「はい日直ごーれー」
一回でいいから言って見てぇよなこの台詞。前回、加賀先生に怒られたので、今回は遅れずに来た。
「きりーつ」
秋雲が号令を掛ける。
「気を付け、れーい」
「はいじゃあ今日は文化祭も近いので、現国を中止してなにやるか決める」
その台詞に盛り上がる教室。
「ちなみにうちのクラスの出し物は俺の独断と偏見でこれに決めた」
その瞬間、全員が「は?」って表情になるが気にしない。教卓にコトッとなにかを置いた。そこにあるのは、ガンプラ。
「ガンタンク1/100スケールだ。俺は青春と友情の文化祭が大嫌いだからこれで潰すことにした。いーよねみん…」
『よくねぇよっ!』
てなわけできちんと決めることになりました。
「はいじゃあ、とりあえず誰でもいいんで、司会進行役をやって。俺はあれ…文化祭のアレ、参考図書読んでるから」
「ジャンプじゃんそれ!後で貸してよね!」
鈴谷が立ち上がって指差す。
「じゃ、お前司会な」
「は、はぁ!?なんで鈴谷だし!」
「いや立ったから。ほら早く。現国1にされてぇのか」
「こっの…!いつか引っ叩いてやる…!」
そのまま全員で会議を進める中、俺はジャンプを読みふける。それから20分後くらい。ふと黒板を見ると、どうやら演劇に決まったようだ。へー、いいんじゃない?俺関係ないし。
で、なんで黒板に「スペシャル出演:提督☆」ってかいてあるのかな?
放課後。早速、文化祭の準備が始まった。ちなみに顧問の件は剣道部に決定。中学の時に剣道をやっていたというのもあり、一応見に行ったら日向にせがまれた。
で、今はクラスの出し物。鈴谷に説明してもらってる。
「ほら先生は先代英雄《閃光の破壊者(シャイニングブレイカー》ルーク・シュナイダーの亡霊役なんだから」
「おい、なんだその矛盾まみれの中二感丸出しの英雄は…誰が考えた」
「え?一年生の菊月ちゃん」
下級生まで巻き込んだのかこいつらは…。
「あの…責めて名前変えてくれ。中二教師って周りに名付けられちゃう…」
「ほら必殺技!シャイニングフィンガーソード!」
「丸パクリじゃねぇか!もう俺ドモン・カッシュでいいんじゃね?てか亡霊が必殺技うっちゃうの?」
「ちなみに先生の娘の英雄役として阿賀野ちゃんに出てもらうよ」
「パパーっ!」
と、阿賀野が抱き付いてくる。
「おい英雄がパパって呼ぶなよ。責めてお父さんだろ」
「阿賀野はねぇ、二代英雄《死霊の騎士(デスハーデス)》ダーク・シュナイダーだよ!」
「おい、なんで閃光の娘がダークなんだよ。死霊の騎士とか完全に通り魔かなんかだろ」
「さぁて!死にたい奴は前に出なァっ!」
「おい、この子本当に死神だよ。なんとかならないの?」
この演劇大丈夫か?ただの新機動戦記ガ○ダムWになっちまうんじゃねぇの?
途中で抜けて、自分の部活に顔出した。
「あ、先生ー!」
伊勢がパタパタとよってくる。その後に続いて日向やら木曾やら天龍やらが出てきた。
「あのさ、一応聞きたいんだけど、剣道部ってなんかやんの?文化祭」
「一応やるつもりだ」
答えたのは日向。
「部費稼ぐために軽くで店をやろうと思ってる」
「あ、なら俺のお小遣いも」
「自分で稼いでくれ」
「だよね。知ってた」
しかし懐かしいな剣道部。とりあえず竹刀を拾い上げて軽く振ってみる。
「おーい木曾。ちょっと鍔投げてくんね?」
「いいけど、なにすんだ?」
「五右衛門」
「や、やめてください提督!そんなことしたら竹刀が…」
「へーきだよ伊勢。ちょっと弾くだけ」
てなわけで、木曾がびゅっと鍔を投げた。それを弾く。
「またつまらぬものを切ってしまった…」
「切るっつーか弾くだけどな」
「いいんだよ細かいことは」
ふぅ、スッキリしたぜ。伊勢と日向は呆れてるがそんなもん知るか!俺が暇潰し出来ればそれでいいんだよ。
「あれ?鍔は?」
「そういえば見当たらないな」
探してると、後ろから声がする。
「剣道部」
どっかで聞いた落ち着いた声。振り返ると加賀先生が鍔を持ってたっていた。
「これが上から降ってきたのだけれど。なにか知らないかしら?」
やっべー…相当お怒りだよこれ…。
「や、知りません知りません!なぁみんな!?」
『提督先生がやりました』
全員口を揃えて吐きやがった…。だが、意外なことに加賀先生は怒った様子はなく、目をパチクリさせて俺を見た。
「て、提督先生?どうしてここに…?」
「え?や、俺、ここの顧問なんすよ…」
「………」
すると、なぜか顔を赤くしてボソボソした声で言う。
「弓道部に入ってくれれば良かったのに…」
「はい?なんか言いました?」
「な、なんでもないわ!それより、あなたがこれを落としたのね?」
「や、違うんですよ。鍔に今は亡き先代英雄の《閃光の破壊者》ルーク…」
「罰として今日も弓道部の雑用をしなさい。異論は認めないわ」
「はぁ!?そりゃないですよ!」
俺の反論も虚しく、加賀先生に引きずられて行った。