぁ?」

 

「や、やめ……」

 

頭をふるふると弱々しく振るが、そんなもの隼鷹には関係ない。そして、加賀の口にチューニングしようとした時だ。

 

「隼鷹……」

 

「あー?」

 

振り返った隼鷹の口になにかが当てられる。提督の口だった。

 

「なっ!?」

 

「「「!?」」」

 

5秒くらいくっ付いた所で、隼鷹がドンっと押し飛ばす。

 

「て、ててて提督!?な、なななにを…」

 

一発で酔いが冷める隼鷹。そんなのも気にせず提督は隼鷹を押し倒した。そして、隼鷹の顎に手を当てる。

 

「お前…超サイヤ人3みたいな髪型してるけど、顔は可愛いな……」

 

「んなっ……!」

 

顔が赤くなる隼鷹。提督は早い話がクソ酔ってた。どうやら、地雷どころかミラーフォース級のなにかを覚醒させちまったらしい。

 

「俺と……」

 

「や、ややややめろよ!で、でもでも…どうしてもっていうなら……」

 

その瞬間、加賀が提督を蹴り飛ばした。それもガン切れ。

 

「提督、あなたは憲兵に捕まりたいんですか?」

 

そう言い放つ加賀。だが、蹴り飛ばした方向に提督はいない。

 

「!?」

 

後ろからトントン、と肩を叩かれる。

 

「なに?」

 

「加賀ちゃん…」

 

提督が抱き締めた。顔が一発で赤くなる加賀。

 

「寂しいなら、相手してやる…」

 

そのまま押し倒し、加賀の上に座り込む提督。赤面して思考停止してる加賀。そんなのも気にせず、提督が続きをしようと思った時だ。

 

「zzz…」

 

寝た。加賀の上で。その瞬間、加賀のビンタが提督に炸裂し、そこから先は戻ってきた金剛型によって一応、収集が付いた。

 

 

 

 

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