もし、俺が提督だったら   作:単品っすね

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秘書艦

 

 

気の疲れる昼食も終わり、俺は執務室に戻る。あの後、まさかホントにジムやらコンビニやらに連れて行かれると思わず、全身筋肉痛だ。

 

「ダッる……」

 

ソファーに寝っ転がってPSPを付ける。アムロのレベルが90を越えたため、チャンスステップ無限が使える。EN切らすまで無双するのみ。さぁて、しばらくダラけるぞ〜。

 

 

 

 

 

食堂。

 

「戻ったよー!」

 

陽炎と不知火が元気良く突入。

 

「おぉ!お疲れ、どうだった?」

 

「うん…すっごく空気が重かった…」

 

ゲンナリと答える陽炎。周りも「あぁ〜」といった表情だ。

 

「でも、ラーメンをご馳走してもらいました」

 

「あっ!そうそうなの!ラーメン買ってくれたり漫画貸してもらったりしたわよ!」

 

そう言うと、周りはおぉっ!と声を上げる。

 

「なんの漫画?」

 

「えーっと…べる○ばぶとギャグマ○ガ日和でした」

 

「またカオスな漫画を…」

 

夕張は呆れて見せる。瑞鳳が言った。

 

「私達は私達で話し合ってたんだけど、これから提督に秘書を付けることにしたんだ」

 

「秘書艦?そういえば決められてなかったわね…」

 

「そうすれば、みんなで司令官とコミュニケーション取れると思ったのです」

 

「で、今加賀さんがそのことを提督に言いに行ったぴょん!加賀さんはどう見ても提督のお母さんみたいな…」

 

「そんな歳ではないのだけれど」

 

ビクッと卯月が肩を震わせる。後ろには加賀がPSPを持って立っていた。少し機嫌が悪そうに。

 

「あ、加賀さん。どうでした?…てかどうしました?」

 

「あのダメ提督、仕事もせずにこんなゲーム機を…あ、いえ、ちゃんと了承してもらったわ」

 

「じゃ、さっそくクジ引きで決めましょう」

 

「え、クジ引きで決めるんですか?」

 

「そりゃだってみんなやりたいもの」

 

「いいねぇ、痺れるねぇ」

 

で、クジ引きが始まった。

 

 

 

 

 

次の日。俺はイマイチ寝付けずに目が覚める。あーあ…今日から監視が付くのか…。やだなぁ、これでまったくサボれなくなっちまったよ…。しかもほとんどの子が挨拶しかしてないから気まずいんだよな。責めて無口な子が欲しい…弥生とか不知火とかなら精神的に持ちそうなんだけどなぁ…。

とか思いながら布団から出て歯磨きする。すると、コンコンとノックの音。ついに来たか…頼むから大人しい子!

 

「雷よ!かみなりじゃないわ!そこん所もよろしく頼むわね!」

 

「おぉう…もう…」

 

どうやら俺は神を殺すしかないようだ。

 

「って!まだ歯磨きしてるの!?もう、仕方ないわね!ほら、朝ご飯にオニギリ作ってきてあげたわよ!」

 

うんうん、歯を磨いてる人間に食料を渡すとはどういうことかね?とりあえず、無言で頷いてオニギリを受け取り、机の上に置いといた。

 

「で、私はなにをすればいいの?頼ってくれていいんだから!」

 

騒がしい…子供の相手は得意じゃないんだけどな。とりあえず、昨日の夜に加賀さんに返してもらったiPhoneを渡す。

 

「じゃ、そこのソファーでこれで遊んでていいぞ。ロック番号は0911で開くから」

 

「はーい!」

 

よし、これでなんとかなったか。その間にうがいして、雷の作ってくれたオニギリをありがたくいただく。片手にオニギリを持ちながら耳にイヤホンを装着し、書類を片付ける。加賀さんに「やれ」と、言われてないせいか、今日は割りとやる気が出た。と、思ったが数十分で飽きて3DSを付ける。

最近はポ○モンプラチナにハマっているのだ。しばらくドサ○ドンをLv100にして自己満足しようと頑張ってると、足元でむぅーっと唸っている小さい生き物がいた。

 

「どうしたピカチュウ」

 

「ピカチュウじゃないわ!どうして仕事のお手伝いさせてくれないの!?」

 

「あー…ほら、これ俺の仕事だし俺がやらないわけにはいかないじゃん?」

 

「もっと私を頼っていいんだから!」

 

「だから携帯でゲームやるという大事な任務を…」

 

「違うの違うの〜!司令官としての仕事を手伝いたいのよ〜!」

 

あぁ…あれだ。ヒドく面倒臭い。なんでこんなに働きたがるんだよこの子。と、言っても小さい女の子、それも小学生くらいの子に仕事をさせるのは気が引けるし、まずこの子漢字書けんの?

 

「じゃああれだ。開発資材渡すから装備の開発を頼むわ。報告書だけ出したらあとは好きなことしててくれ」

 

「任せて!」

 

そのまま、とたとたと執務室を出て行く。ふぅ、これでやっと落ち着ける。俺は執務室の鍵を閉めると、再び書類に目を通す。あぁ…ダメだ。面倒臭い…。これは気分転換が必要だな。iPhoneを持ってゲリラの時間を確認。あーあと五分でエメドラか。少し待とう。

再び書類に目を通しては一枚一枚と仕事をこなしていると、五分経ち、エメドラへ出発。した瞬間にノック。んだよこれからバステトのレベル上げなのによとか思ってると、声がした。

 

「提督」

 

赤城さんの声だ。まぁ雷じゃないだけマシか。鍵を開けると、赤城さんと手を繋ぎながらグスンと涙ぐみ、横に電を引き連れてる雷がいた。

 

「提督、この子に仕事をさせてあげて下さい」

 

「そうなのです!ひどいですよ司令官さん!」

 

「や、だから開発資材渡したハズなんですけど…」

 

「その後に好きにしてていいという命令のことです。一応、秘書艦の仕事は提督のサポートなんですから」

 

「雷ちゃん、『私、嫌われてるのかな…』ってとっても傷付いちゃってるのです!」

 

……小さい子は繊細だなー。精密機械なの?まぁ今回は俺が悪いのかな…。

 

「まぁその、なんだ?悪かったよ」

 

「グスン。アイス…」

 

「え?」

 

「アイス一本で許してあげる!」

 

現金な奴め…。

 

「わーったよ。おら、金やるから買っておいで。ピチューも食べるか?」

 

「わーい!ありがとうなのです!」

 

あれ?ピチューで通じた?

 

「提督」

 

呼ばれて振り返ると、赤城さんが乙女の顔をしている。

 

「はい」

 

「あの…私も……」

 

「赤城さんは自分で買えよ」

 

「……」

 

なんでジト目なんですかね……。

 

「みんなにバラしてもいいんですよ?雷ちゃん泣かしたこと」

 

「…一人一つだからな」

 

「ありがとうございます♪」

 

おいこれ上司と部下の関係壊れすぎだろ。一応、軍だろうが。

 

 

 

 

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